イラン

バンダレ・アッパーズから無料フェリーでケシュム島へ、強欲おっちゃんの家に泊る(2023.12.26~27)

イラン
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2023.12.26(火)1ドル≒490万イランリアル(実勢レート)

世間ではいつの間にかクリスマスが過ぎてる。
先月からイスラム教の国にいるため、特にイランに入ってからはクリスマスイルミネーションを見ることが全くなく忘れていた。なんか損した気分になる。

バンダレ・アッパーズの港

シーラーズから夜行バスでフェリーターミナルに来た。
このまま眼前のケシュム島へ行ってしまいたい。フェリーは時間は決まってなく、満席になったら出発するタイプで200IRR(600円)。

同行者の2人はあまりにも荷物が多過ぎるので、カウチソファで募集があったホストの人に港まで迎えに来てもらい、そのお宅に大きな荷物を置かせてもらってからケシュム島に行くと言う。泊まらなくても車で迎えに来てくれるホストの人の親切心が凄い。なので港でホストの人が来るまで待機。

彼女らとはお互い、ケシュム島に行く前にドバイ行きのフェリーチケットを予約しようという話になり、彼女らはホストの家に荷物を置きに、私は荷物を置かないので旅行会社がありそうな通りで待ち合わせすることにした。
少し歩いてみたが、バンデラ・アッパーズの町はゴミゴミしていて好きになれそうにない。

シーラーズまでは寒かったのに、9時間南下しただけで急に真夏の暑さでびっくりする。着ているセーターを脱がないと汗でベタベタだが、脱ぐと薄着過ぎて体の線が見える服装をしてはいけないイランでは目立ち過ぎるので脱げない。せめて秋位の服装に着替えないといけないのが本当に面倒くさい。

イランのバンダレ・アッパーズからドバイ行きのフェリーチケット

旅行会社を見つけ聞いてみるとドバイ行きは週3回の運行で、明後日の12月28日か1月2日しか空いていないという。
12月30日に船でドバイに渡り、そこで華やかにカウントダウンを迎えたかったが仕方ない。
明後日だと急過ぎるので3人とも1月2日のチケットを取った。まあまあ先である。
金額は3740万リアル。1万1千円位で飛行機でドバイに飛ぶよりは安い。

大金なのに$払い不可。イランリアルでしか払えないとのことで両替屋へ。バンデラ・アッパーズには路上両替屋はいなかったが、両替店舗でもテヘランと同じ1$=490万IRRのレート。

ドバイ行きのフェリーは1万1千円位。100$札を3人分両替するとこんな大金に。
私たちはこの札束を数えるにかなり時間がかかったが、現地の人は慣れているようで一瞬で終わる。

ケシュム島への無料フェリー乗り場へ移動

やっと島へ行けるかと思ったが、2人がここからずっと西に行ったフェリーターミナルからだと無料でケシュム島へ渡れるのと言うので面白そうなので付いて行くことにする。
しかしここからタクシーで1時間以上の距離となると、いつも使っているタクシーアプリのSnapp!が使えなかった。長すぎる距離だと使用不可になるようだ。
すると旅行会社の英語ベラベラの優しいお姉さんが、仕事が終わる15時に西方面行きのタクシー乗り場まで車で送ってくれると言うので15時まで時間を潰すことに。

15時迄することがないので路上で弁当を買う。

チキンとザクロ入りライスが、たった70IRR(200円)。
めちゃめちゃ美味しいのだが、路上のベンチで食べると排気ガスが凄いのが残念。
町もゴミだらけで首都のテヘランより汚く感じる。早く島へ行ってしまいたい。

旅行会社のお姉さんが仕事終わりにタクシー乗り場まで送ってくれ、そこからタクシーでフェリー乗り場へ。同行者の2人は400IRRを280IRRまで値切り倒しており、更に270IRRじゃないと納得しないと交渉していて凄く時間が掛かった。こんなに物価が安いイランで値切るのは時間の無駄だし現地の人に悪いのではないかと私は思ってしまう。
もし自分の日本での時給が1500円だとする。数十円値切るのに20分掛かったとしたら、500円の労働力を使って数十円を値切ったことになる。
しかし旅のスタイルは人それぞれ。彼女らは楽しんでやっていて値切るのを時給に換算したりはしていないのだろう。

途中の景色。中心から外れたらこんな景色ばかり。

1時間タクシーに乗りやっと到着。
深夜バスで来てからずっと荷物を持ってうろうろしていたので私はタクシーで寝てしまっていた。

もう夕方。凄い疲労感。
フェリーというか車が乗るタンカーで座席はなし。

地元の人の足なのか、短い距離だからなのかなぜ無料なのだろう。
車とバイクだらけの隙間に立つ。ガソリンの匂いが臭過ぎて全くくつろげない。

ケシュム島の西側に到着

あっという間に対岸のケシュム島に着いたが、ここからが大変だった。
この経路を徒歩で渡る人などいないので、到着地点にタクシーがいない。
ネットの電波が届かないのでSnapp!タクシーも呼べない。ヒッチハイクで近くの町まで行くしかない。

なんとか3人でヒッチハイクで車を2台乗り継ぎ、Bandar e Laftという近くの大きそうな町まで来た。(写真は次の日の昼間の写真)
ウズベキスタン同様、助け合いの精神が根強いイスラム教の国のイランでは、割と簡単にヒッチハイクが出来てしまう。
旅のベテランのHさんは、ここから更に1人でヒッチハイクでカウチソファのホスト宅まで行くそうなので別れ、私とMさんでGoogleMapやMapsMeに出て来るホテルを渡り歩くが、harmony house1軒を除いて全て閉鎖中。外から錠前で鍵が掛かっている。harmony houseは1泊40$なので却下。

荷物を持って歩いていると親切な町の人らに次々に声を掛けられる。
安いホテルはないかパレスチナ人の男性に聞くと、どこかに電話をして一人のおっちゃんが車で迎えに来た。英語は単語だけのおっちゃん。自宅に泊めてくれると言うので、金額を聞いたら「1人100万」と言う。100万リアルは300円位なので「ありがとう。」と言ってMさんと車に乗り込むが、もう1度リアルかトマンか確認すると「100マントマン」だと言う。

あほかっ。

イランではリアルとトマンの両方の単位が使われていてややこしい。100万トマンは3000円である。1室6000円なんて、なぜさっきのリゾート風ホテルより高い金額なんだ。親切なイラン人が泊めてくれるのかと思ったのに、電話で呼び出されてやって来たのは強欲おっさんだった。

「そんなんだったら他を探す。」と車を降りようとすると1人250リアルまで下がった。最初の言い値の4分の1の金額である。
車で5分位でおっちゃんの家に到着し、部屋に案内されたら全く家具のないただの広間。広いので親戚とかが集まって食事をする部屋だろうか。というか・・・布団もマットレスもないのに一人750円はイランの物価からしたら高過ぎである。
2人で500万リアルを渡したら、おっちゃんはお金を手にした瞬間、顔をそらしながら悪徳代官のような笑みを浮かべたのを私もMさんも見逃さなかった。

「ちょーーっ!!見た?!今のニヤリ顔!!ぼったくり大成功って感じの顔!!」

おっちゃんが日本語を分からないのをいいことに2人でぎゃーぎゃー文句を言ったが、おっちゃんは(意味が分からないのでもちろん)気にせず「明日マングローブ、城壁、ボート!」など片言で言ってくる。「いや、いらん。もう眠い、寝る!!💢」と言っても英語は全く通じず、同じ言葉を何十回も繰り返し、更にボリボリに私たちから案内料金をせしめる気満々である。
紅茶とクッキーを持って来ながら部屋の片隅に座り込んできたので追い返した。この紅茶代も取られそうで不安。


次の日の朝。
部屋の周囲にあったクッションを並べてその上に横になったら、よほど疲れていたのか一瞬で寝てしまっていた。スーツケースを持ち運びながらあんなに町をウロウロしたのはこの旅で初めてだった。

朝起きたら強欲おっちゃんが朝食を運んで来た。警戒して「Free?」と聞いて頷いたのを見てから食べる。パンとジャムと紅茶。イランではこの丸いプチプチした形のついたパンがよく出てくるが、全く弾力がなく美味しくない。よく出て来るニンジンジャムは甘くて美味しい。

今朝も「castle wall、ボート、マングローブ!」と繰り返す。念のため金額を聞いたら「100万トマン。」だと。どうしても100万トマン、3000円が欲しいようだ。
「(あなたは強欲なので)結構です、どこも行きません。町の中心まで送ってくれますか?」と聞くと「OK」と言いつつ「朝食、昨晩の紅茶、送迎で100万トマン!」と言うので「朝食無料って言ったやん!」というやり取りを3回繰り返した。舌の根も乾かないうちにそんなこと言うか。

結局「送っていらん!町まで20分歩く!(-_-メ)」と車から荷物を降ろそうとすると、悪人になりきれないおっちゃんは「分かった、分かった。タダだから。」と言うので車に座ったらその数十秒後にGoogle翻訳で「送迎と朝食で100万トマン」と見せてくる。

えらい強欲じじいに当たってしまったもんである。ただの床だけの部屋に泊めただけで2人で1500円も貰えて感謝しろという感じなのだが、終始「100万トマン」の連発だった。
お金は払わなかったが町まではちゃんと送ってくれた。

ケシュム島の西側にチャコー・キャニオンという観光地があるようなので、Snapp!アプリでタクシーを呼んで行ってみることにする。
だいぶ待ったがフェリー乗り場辺りから来てくれるタクシーがつかまった。
次はいい人だったらいいのだが・・・

つづく。

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