2023.12.1(金)
1トルコ・リラ≒5.1円
本日は昨日入れなかったアタテュルク廟のリベンジです。
同行者は昨日行ったらしく、アンカラには用無し。早朝のバスでパムッカレに向かうそうなのでここで一時お別れです。
アタテュルクの功績
ムスタファ・ケマル・アタテュルク(ケマルパシャ)は、トルコ共和国の初代大統領です。世界史の授業でも習うかなりかなり偉大なる人物です。
600年以上栄華を極め、広大な領土を占めていたオスマン帝国は徐々に腐敗政治などにより衰退。第一次世界大戦終焉時はセーヴル条約(不平等条約)により領土の殆どを失い崩壊寸前。そこをアタテュルクの軍が1922年イズミール奪還に成功したことをきっかけに、国土のほとんどを取り返すことに成功。新しい国家としてトルコ共和国を樹立しました。
世界史選択の人は知っていると思いますが凄い略してます。興味がある人は調べて下さいまし。
ここまでの軍での統率力もさることながら、この後の改革が革命的過ぎて凄いです。尊敬しまくります。
とにかくこの方がいなかったら今のトルコはないわけで、トルコ人が敬愛してやまず、あちこちに銅像があり、お札にもなり、写真が飾られています。なので亡くなられた後は「静かに眠れるように。」と10年の歳月を掛け、1953年にアタテュルク廟が完成したのです。
アタテュルク氏は数え切れない程の改革を行ったのですが、その中でも私が凄いなと思ったのは…
- 婦人解放:一夫多妻制の禁止、男女平等、女性の選挙権と被選挙権確立
- 文字改革:それまでのアラビア語表記の代りにアルファベット表記を採用。これにより識字率アップに貢献。
- 西暦の導入:これまでのイスラーム暦では他国との公務や国際貿易に支障が出ると考え西暦へ移行。金曜が休日だったのも、土曜の午後と日曜に変更
- 名字の導入:全国民が姓をもつことを義務(それまでは名前のみ)
- 政教分離:カリフ制を廃止して政治と宗教を分離、憲法から「イスラム教」の表記を削除
これらは一部。こういった西洋文化に近づけた改革により、イスラム世界に属していたトルコは一気に近代国家へと発展したのです。
日本でこれだけの改革を行うと凄い反発が起こるのではないでしょうか。どれだけこの方が国民に信頼されていたかが伺えます。
アタテュルク廟
ネットで調べてみたら、昨日のNecatibey駅から行った南門は裏口でした。正門はこの地下鉄のAnadolu駅から徒歩5分位。
この日、金曜日はチケット売り場が休みなのか?ストライキなのか?チケット売り場の窓口が閉まっています。チケットが買えないと駅員に言うと、またも無料で乗せてもらえました。(全駅閉まったいたので、この日は全て無賃で乗せてもらう。)
地下鉄は9時に来たら少し混んでいます。
9時オープンで入場は無料。オープンに合わせてツアー客が押し寄せています。
セキュリティチェックの列がすごい混み具合。左に看板がありますがいつもトルコ語オンリーなので全然分かりません。「荷物なしの人はここを通れ」って意味のようです ここは手ぶらで来た方がいいかも。
スーツケースを持って来ても入れるんですね。しかし、この後凄いガタガタ道があるしやめた方がいいでしょう。ロッカーもなかったです。
ここから坂の頂上にあるアタテュルク廟まで距離があるのでミニバスで運んでくれると見たのですが・・・
1台目に聞いたバスは満席で乗せてくれなかったので、このバスにも聞いてみます。
これも満席だったので「立っていいから乗ってもいい~?」と聞くと運転手は最初「はっ?」て顔をしていましたが「Welcome,Welcome!」と乗せてくれました。
乗るとなぜか皆、私の方を見てクスクス笑っています。はて??
おばあちゃんが「横に座りな。」と優しく笑いながら席を詰めてくれました。「おい!ジャポンジャが乗ってきたぞ。」と運転手が笑いながら言ってます。
・・・なんてことでしょう。
どうやらこれはトルコ人観光客のバスだったようです。は、恥ずかしい・・・( ;∀;)
オープンの9時と同時に観光バスが到着してるので凄い人です。
恥ずかしくて穴があったら入りたかったですが、トルコ人は親切、陽気で楽しいです。
最初の建物。2つの建物の中にもアタトゥルクさんの写真、戦車などが展示されています。
外の警備の兵隊さんは見ていると瞬きすらしておらず、人形と見間違うかと。この右の青い人です。
ライオンの道と呼ばれる通路。
この道のタイルの目地がないので歩きにくいです。ハイヒールも無理じゃないでしょうか。
そして相変わらずのかわいいライオン。ヒッタイトの権力の象徴だったそうで。このライオンはねこ・・・強くなさそうですが。
到着しました。広すぎませんか、これ。すごい建築物です。
美しいデザインで圧巻です。アタトゥルク氏の改革に基づき、宗教的要素をなくすためにこのデザインになっているとか。
中にも入ってみます。
あれがアタテュルクさんのお墓。最先端の科学技術で亡くなられた当時のままの姿で保存されているそうです。
1時間に1度の頻度で衛兵交代式や献花が行われ「どけどけ。」と中を追い出されます。アタテュルクさんもこれでは煩くて眠れないのでは・・・
独立戦争博物館
分かりにくいですが周囲の回廊は広大な無料の博物館になっています。
この右端の入隅、ここからが入ります。同行者は昨日見つけられなかったそうです。
中は撮影禁止。アタテュルク氏の私物の他に数々の絵画。あと独立戦争の流れを地図やマネキンの展示で分かるようになっており、広さもありかなり見応えがあります。ここを行かないなんて勿体ない…
これがアタテュルクさんです。それはそれはイケメンでも有名だったそうですが、更に IQ 200ぐらいありそうな顔をしていらっしゃいます。
献花する人の列。尊敬されまくりです。
この後、兵隊交代式も見れました。
黙祷の音楽が流れると皆ピタリと停止して祈りを捧げ、ピクリとも動きません。
それが神聖過ぎて、何故か私もトルコの為に全人生を捧げたアタトゥルク氏に感動し、涙が出そうになりました。
こんな丘の上にこれだけの規模のお墓を建ててもらえるなんて、立派過ぎてインドのタージ・マハルを思い出しました。あっちは国王が勝手に建てた奥さんの墓ですが。
帰りは昨日来た南の門から出ました。
南門の最寄りの地下鉄はこのモスクがあるDemirtepe駅です。宿に戻ってチェックアウトします。
コジャペテモスク
宿をチェックアウトしてスーツケースを受け取り、一昨日曇りだったコジャペテモスクにもう一度行ってみます。
晴れているとなんて綺麗なんでしょう。
そして全身黒の服、ミニスーツケースでモスクの前に来るとあっという間に警官2名に取り囲まれました。
警察手帳を見せながらパスポートの確認とスーツケースを開けるよう言われました。
で・す・よ・ね〜(´・ω・`)テロリストで爆弾を持っていると間違われますよね~
皆さんもスーツケースを持ってモスクに行くのはやめましょう。
スーツケースの中を見せたら解放されました。中に入ってみると…
凄い。2日前の曇りの日の美しさとは雲泥の差です。観光客が全くいない静けさもいいです。
ずっと見とれてしまいました。
ステンドグラスの建造物は、やはり晴れの日に来ないといけませんね。
あまりの静けさと居心地の良さに、今日が移動日じゃなかったらずっとここで座って過ごしていたかったです。
さて、最近雨や曇りの日が多くなってきたので天気を見ながら移動をしています。晴れの日を狙って観光した方が見える景色が美しくて満足度が高いです。
このまま同行者を追いかけてパムッカレに行きたかったですが、パムッカレは明日以降3日連続雨なので、それまで別の町に寄り道します。
今思い立って急に行き先を変えました。それも旅の醍醐味。
いまからコンヤという町に行きます。
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