エジプト

砂漠のオアシス、シワの町でヨルダンで果たせなかった死海に浮かぶ。クレオパトラの泉や温泉でも泳ぐ(2024.1.23~24)

エジプト
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2024.1.23(火)1ドル≒30エジプトポンド(公定)、1ドル≒58エジプトポンド(闇レート)

エジプトのシワに着いた。
Booking.comで検討を付けていたホテルは遠いか高い所しかなかったので、バスステーションから歩いて行けるLenが見つけたというホテルへ行ってみる。

シワ、小さい子を乗せたロバをよく見かける。土の色をした建物群もかわいい。癒される光景だ。

Palm Trees Hotel

どの予約サイトにも載っていないホテル。
「インドのホテルと同レベルに汚いけど大丈夫ですか?」との連絡は貰っていたが、一度そんなところも見てみたかった。口コミも「汚い」のオンパレード。

バルコニー付き個室で1泊200ポンド(600円)。男性2名はバルコニーなしで1室150ポンドだったらしいのでかなり割安。床のタイルは汚れまくり。そして水回りは・・・噂通りの・・・

閲覧注意



水回りが酷い。しかも水しか出ない。2月のエジプトは寒いのでこれはかなり辛い。

同行者に「文句ばっかり」と言われたが、これは文句ではなく、事実を述べているだけ。中庭では皆で寛げそうなのはいいかも。地面が砂漠の砂で洗濯物は落とすとキツい。

Lenは早速同じホテルの中国人4名と仲良くなっていて、皆で夜ご飯に出掛けた。カイロのルームメイトだったヨーロピアン女子2名ともまだ連絡を取っていたようで合流。全部で9名での食事。
ワイワイしていて楽しい。私一人ならこんな経験絶対出来なかっただろう。

先にシワ入りしていたヨーロピアン女子たちにアルコールを売っている場所がないか聞いたら、シワにはないという。ううぅ。大のビール好きのLenもショックで大騒ぎ。

これだけのセットでたった100ポンド

しかし今後も旅先で会った人らとこうやって英語で交流したいと思ったとしても・・・私は4歳頃、高熱を出したせいで左耳が全く聞こえない。騒がしい場所では左側に位置する人の声が、例え日本語であっても全く聞き取れないのだ。
中国人は声がデカイから大丈夫なのだが、ささやくような声のヨーロピアン女子たちとの会話は難しかった。これまでずっとネイティブの人らと交流したくなかったのはこのせいもある。物心ついた時から何度この耳を恨んだことか。

帰国したら片耳難聴用の補聴器も視野に入れようか。それとももう諦めるか。


次の日。

Lenは相変わらず正午を過ぎても起きて来ない。毎晩朝までSNSをやっているからだ。24歳、若い。
昨日一緒に食事した中国人の男女4名は「車チャーターしてシワ・オアシス(塩湖)に行く。」と言う。混ぜて貰おうかと思ったが5名になると車に乗せてもらえないだろうから遠慮した。

13時。やっと起きてきたLenと同行者とテラスで紅茶を飲んでいると、出掛けた中国人らが戻ってきた。車のチャーターが高かったという。ホテルのフロントの人に頼んでみると、私たち7人でトゥクトゥク2台チャーターで1人100ポンドで呼んでくれると言うのでお願いする。

シワ・オアシス(塩湖)

トゥクトゥクは3か所の観光スポットを周ってくれるという。1つ目はシワ・オアシス。

シワの町は両サイドに湖があるが、東にある方は塩の濃度が凄く高くて体が浮くらしい。
ヨルダンで、後日アンマンに戻って死海行きを計画していたのに急にフェリーでエジプト行きを決めたために行けなくなった私は、どうしても「塩湖で浮く」という体験をしてみたかった。まさかエジプトで塩湖に行けるなんて、感極まる。

湖に架かっている橋?道?を渡る。
地図で見た時、アスファルトで舗装された橋を想像していたが、ただのボコボコの砂利道だった。
おしりが痛い、そして風がやはり寒い。しかし皆、風を感じて大はしゃぎだ。

湖を渡り切った辺りで急に工事現場のような場所に入り込む。塩の採掘場のようだ。
勝手に入っていいんかな。

地面には大きな塩の結晶。水を少しなめると海よりもかなりの塩分濃度。飲まないようにしないと。

他にも数人先客がいる。皆で水着になって入ってみた。水はすっごく綺麗だが、風が強いせいか寒くてなかなか勇気がいった。
体を寝かせただけでぷかぷか浮き、水搔きするだけでどこまででもスイスイ移動する。

貴重な体験。「死海に行く」というバケットリストをまたひとつ叶えた。ヨルダンの死海ではないけど。
上がると簡易シャワーを詰んだトラックが停まっていた。10ポンドを払い、ぬるいシャワーを浴びさせてもらう。

クレオパトラの泉(Cleopatra Spring)

2つ目の観光スポットはクレオパトラも入ったという温泉。(たぶん嘘)笑

温泉というので、かなり楽しみにしていたが足をちょっとつけてみてもめちゃくちゃぬるい。そして藻でヌルヌルしている。底は見えない位深い。

Tだけジャンプしながら入って、他の人らは全く入らなかった。入った感想としては藻が多過ぎて気持ち悪かったらしい。彼は後日ずっと「目がかゆい」とも言っていたので、入らなくて無難だったと思う。

皆で湖を眺めながらすぐ横のカフェでお茶をした。皆、藻でヌルヌルは嫌なようだ笑

次の目的地へ向かう。夕方で引き上げるのか客引きの高匠の人も一緒に乗ってきた。

それにしても宿で会った中国人4名は、私となんの壁もなく親しく話してくれる。イラン以降、宿で会う中国人は皆そうだ。イランまではドミでは中国人と日本人は会話しないイメージがあったが、それは私の偏見か。若い子らには国籍は全く関係ないようだ。

道行く人たちが私たちを見て「ニーハオ!」と声を掛けてくるのにも、彼らと一緒になって笑いながら「ニーハオ!!」と叫び返す。自分の年齢を忘れ、彼らの中に入り込んでいるのが楽しかった。

Fatnas Island(夕日スポット)

3つ目は夕日スポット。ファトナス島へ。

島というか、西側にある湖の岸で夕日を眺める。しかし日が落ちてきてもう寒すぎる。

皆ここで紅茶を頼み、薪がくべてあるベンチで休憩した。寒すぎて夕日どころではなかった。

日が暮れて、宿に戻ってもらい追加料金など請求されることなく運転手らに料金を支払った。若い中国人の彼らはチップを渡さないが、私は渡しても良かったのかもしれない。
確かにシワではコーラなどの値段も凄く安い。チャーター1台たったの300ポンドでも、シワでは生活出来るのだろう。

皆で温泉プールへ(Aman Ykden)

1度宿に戻って、昨日と同じレストランで皆で夜ご飯を食べた後、Lenがまた中国人ネットワークで他の宿に宿泊している人らと連絡を取り始めた。昼間の私たち7名の他に、更に若い男女3名が加わり「温泉に泳ぎに行く」と言うので付いて行く。

ミニトラック2台に乗って15分。21時半に到着。
クレオパトラの泉がある方角にあるホテルのプールのようだ。手前に砂地のテラスが広がり暗くてよく見えない。

女性4名でトイレで水着に着替えて温泉プールに入る。欧米人観光客らも数人いる。
少しぬるいが、温泉が湧き出ている付近ならまだ外よりは暖かい。真っ暗で中は見えないが、側面や椅子の形状になっている所に座るとかなりヌメヌメするので明るいところで見たらどれ位藻が発生しているのか。考えないようにしよ・・・

中国人の男の子は全く泳げなかった。水泳の授業は選択制なので選択しなかったらしい。足がつく深さの場所はないのであぷあぷ言っていた。私は顔をつけないようにして1時間位泳ぎまくったが、寒いのでそろそろ出たい。
しかし若い子らはずっとお酒もないのに盛り上がっている。ひとり21歳のかわいい子がいてLenはすっかり彼女が気に入ったようだ。ああ、青春っていいね。

隣のテラスで民謡音楽のようなものが鳴り出したので、着替えてその怪しいダンスに加わった。
23時を過ぎた辺りで電気が消灯しだし、やっと皆で帰ることになった。

帰り道はライトアップされたモスクなどが綺麗だった。そして急に雨が降り出した。体に当たる風が冷た過ぎて私と隣の女性はずっとトラックの荷台でかがんでいた。
「砂漠なのに雨が降るのか?」と運転手に聞いたら「1年に数回だけだよ。」と言われた。
そんな珍しい日に当たったことを、Lenは感動して「こんな楽しい日はない!僕は一生この日を忘れない!」と大声で叫んでいた。

ありがとう、でもごめん、きっと私は忘れてしまうんだろうけど・・・

私も今日一日、本当に彼らと一緒に行動していて楽しかった。
20代の時にやっていたバックパーカー時代に戻ったような気分だった。あの頃も、東南アジアで毎日宿で会う誰かとつるんで遊んでいて本当に楽しかった。一体何十年前の話なんだ。
ひとりでシワに来ていて、ひとりで車をチャーターして塩湖や温泉に行っても今日と同じように楽しめただろうか?
ひとりでじっくり遺跡や博物館を巡る旅もいいけど、塩湖や温泉で泳ぐのは、この人数の方がずっと楽しいだろう。エジプトで彼らに会わせてくれたことに神様に感謝せずにはいられない。

そしてその反面、ふと鏡に映る自分を見た時に彼らと違い過ぎて、私みたいな年齢で彼らについて回っていいのだろうかとも考えてしまう。考えたくなくてもどうしても。
年齢が私の半分以下のLenは全く気にしてないみたいだが。

最終的に温泉プールを出て、宿に着いた時には0時を回っていた。
Lenは今からまた別のキャンプ場所に行って、そこならアルコールが飲めるから行こうと言う。

いや、眠い。20代の子たちと別れ、私とTは不参加にさせてもらった。

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