2024.1.20(日)1ドル≒30エジプトポンド(公定)、1ドル≒58エジプトポンド(闇レート)
本日は宿の人らと6人でピラミッド観光へ行く日。
案の定、待ち合わせの時間に起きない外人ら
ちゃんと5時半に目覚ましをかけて起きた。睡眠時間は4時間ちょっと。この時点で起きていたのは私、朝日が見たいと言い出しっペのジョン、同行者Tの3名だった。
昨晩、数時間前に全員で朝6時にタクシーで行こうって約束したんじゃないの?
フランス、スイス、中国のスマホには目覚ましってないの??
目覚ましすらかけていない彼らに衝撃!!
出発の6時になっても他のメンバーは寝ているので、3人でUberでピラミッドへ向かうことにした。
まあ、これまでの経験から想定の範囲内だがな。
出る直前にLenが上半身だけ起こして「ごめん、凄く凄く眠い。昼から他のメンバーと行くから。」と謝ってきた。
私も凄く眠いんですけどね。
Uberの中でギザ地区の日の出時刻を調べたら6時半。そして水を買いたいと買いに行ったジョンを待ってからタクシーが来たのが6時20分。
は?
ここからピラミッドまで30分掛かるのに、もう日の出なんて間に合わないだろう。なぜそんな皆自由なんだ。ふざけんな外国人。元々この計画は破綻している。
6時50分。日の出に間に合わなかったことには誰も触れずピラミッドの入口に到着。Uber150ポンド。
7時半にチケット売り場がオープンし順に入れると言うのでそれまで門の前の唯一空いてるいるお店でティータイム。70ポンドと言われたジョンは「高い」と50ポンド(150円)に値切っていた。
お前はミリオネアではないのか?
ピラミッド入場料
7時半になり、チケット売り場に並んでチケット購入。これはエジプシャン・アラブ人用窓口。
入場料が540ポンド、クフ王の墓の内部は別途900ポンド。
私はここで、その昔タイで知り合ったバックパッカーが「クフ王の墓の内部が別料金だったので入らなかったことを後悔している。」と言っていたことを思い出した。
Tは「高過ぎる」と言って入場チケットしか購入しなかったが、私とジョンはクフ王の墓内部のチケットも購入した。もちろんクレカ払いオンリー。エジプシャンたちは30ポンド位なんだろうなぁ。。。
(そして後日クレカの請求を見て入場料と合わせて7千円超えだったので、購入したことを後悔する。)
後から来たLenは地元の人にチケットを購入してもらい、シレ~っとエジプシャン・アラブ人料金で入ったらしい。凄い度胸だ。入場時、パスポートを確認される訳じゃないから、度胸さえあればそれでいけるかも。
ピラミッド入場
入って直ぐの道のり。朝日に焼けたピラミッドが徐々に見えてくる。壮大でなかなか感動する景色。
スフィンクスはこま犬のように2体いると思い込んでいたが1体だけだった。
右にクフ王のピラミッド、左にスフィンクスから真っ直ぐ伸びる道が見え人々が歩いている。しかしここからは柵があって左の道へは行けそうにない。入口の方から周って入るのだろうか?
するとジョンが柵の所に立っている従業員に話し掛け交渉を始める。
「彼がここの柵を通らせてやると言っている、3人で5ドル。細かいドル持ってる?さあ入ろう。」
は?
「いや、あの柵の向こうの人ら、いちいち道通るのにお金払ってないと思いますよ。入口方面からなら無料で入れると思うので後で周りましょう。」
「後からなら10ドルなのを今なら5ドルにまけると彼は言っている!今入らないと!」
なんで正規の入場料を払っているのに、近道するだけでそんなお金払わないといけないんだ。従業員のポケットマネー稼ぎでボラれているのに気付いてないのか?
「あの…8時に団体のバスが沢山到着して狭いクフ王のピラミッド内は混雑するそうです。先にクフ王の方へ行きましょう。」
「でも今なら3人で5ドルを割ればここは安く入れる!」
ジョンが自分の意見を譲らないのは初日で分かっている。
「ではジョンさんはここで左に行って下さい。私は混雑する前に1人でクフ王の方へ行くので。」
そう言うと渋々私の歩く方へ付いて来た。Tはクフ王のピラミッドには入らないので真っ直ぐ行くと言うので別れた。
ジョンとクフ王のピラミッドを目指して歩く。
入口は裏手の東方面にあるらしい。裏手へと続く道を歩いているとジョンがトイレに行きたいと言い出した。何故入場したばかりの今そんなことを言う。我慢できないとトイレを探すジョンを置いて、私はひとりでクフ王のピラミッド入口へ向かった。
クフ王のピラミッド
少し登ったところから入る。ここは盗賊が開けた入口のようだ。
さすがにクフ王ピラミッド側にも入口があるようだ。ギザの街並みと続々到着し出した観光バスが見える。
ここでドバイ在住というご夫婦と息子さん2人の日本人に会った。中東に入ってから毎日「ニーハオ、コリア?」と声を掛けられる私も、さすがに日本人から見たらしっかり日本人のようだ。
中に入り細長い急な坂道をどこまでも登る。急なのと換気口が無くて酸素が薄いのか、なかなかハード。暑いし夏ならたまったもんじゃないだろう。
1番奥の石櫃。盗賊に荒らされた後なのでこんなのしか残っていないようだ。
中では警備員がハイテンションで写真を撮ってくれ、様々なポーズを指定された。当然後からチップを要求されたが、謝って逃げた笑
これから続々観光客が到着するから、1人1$渡したとして彼はかなり稼ぐはずだからいいだろう。
それにしても。。。入場に5千円も払ったのにあっけなく終わってしまった。たったこれを見るためにこれはお金を取り過ぎだろう。入らなければ後悔したのかも知れないが。。。入ってみたら入った方に後悔した。
メンカウラー王のピラミッド
クフ王のピラミッドを出ると、悠長にトマトをかじりながら歩いているジョンに会った。もう既に観光バスの団体客が続々と入場してきているのに。この人は人の忠告を聞いているのだろうか。
「夕日までいたい。何時にここ出る?さっきの柵から入れる所で待ち合わせしよう。」と言うので
「私はもう12時過ぎには出るから、昼から来るLenやヨーロピアン女子たちと合流してね。」と告げて別れた。なぜそんなにあの有料の柵から入場したいのだろう。こだわりが強い。
更に西へ登ってメンカウラー王のピラミッドへ。
ここも別料金だったので入らなかった。
Panoramic View of the Pyramids(ビューポイント)
何となく砂漠が広がっていそうな西へ向かう。早朝に入場し過ぎたせいか、この地点まで到達している観光客が居なくてどっちに歩いていいか分からない。標識や地図、説明文が全くないのだ。
ひとりで歩いているとラクダ商人に声を掛けられた。金額を聞くとビューポイントまで案内して180ポンドだと言う。ピラミッドにいる商人たちはぼったくりばかりと聞いていたが、思っていたより安い。
1度断ったがしつこく追いかけて来て150ポンドにしてくれたので乗ることにした。
乗る時と降りる時に若干セクハラパイタッチをされたような気がするが。。。笑
本当にこういう時、女に生まれると面倒くさいと思う。
しかし初めてのラクダに乗る体験は面白かった。思っていたより凄く高いしかなり揺れる。そしてラクダは意味不明によくブルブル鳴く。意思疎通は無理そう。
このクフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドが3つ見える場所で降ろして写真を撮ってくれ、最初の提示金額しか要求されなかった。
9 Pyramids Lounge(景勝レストラン)
Tから「今、いい場所でお茶してます。」と連絡が来た。今いる場所から歩けそうなので行ってみた。
南西の方の入口で、主にツアー客たちが到着するレストランのようだ。メニューの全てがびっくりするような金額だったのでコーラだけ頼んだ。
砂漠の中のお座敷席。ここでピラミッドを眺めながら、16Personalitiesの性格診断をしながらのんびり。ダハブで出会った中国人や韓国人もやっていたのでこの性格診断は世界的に有名なものなのか。この時はレアキャラの「提唱者」だったけど、後日やってみたら「仲介者」だった。どちらにせよ私は人と共感して人の為になることで幸せを感じるタイプらしい。
お昼になったので入口の方へ向かう。Lenはさっき起きたところで、ドミの部屋には誰もいなくヨーロピアン女子たちにも置いて行かれたらしい笑
しかし逞しく、中国版旅掲示板で今からピラミッド観光に行く若い中国人女性を見つけたから彼女と周るのだそう。中国の人口は莫大なので、旅の同行相手がこんな直近でもすぐに見つかるらしい。なんて便利なんだ。莫大人口の国をこんなにも羨ましく思ったことはない。
大スフィンクス
チケットオフィスの辺りまで戻って来た。スフィンクスに近づくには入場料がまた別途かかるようだ。
入口の係員の男性に「チケット持ってないんだけど。」と言うと「しーっ。」と人がいないとこまで呼び寄せられ「お前らの国は?」と聞かれた。「ジャパン!」と言うと「日本人ならいいよ。タダ入れよ。」とこっそり入れてくれた。
ダハブの宿でも日本人の私だけまけてくれた。エジプシャンからの日本人の印象はいいのだろう。
それに応えられる行動を取らないと。私も。
客引きたちを一歩的に「ウザい」と切り捨てるのは簡単だが、彼らも生活がかかっているのだからあまりに失礼な態度は取りたくない。それに基本エジプシャンたちはおせっかいながらも親切なのだ。
昼過ぎ、ピラミッドを出て出口近辺でケバブを食べる。
Tが今後の旅では路上キャンプをするのでテントを買いたいと言うのでショッピングモールに来た。
宿がある旧市街地辺りはこんな感じのモールしか無くとてもキャンプ用品など見当たらなかった。
諦めてGoogleMapに「死者の町」と書かれている場所があるので、今から行かないか話がまとまる。
死者の町
13~16世紀頃に造られた墓地にホームレスの人たちが勝手に墓守として住んでいるという。
つまり、お墓とスラムが入り混じった街だ。
GoogleMapに「死者の町」と入れるとそのまま場所がヒットする。
「死者の町」は口コミを見ると相当治安が悪いようだ。最初Uberの目的地を「死者の町」にするとどのTaxiも全く来てくれなかったので、少し手前に設定したらやっと1台来てくれた。
「死者の町」へ向かうこの高架道路から見える風景すらも、廃墟だらけだ。
Uberを降り、徒歩で死者の町の北側に着いた。
偉い方々のお墓らしくひとつひとつ区切られ、ミニモスクも数々ある。
13世紀頃からのお墓・・・なのでもう訪問する家族もいないのかお墓自体も廃墟。
死者たちが生活に困らないように町に類似する施設を作ったらしいのだが、そのせいもあってホームレスが住み着いているようだ。エジプトって古代からずっと死後の世界があると考えられているんだな。
廃墟マニアとしては血沸き肉躍る風景・・・と言ったら不謹慎だろうか。
ところどころに座って雑談している十人たちを見掛ける。
フレンドリーに挨拶してくれたり、墓の中を案内してくれたりするので見学に来た外国人を排除する雰囲気は感じられない。
中心の方まで歩いて来たら、耳が全く聞こえなくて話せない男性が近づいてきて、手振り身振りでモスクの中を案内してくれるという。
賢者のお墓にはこんなモスクまで建設されたいたようだ。
全てゼスチャーでの説明だったので内容はよく分からなかった。説明後もチップを要求してこず、本当に善意で案内してくれたようだ。
お墓には1つ1つ鍵がかかっているが、また別の男性がカギを開けて家(というか人の墓に勝手に住み着いている場所)を案内してくれた。
高齢の母親と2人暮らしだという男性。部屋の中は6畳ほどで、ベッド、ミニキッチンなど全ての生活用品が揃っていた。彼らはどのようにして生活費を稼いでいるのだろう。
男性と母親は突然の外国人の訪問に終始嬉しそう。「ティー」を飲んでいけとしきりに誘ってくれたが日が暮れそうなので丁重にお断りして去る。お母様にはかなりしつこくチップを要求された。
南の方まで来た。北側はほとんど人がいなかったが、この辺りはミニ商店や集会所があり子供たちがバスケをしていた。ちゃんとした生活の場なのかミニバスも走っている。
2人組の少女とすれ違うと「マニマニ」とお金を要求される。このマニマニ攻撃は今後もエジプト各地で続く。エジプトはなぜこんなにも貧しいのか。昔ナイル川の恩恵で栄えた街も、現代では砂漠の気候で発展するのは難しいのかと考えさせられる。
「日が暮れる前にここを出た方がいい。治安が悪いぞ。」とまたも歩いている人たちから忠告を受けたので退散した。
中華レストランでまたも闇両替
夜はLenがまたもその広い中国ネットワークで、いいレートで両替してくれる中華レストランがあるというのでドミのメンバーと今日Lenと一緒にピラミッドを周った若い女の子のジョジョも加えてやって来た。ヨーロピアン女子たちは西のリビアとの国境近くの「シワ」という町へ旅立ってしまっていた。
久々の中華の味付けが美味しい。
街中のレストランで両替したジョンは1$=450ポンドだったらしいが、ここでは580ポンドで両替出来た。エジプトではアルゼンチンやイランのように白昼堂々闇両替屋が立っていないので、取り締まりが厳しいのかも知れない。なのでこのレストランの場所は伏せておく。
私とT以外の3名は中国人なので中国語で会話して盛り上がっている。何を言っているか分からないので英語で会話してもらった。21歳のジョジョはイギリス留学中らしいがこれまで出会った中国人と違い、物静かに話し動作も上品だ。イギリスでは1週間で家賃600$のところに住んでいるらしいので本物のお金持ち。
会計は全員で割り勘にしたのだが、NY在住医師のジョンが私に「タクシーを降りた後、あなたに20ポンド渡したからもう20ポンド払え。」と言ってくる。「20ポンドもらったかも知れないが、私はあなたがタクシーの支払いの時に足りないと言うから後ろの座席から20ポンド渡した。なのでチャラなのでは。」と言っても「20ポンド返せ」と言って引かない。お互い母国語じゃないので細かい説明が伝わらない。「それはタクシーの運転手が私の払ったお金はフェイクだと言って聞かなかったから。」とか訳の分からない話を挟んでくる。そもそも20ポンド返してもらった記憶もないし、あなた私がオーダーした海老30ポンド食べましたよね?
ミリオネラのくせに、たった60円を「返せ」と言ってくるジョンに「じゃあ払いますよ、100ポンドしか持ってないからお釣り下さい」と渡すと「お釣りナイネ!」と言ってくる。じゃあどうしたらいいんだ!この繰り返しで路上でかなりバトルした。
他の3名は呆れて笑っていた。帰りのタクシーでは後ろの座席で、助手席に座っているジョンに聞こえないように「あの人忘れっぽいよね。」と皆で笑い合って可笑しかった。
明日からは別行動。この楽しかったメンバーともお別れだ。
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