エチオピア3日目
1ETB(エチオピアブル)≒2.7円、闇両替1ETB(エチオピアブル)≒1.4円
最近はインスタのハイライトで動画更新しておりますのでよろしくお願いします。
宿からバス停へ移動
ズワイへ行く日。バハルダールへ行くSと同じ朝6時、同じバスターミナルなので一緒に宿からBolt(エチオピアの配車アプリ)で5時過ぎに宿を出ようという話になった。
4時半に起きてシャワーを浴び、待ち合わせの5時過ぎに降りたらSは共有スペースのソファで寝ていて私が降りてきてから出発準備をし出した。
彼は一人でソファを占領していて他の人が座る席がなくてうろうろしていても気付かないし、外国人からもらったご飯を目の前に人がいても分けなかったり、重そうな荷物を持ち上げる時に手伝うとか全くしてくれない人だった。悪い人ではないんだけど気が利かない。うん。今から彼が準備するのを待とう・・・
5時半頃に彼が準備が出来たようなので私がBoltを呼んだ。宿を出ようとすると高い場所に設置した一畳ほどの監視台が庭に設置してあって、そこから宿のガードマンが眠そうに降りて来た。
外が暗い時間帯はこの宿を出てすぐの場所でも首絞め強盗が頻発しているので一緒にタクシーが来るまで待つと言う。Boltタクシーが捕まり易いように大通りに自分の位置を立てたのだが「絶対外を歩くな。」と言われ運転手に電話をかけて現地の言葉で宿の目の前まで来るように交渉してくれた。
そんなに治安が悪いのか、アジスアベバ・・・大通りはここから見えているというのに。
(実際この宿を出てすぐ首絞め強盗に遭った人は何人もいる)
昨晩も同じ宿のカメルーン人に「一人で移動するのか?本当に本当に気を付けろよ。」と忠告された。凄く不安になってくる。
Boltタクシーが来たのでバス停まで向かった。バス停付近の大通りは早朝でも地元の人がまばらに歩いていたがそれ以外の道は外灯も少なく人は全くいなかった。
長距離バスターミナル
昨日来たバスターミナルには大勢の人がいた。Sは「バハルダール行きのバスどれ?」と聞いてすぐ見つけていた。私はここで急に彼と同じ方向へ行くことにした。地元の人らに危険を警告をされ、男性と行動した方が安全だとふんだのである。
気のいいSは快くOKしてくれ、一緒にバスに乗り込んだ。チケットは580ETB(800円)だった。
ちゃんとひとりにひと座席あり、インドのバスみたいに3人席に5人乗ってくるといったことはなさそうだが、座席はへたっていてクッション性なし。皮製でつるつる滑るのでバスが揺れる度に姿勢を保つのが大変だった。これで10時間の距離はまあまあ辛い。
助手席はこんなだし、立って乗っている人らもいたので早目に来て座席を確保しておいて良かった。
6時過ぎにバスは走り出し、1時間もしないうちに停車した。周囲の人に何事かと聞くと「警察の検問だから荷物を持って全員降りろ。」と言う。降りてPoliceにパスポートを見せた。こっちのPoliceは長いライフル銃を背負い、腰にはナイフを何本も巻き付けていて威圧感がある。いちいちIDと乗客の顔を照らし合わせていて、これが乗客全員分なので結構時間がかかる。
エジプトのシナイ半島では検問は2時間に1度位の頻度だっただろうか。ここでもそんな感じかと思っていたら甘かった。それ以降、1時間に1回位だったのが北へ向かう程、その間隔が狭まってくる。40分に1度位が30分に1度位になり、検問が終わったところなのにまたすぐ次の検問の時もあった。
検問はバスを降りないといけない時もあれば、座ったまま全員がIDを上に掲げるだけで終わりの時もあった。それでもいちいちバスを停車させられるので全然進まない。
そしてトイレ休憩は1回もなかった。5時間位走ったところでトイレに行きたくなったがどうやら男性も女性も検問で降ろされたタイミングでその辺の野原でしているようだった。しかたないので私も塀に隠れて青空の下でした。歩いてくる牛と目が合った。
途中、軽食休憩とお昼休憩はあった。軽食の場所では物売りの子供たちからオレンジやバナナを買って写真を撮らせてもらった。
軽食休憩では皆が30ETBでパンを購入してチリソースを付けて食べている。パンにチリソース。。。全然美味しくないがこれしか売っていないから仕方ない。
お昼休憩のメニューはインジェラしかなかったので遠慮しておいた。「味はゲロ」は言い過ぎだが食べたくはない。そしてそこのトイレは凄まじく汚くドアがなかったので男性が来ないことを祈りつつすぐに済ませた。
バス強盗にあったと思い後悔した瞬間
アジスアベバからバハルダールまではGoogleMapで見て10時間の距離だったが、検問に続く検問で、これは夜に到着するなと思っていた15時頃。牧場の中にあるような田舎道を走っていると、牧場からこちらに向かって何か叫びながら凄い勢いで走ってくる男性が2名いた。
Sと「はは、このバスに乗りたいのかな?」と言いながら呑気に写真を撮っていると、男たちが近づくにつれ車内の乗客がざわめき出した。皆が身を乗り出して見ている方向を見ると・・・なんとさっきの男性を先頭に、何か叫んでいる男たちが8名、こちらに向かって走ってくる。8名とも長いライフル銃を持っていた。しかし警察ではない。
前後に走っていたバスも全て停車させられ、ライフル銃を向けられてUターンさせられている。乗客たちは撃たれないように頭を伏せ、隣の席の男性は手持ちのお金を財布から隠しだした。
・・・?!えっ?
隣の男性に何事か聞くと「オリジン・・・怖い」とひそひそ声で言う。地元の人ってことだろうか。とにかく車内は尋常ではない緊張した雰囲気。至近距離にライフル銃を持った人たちがいる。
お金を隠すということは・・・これ、バス強盗だよね??
中米やメキシコではよく聞いたがエチオピアでもあるのか・・・まさか自分が遭遇するなんて・・・。隣のSも「何?テロ?」と焦っている。彼がいてくれてまだ心強かった。ひとりだと泣きそう。取り敢えず周囲の人の真似をして手持ちのお金やクレカを分散して隠したが、バレるだろうし現金とスマホは諦めた。命だけは助かるよね・・・?
バハルダールへ行こうとしたことを大後悔していたら、男たちが乗り込んでくる気配はなく、バスはそこで何十分か停車させられていただけに終わった。隣のエチオピア人に聞くと「この先の道で警察とオリジンが揉めているから今はバスは進むなと言われている。」と教えてくれた。
1時間位バスは停車させられ、走り出したがその後も検問の連続だった。北に行く程治安が悪いのだろうか?女性と外人のID確認はすぐすむのだがエチオピア人のID確認は長い。Sと「今日だけで20回以上は検問あったよね、数えておけば良かった。」なんて会話した。
バスの乗客の人らは素朴で、片言の英語で外国人の私たちを安心させようと声掛けをしてくれる。運転手も「大丈夫!ちゃんとバハルダールに着くからな!」と言ってくれ安心する。
来る前は「エチオピア人最悪」なんて聞いてきたのだが、いい人たちばかりじゃないか。場所によって人の感じが違うのだろうか。
ダハルバールに辿り着かず1泊
日が暮れてから、バスは最寄りの町で停車した。全員が降車し出し「Finish!」と言われた。エチオピアでは夜にバスを走らせてはいけない規則があるらしい。GoogleMapを見るとMottaという町だった。そしてネットは数時間前から全く繋がらなくなっていた。
バスを降りると凄い人が私とSに集まってきて「俺の宿に泊れ!こっちだ!」と引っ張ってくる。その通り付いて行こうとすると警備員のような服装の人らが注意してその人らを追い払ってくれた。どうやら全員バスが停車したこの目の前の宿に泊まるようだ。バスの乗客全員がチェックインしている。「明日朝、バスに11時に来いよ。」と言われた。エチオピアの11時は朝の5時だな。。。
Sとツインの部屋にした。綺麗でひとり340円という安さになった。ホットシャワーもトイレもついていてSはご機嫌だった。Wi-Fiはない。
隣の食堂に皆食べに行っていたので行ってみた。賑わっていてお店の人も愛想が良くて楽しい。
エチオピア人は全員インジェラを食べている。飽きないのだろうか。分けてもらった。店によって酸っぱさが全然違う。これはあまり酸っぱくなくて美味しかった。
Sと「本当に今日は怖かったしひとりでなくて良かった、ひとりだと不安過ぎた。」と語りあった。私はこうやってよく旅先で知り合った人と行動を共にするのだけれど、Sは私と同じく1年半旅をしていて初めてのことらしい。彼みたいにすぐに現地の人とコミュニケーションを取るタイプはひとりの方がいいんだろうな。
ビールがキンキンに冷えていて美味しかったので2本目。パスタを頼んだら1人目の従業員には「ない」と言われたが2人目の従業員は「いいよ」と言ってくれた。出て来るまでかなり時間がかかったので無理矢理作ってくれたのかもしれない。渡したち以外は全員インジェラだし。これがガーリックが効いていて美味しかった。
バハルダールを勧めてくれたTさん、「移動は楽だしすぐ着く」って言ってたな。彼が行ったのは16年前だそうだから今と全然情勢が違うのだろう。検問があるなんて言ってなかった。
アジスアベバからこのMotta迄で14時間かかり、ダハルバールはまだ先。体力、精神的にもしんどいけど2人で移動していたら笑い話に出来るのが救いだ。アフリカのひとり旅は辛いと思う。
ネットがないのですることもなく、この日はすぐに寝た。
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