エチオピア

エチオピアのアジスアベバからバハルダールへ・・バス強盗にあったと思った日(Day328)

エチオピア
スポンサーリンク

エチオピア3日目
1ETB(エチオピアブル)≒2.7円、闇両替1ETB(エチオピアブル)≒1.4円

最近はインスタのハイライトで動画更新しております。よろしくお願いします。

ブラウザーをアップデートしてください

宿からバス停へ移動

ズワイへ行く日。
バハルダールへ行くSと、同じ朝6時発、同じバスターミナルだったので、一緒に宿からBolt(エチオピアの配車アプリ)で、5時過ぎに出ようという話になった。

4時半に起きてシャワーを浴び、待ち合わせの5時過ぎに降りると、Sは共有スペースのソファで寝ていて、私が降りてきてから出発準備を始めた。

彼は一人でソファを占領していて、他の人が座る席がなくてうろうろしていても気づかないし、外国人からもらったご飯も、目の前に人がいても分けなかったり、重そうな荷物を持ち上げるときも手伝うとか、まったくしてくれない人だった。

悪い人ではないんだけど、気が利かない。
今から用意か。うん。今から彼が準備するのを待とう……。

5時半頃、彼の準備ができたようなので、私がBoltを呼んだ。
宿を出ようとすると、庭に設置された一畳ほどの高い監視台から、宿のガードマンが眠そうに降りてきた。

外が暗い時間帯は、この宿を出てすぐの場所でも首絞め強盗が頻発しているらしく、タクシーが来るまで一緒に待つと言う。
Boltタクシーが捕まりやすいように大通りに位置情報を設定していたのだが、「絶対に外を歩くな」と止められた。ガードマンは運転手に電話をかけ、現地の言葉で宿の目の前まで来るよう交渉してくれた。

そんなに治安が悪いのか、アジスアベバ……。大通りはここから見えているというのに。
(実際、この宿を出てすぐ首絞め強盗に遭った人は何人もいるらしい。)
昨晩も同じ宿のカメルーン人に、「一人で移動するのか? 本当に本当に気をつけろよ」と忠告された。だんだん不安になってくる。

Boltタクシーが到着し、バス停へ向かった。
バス停付近の大通りには、早朝にもかかわらず地元の人がまばらに歩いていたが、それ以外の道は外灯も少なく、人影はまったくなかった。

長距離バスターミナル

昨日来たバスターミナルには大勢の人がいた。
Sは「バハルダール行きのバスどれ?」と聞いてすぐ見つけていた。私はここで急に彼と同じ方向へ行くことにした。地元の人らに危険を警告をされ、男性と行動した方が安全だとふんだのである。

気のいいSは快くOKしてくれ、一緒にバスに乗り込んだ。チケットは580ETB(800円)だった。

ちゃんとひとりにひと座席あり、インドのバスみたいに3人席に5人乗ってくるといったことはなさそうだが、座席はへたっていてクッション性なし。皮製でつるつる滑るのでバスが揺れる度に姿勢を保つのが大変だった。これで10時間の距離はまあまあ辛い。

補助席はこんなのだし、立って乗っている人らもいたので早目に来て座席を確保しておいて良かった。

6時過ぎにバスは走り出し、1時間もしないうちに停車した。周囲の人に何事かと聞くと「警察の検問だから荷物を持って全員降りろ。」と言う。

降りてPoliceにパスポートを見せた。こっちのPoliceは長いライフル銃を背負い、腰にはナイフを何本も巻き付けていて威圧感がある。いちいちIDと乗客の顔を照らし合わせていて、これが乗客全員分なので結構時間がかかる。

エジプトのシナイ半島では、検問は2時間に1度くらいの頻度だっただろうか。ここでもそんなものかと思っていたら、甘かった。
最初は1時間に1回くらいだったのが、北へ向かうほど間隔がどんどん短くなる。40分に1度が30分に1度になり、検問が終わったばかりなのに、またすぐ次の検問ということもあった。

検問では、バスを降りなければならないときもあれば、座ったまま全員がIDを上に掲げるだけで終わるときもある。それでもそのたびにバスは停車させられ、なかなか前に進まない。

そして、トイレ休憩は一度もなかった。5時間ほど走ったところでトイレに行きたくなったが、どうやら男女ともに、検問で降ろされたタイミングでその辺の野原で済ませているようだった。
しかたなく、私も塀に隠れて青空の下で用を足した。歩いてくる牛と目が合った。

途中、軽食休憩とお昼休憩はあった。軽食の場所では、物売りの子供たちからオレンジやバナナを買って、写真を撮らせてもらった。

軽食休憩では皆が30ETBでパンを購入してチリソースを付けて食べている。パンにチリソース。。。全然美味しくないがこれしか売っていないから仕方ない。

お昼休憩のメニューはインジェラしかなかったので遠慮しておいた。「味はゲロ」は言い過ぎだが、好き好んで食べたくはない。そしてそこのトイレは凄まじく汚く、ドアもなかったので、男性が来ないことを祈りつつすぐに済ませた。

バス強盗にあったと思い後悔した瞬間

アジスアベバからバハルダールまではGoogleMapで見て10時間の距離だったが、検問に続く検問で、これは夜に到着するなと思っていた15時頃。牧場の中にあるような田舎道を走っていると、牧場からこちらに向かって何か叫びながら凄い勢いで走ってくる男性が2名いた。

Sと「はは、このバスに乗りたいのかな?」と呑気に写真を撮っていた。

しかし、男たちが近づくにつれ、車内の乗客がざわめき始めた。皆が身を乗り出して見ている方向を見ると……なんと、さっきの男性を先頭に、何か叫びながら8人の男たちがこちらへ走ってくる。8人とも長いライフル銃を持っていた。だが、警察ではない。

前後を走っていたバスもすべて停車させられ、ライフル銃を向けられてUターンさせられている。乗客たちは撃たれないように頭を伏せ、隣の席の男性は財布からお金を取り出して隠し始めた。

……え?

隣の男性に何が起きているのか聞くと、「オリジン……怖い」とひそひそ声で言う。地元の武装勢力ということだろうか。とにかく、車内は尋常ではない緊張感に包まれている。至近距離にライフル銃を持った男たちがいる。

お金を隠すということは……これ、バス強盗だよね?

中米やメキシコではよく聞いたが、エチオピアでもあるのか。まさか自分が遭遇するなんて。隣のSも「何? テロ?」と焦っている。彼がいてくれて、まだ心強かった。ひとりだったら泣いていたかもしれない。
とりあえず周囲の人の真似をして、手持ちの現金やクレジットカードを分散して靴の底などに隠した。とはいえ、見つかるだろうし、現金とスマホは諦めるしかない。

命だけは助かるよね……?

バハルダールへ行こうとしたことを大後悔していたら、男たちが乗り込んでくる気配はなく、バスはそこで何十分か停車させられていただけに終わった。
隣のエチオピア人に聞くと「この先の道で警察とオリジンが揉めているから今はバスは進むなと言われている。」と教えてくれた。

ほっ。バス強盗じゃなかった。

1時間ほどバスは停車させられ、その後ようやく走り出したが、検問は相変わらず続いた。北へ行くほど治安が悪いのだろうか。

女性と外国人のID確認はすぐに終わるが、エチオピア人男性の確認は時間がかかる。Sと「今日だけで20回以上は検問あったよね。数えておけばよかったね」などと話した。

バスの乗客たちは素朴で、片言の英語で外国人の私たちを安心させようと声をかけてくれる。運転手も「大丈夫!ちゃんとバハルダールに着くからな!」と言ってくれ、少しほっとした。

来る前は「エチオピア人は最悪だ」などと聞いていたが、出会った人たちはいい人ばかりだ。場所によって、人の雰囲気も違うのだろうか。

ダハルバールに辿り着かず1泊

日が暮れてから、バスは最寄りの町で停車した。全員が降車し出し「Finish!」と言われた。エチオピアでは夜にバスを走らせてはいけない規則があるらしい。GoogleMapを見るとMottaという町だった。そしてネットは数時間前から全く繋がらなくなっていた。

バスを降りると、ものすごい数の人が私とSに群がり、「俺の宿に泊まれ! こっちだ!」と腕を引っ張ってきた。
そのまま付いて行きそうになると、警備員のような服装の人たちが注意し、彼らを追い払ってくれた。どうやら、バスが停車した目の前の宿に全員泊まる決まりのようだ。バスの乗客はそのまま全員チェックインしていく。

「明日の朝、11時にバスに来いよ」と言われた。

エチオピアの11時は、朝の5時だな……。頼むから普通の暦と時間を使ってくれ。どうなってるんじゃこの国。

Sとツインの部屋にした。綺麗でひとり340円という安さになった。ホットシャワーもトイレもついていてSはご機嫌だった。Wi-Fiはない。

隣の食堂にみんなが食べに行っていたので、私たちも行ってみた。
店内は賑わっていて、店の人も愛想がよく、明るい雰囲気だった。楽しい空気が流れていた。

エチオピア人は全員インジェラを食べている。飽きないのだろうか。分けてもらった。店によって酸っぱさが全然違う。これはあまり酸っぱくなくて美味しかった。

Sと「本当に今日は怖かったね。ひとりじゃなくてよかった。ひとりだったら不安すぎた」と語り合った。
私は旅先で知り合った人と行動を共にすることがよくあるが、Sは私と同じく1年半旅をしていて、こうして誰かと一緒に動くのは初めてらしい。
彼のように、すぐ現地の人とコミュニケーションを取れるタイプは、ひとり旅のほうが合っているんだろうな。

ビールがキンキンに冷えていておいしかったので、2本目を頼んだ。

パスタを注文すると、最初の従業員には「ない」と言われたが、2人目の従業員は「いいよ」と言ってくれた。出てくるまでかなり時間がかかったので、無理をして作ってくれたのかもしれない。私たち以外は全員インジェラだったし。それでも、ガーリックが効いていておいしかった。

バハルダールを勧めてくれたTさんは、「移動は楽だし、すぐ着く」と言っていた。彼が行ったのは16年前らしいから、今とは情勢がまったく違うのだろう。検問があるなんて聞いていなかった。

アジスアベバからこのMottaまでで14時間。バハルダールはまだ先だ。体力的にも精神的にもきついが、2人で移動していると笑い話にできるのが救いだった。アフリカのひとり旅は、きっと相当しんどいと思う。

ネットもなく、することもないので、この日はすぐに寝た。

コメント