2024.1.29(月)1ドル≒30エジプトポンド(公定)、1ドル≒60エジプトポンド(闇レート)
teraホステルの朝。
昨日、延泊したいと言ったら最上階は予約が入っているからと言われ下の階に移らされた。ベッドは2台しかなかったのでLenは床に敷いた布団で寝ている。料金は1$まけてもらった。
下の階は洗濯機は古いし、門の鍵をくれずに締め出しをくらうしでよくなかった。
昨晩、オーナーに門が閉まっていると電話すると「門の扉のホールに別のカギを入れて右に押せ」と何度も言われたのだが、エントランスホールに鍵を置いたら鍵が手元から無くなるじゃないかと全然意味が分からず開けれなかった。ホールはhallでなくhole(穴)のことだった。つくづく自分の英語力が嫌になる。
早朝から隣でプールを作っている工事の音が煩い。
タイルってあんな積み方で合ってたっけ?
ちゃんと糸で水平を取ってからモルタルも均一に塗らないと。
付近を散歩。今日はひとりで観光へ行く。
男性陣らは帰国便の予約や次に行く国のビザ取得に忙しそうだ。
私はまだ帰国日を決めていない。エジプトから日本までの航空券はいつ見ても3.7万円であるので、直前に購入しても大丈夫だろう。
帰国したくなかったが、パスポートは破れているしクレカの保険も切れているし、1度リセットしないと。
王家の谷へ
ナイル川を挟んで東岸は神殿などがあり生するものの町、西岸は墓がある死するものの町らしい。
ひとりで西岸にある王家の谷まで行くことにした。通常フェリー乗り場付近にたむろしているタクシーと交渉して行くのだと思うが、ネットで「自転車で行った」という情報を見たので、節約して自転車で行くことにする。
レンタルサイクル屋
3時間借りたいと言うと150ポンドと言われた。値切って120ポンドで借りる。
しかし、自転車は完全なるママチャリ。しかも油を差していないのか、漕ぐとギコギコいって全然進まない。ダハブで借りた自転車と大違いだ。自転車をチョイスしたことを後悔し出す。
漕いでも中々進まないまま、遠くに見える王家の谷を目指す。
小学生の頃に読んた伝記にあった、ハワード・カーターがツタンカーメン王の墓を発見した場所だ。
ついにそんな昔から憧れていた場所に行けるのだ。
メムノンの巨象
やっと一つ目の目的地に着いた。2体ともアメンホテプ3世の像らしい。
右の像の下に人がいるので、それと比べるとこれがどれだけ大きいか分かる。
所々に神殿跡やお墓のようなものがある。
王妃の谷へ行く道に迷い込んだりと寄り道をしていて、全然王家の谷へは着かない。
この道で合っているのだろうか。
向こう側にハトシェプスト女王葬祭殿が見える。
行ってみたかったがこの時点で自転車を漕ぎだしてから40分位過ぎている。それに遠過ぎて行く気になれない。
よく下調べをしないで勢いだけで来たのが間違いだった。王家の谷へのチケット売り場までの道のりをGoogleMapで調べ直すと、自転車を借りた場所から車で25分。しかもずっと登り坂だ。
タクシーがたまに通って心配そうに声掛けしてくれるが自転車があるので乗れない。ひとりだけ徒歩で来ているヨーロピアンの男性を見かけたが、それ以外誰もいない。辛い。。。
1時間以上漕いでやっとチケット売り場に到着した。
徒歩よりも遅い速度でひぃひぃ言いながら自転車を漕いでいたら、入口の警備員たちに大笑いされた。
王家の谷の入場料
入場料が600ポンド(3000円)、それとは別にツタンカーメン王の墓は500(2500円)、セティ1世の墓は1800ポンド(9000円!)かかるらしい。
カードしか使えないのでもちろん公定レート。なめてんのか、このぼったくり料金。
入場券だけ購入した。上側の枠の墓の中から3つだけ選んで入れるらしい。
チケットの入口の係員にパンチで穴を開けられ、3つ空いたら終了。
どの墓に入るべきか調べたかったが、ここではネットが繋がらなかった。
入場してからも有料のカート(10ポンド)で5分程進む。
後ろの座席に座りたかったが、運転手に「隣の席に座れ。」と言われた。
どこの国か聞かれ「ジャパン」と言うと座席の横のドリンクホルダーを指差し「チップ、チップ」と言われる。何もして貰っていないのにチップを要求される意味がわからない、もちろん逃げた笑
王家の谷に到着。
紀元前3000年頃にお墓として建てられたピラミッドは盗掘されまくったので、紀元前1600年頃、盗賊たちに発見されないように、この外からよく見えない谷に王の墓群が造られたらしい。
王の墓24個を含め全部で64個の墓があるらしい。
どれに入ればいいのだろう。分からないのでツアー客たちが群がっている人気の墓に入ってみることにする。これが正解。
ラムセス4世の墓
取り敢えずラムセス4世の墓へ。
たまたま誰もいない写真が撮れたが、この後あっという間にツアー客たちでぎゅうぎゅう。
ライトアップされた壁画は天井までカラフルでとても綺麗だ。
この石の棺にミイラが入っていたのだろう。
これが古代エジプトの象形文字、ヒエログリフというやつ。色付けまでされている。雨が降らず湿気が全くないので色が残っているのだろう。紀元前のものがこれだけの色彩で残っているなんて、結構感動。
ラムセス3世の墓
次も人気がありそうなところを選んで入った。さっきのお墓のお父さんの方だろう。奥までびっしりヒエログリフ。一体何が書かれているのだろう。
2階建てになっているホールもあり、結構大きな壁画が描かれている。頭が鳥なのは神様らしい。
メルエンプタハの墓
この「ラムセス2世の墓」が大きそうで入りたかったが、整備中で入れず。
ラムセス系以外のものにも入ってみようかと、最後の1つはメルエンプタハの墓にする。かなり地下まで潜って酸素が薄いのか息苦しい。
入口付近の壁画は洪水などの被害で少し色が落ちている。これまでの墓に比べて色彩は地味。
途中に石棺のようなものがあり、警官が立っていた。スマホをよこせと言うので渡したら、手を伸ばして下のガラスケースに入っているものの写真を撮っていた。
ばんざーい。なんじゃこりゃー。
案の定、警官に「チップ、1ダラー」と言われるが、丁重にお礼を言って走って逃げる。
彼は警備員ではなく制服を着た警官なのに、なに小遣い稼ぎをしているんだ。
一番奥のホール。復元された棺などが置かれている。
もう3つの墓に入ってしまったので出る。どこに入るべきか悩みまくってウロウロしていたので、閉館の17時に近い。
Tから電話があり「今日の夕方、ルクソール神殿に行きたいって言ってましたよね?どこにいます?」と言われた。私が夕方に入りたいって昨日言ったんだっけ。「すいません一人で入っていて下さい。」と謝って急いで向かうことにする。
帰りのカートは無料。
もしかしたらお金がいったのかも知れないが、チケット売り場が分からずタダ乗り。
帰りは自転車は下り坂なので楽ちん。
日が暮れ始め、結局他の所には入れなかった。
しかしすっかり遺跡には飽きてしまっているのと、どこも入場料が高いので例え朝から来ていたとしても入らなかったと思う。
夕日に染まる砂漠の死者の街を自転車で走るのはいいものだ。
景色が黄金に輝いていて綺麗なので自転車で良かったかもしれない。
昼に見たメムノンの巨象も夕方の方が美しい。
この時間帯の王家の谷は美しかった。夕日に染まるルクソール神殿も見たいので急ぐ。
自転車は約束した3時間をとっくに過ぎていたが追加料金は言われなかった。
ルクソール神殿がある東岸へ行こうといつものフェリーに乗るが、行ったばかりだったようで人が全然集まらない。
結局30分近く待ったので、出発した頃には日が落ちてしまった。間に合わなかった。
ナイル川東岸
東岸に着き、ルクソール神殿を目指す。
昨晩はルクソール神殿を北側からしか見なかったが、南側に回ってみるとライトアップされた神殿の全体を見ることが出来た。
もう十分見えたし、これでいいのでは・・・
しかし丁度神殿から出て来たTと合流すると「間近で見たらとても良かった」と言うので今から入ることにする。今頃観光に来たLenはやはり「入場料が高いので入らない。」と言う。男性2人に今日の晩御飯の食材とビールを買ってきてもらうことにし、その間に私だけ入場させてもらう。
チケット売り場は目の前の広場から少し北へ行った場所。
GoogleMapに「入場料250ポンド(1250円)」とあったので安いし入ってもいいかなと思っていたのだが、入口に来てみたら手書きでマジックで400ポンド(2000円)に値上がりしている。入ろうかどうしようか、かなり躊躇した。
結局、明日はもうルクソールを出るので入ることにした。
ライトアップされた夜の方が人気があるのか、ツアーバスから団体客がぞろぞろ降りてくる。
あの尖塔、オベリスクは2本あったのに1本はナポレオンがフランスに持って帰り、パリのコンコルド広場にあるらしい。5年前にパリに行ったけど、その時はデモ中でコンコルド広場へは行っていないので見ていない。
入場して右側はスフィンクス参道。もっと北の方は台座しかなかったが、スフィンクスはここにいたのか。よく見ると一体一体形が違う。
左の本殿の方にも入ってみる。
壁画は夜なのでよく見えない。やはり夕方から入場するのが正解だったようだ。
建物内はかなり広く、外側にも展示物が沢山あった。夜でよく見えないのが残念。
ルクソールの闇両替
男性らが買い物を終えたと言うので、3人で合流した。
そして彼らがお土産屋に持ち掛けられた闇両替のレートは1$=60ポンド、鉄道駅の近くで声を掛けられた人からは1$=65ポンドを提示されたという。
偽札が混じっていることもあるようなので路上での交換はやめ、Lenだけお土産で20$だけ両替してもらっていた。すると見たことのない2$札が混じっている。Lenは偽札を疑いまくっていたが、ネットで調べたらヤフオクなどで高値で落札されているレア札のようなので「もらっておけ。」と言っておいた。
「中国でも売れるかな?」と不安そうだったが。
フェリーに乗ってまたアパートへ戻る。
明日は皆バラバラにカイロへ向かう。3人で過ごす最後の夜。
Lenがナス、インゲン、ジャガイモで時間を掛けて一品作ってくれた。やはり少し辛いけど、肉が全く入っていないのに凄く美味しい。これまでドミトリーで会った中国人は男性も皆料理が得意だ。
こういった3人の奇妙なシェアハウス生活も、20代の時のワーホリ以来で楽しかった。
世界一周に出る前は、もうそんな経験なんて一生することはないだろうと思っていたのに。
自分以外の人らの見た目が若いので、ずっと一緒にいて会話していると私は自分の年齢を忘れてしまっている。そして鏡を見て初めて思い出すのだ。残酷だ。
このまま楽しい時間が続けばいいのに。
しかしお別れはもうすぐそこ。
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