サウジアラビア3日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円
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19時半。アルウラのエレファントロックを後にし、予約していたグランピング施設へ向かう。
アルウラで夜の運転
予約しているグランピング施設は、町の中心部から車で1時間程北に進んだ何もないエリアにある。Mlさんにどこに泊まりたいか聞いたところ、彼女がここを見つけて選んでくれた。
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この道路の写真は次の日の昼間の写真。夜、この道は一面の闇。外灯はほとんどなく、道路脇の反射材と車のヘッドライトだけが頼りだ。
砂漠の中の一本道をひたすら進む。幸いにも同じ方向に向かう車は見当たらないので、煽られる心配がない。「この道なら運転できそう」とMlさんがハンドルを握ってくれた。(Uターンすらも出来ないという、めちゃくちゃ危うい運転だったが。少しでも運転の手助けに・・・という気持ちは十分伝わった。)
Masarat Camp – AlUla(グランピング施設)
サウジアラビアの大自然の中のキャンプ場。
1テント当たり1泊4万600円。節約型の自分だとこんな宿は思い付きもしなかった。
やはり誰かと一緒の旅は新しい発見があっていい。
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20時半。予約していたグランピング施設に到着。
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柔らかいベッドで最高。そしてウズベキスタンやモロッコでもそうだったように、想像していた通り砂漠の夜のテントは寒い!めちゃくちゃ寒い!
備え付けの小さな電気ヒーターと毛布以外にも、ひとりもう1枚ずつ毛布を渡してくれたがそれでも寒い。
Mlさんは更にもう1枚毛布をくれと何度もスタッフに交渉していたが、「既に1枚渡した。」と全然持ってこない。私なら諦めるが、彼女はまた別のスタッフに告げたり、「毛布が無理ならもっと強力な暖房機を持って来て。」と交渉していた。
「何度言っても持って来る気配ないね。もういいんじゃない?」と私が言うと
「寒いとか暑いとか我慢できないんです。これが『ゆとり』です。」と言われた。
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だいぶ時間が経ってから、やっと予備の毛布を持って来てもらえた。
そしてMlさんに明日何時に起きるか聞いたら「9時間は寝ないと駄目なので9時間後。」と言われた。
「えーーー!!?9時間も寝るの?それで会社勤め出来るの?」と驚いて思わず聞いてしまった。
これがゆとりなのか??それとも6~7時間睡眠の私が老人なのか笑
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初めて一緒に旅行する人って、そうか。暑さ寒さの耐性、睡眠時間も全然違うというのを旅の途中で気付くんだな。
新婚旅行中に離婚するカップルってこういう感じなのだろうか。なんて考えたりする。
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寒いのでグランピング施設の隅にあるたき火の場所まで行く。
ドバイやクエートなどからアルウラに観光で来ている男性らが、同じくたき火で寒さをしのいでいた。
ここ、世界遺産の町アルウラは近隣の国の人にとっても、人気の観光地のようだ。
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次の日。
昨晩は寒かったが、ホットシャワーを浴びれたのでなんとか眠れた。
毛布をもう1枚貰えるように粘り強く交渉してくれたMlさんに感謝だ。私は面倒な方が勝ってしまう。
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朝のアルウラのキャンプ場。なんですか、この景色。
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他の客が岩の奥に入って行くので、何があるのだろうかと覗いてみたらヨガをする場所。ペトラ遺跡を周った時の雰囲気に似ている。
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朝食ビュッフェは宿泊料金に含まれている。宿泊客のイタリア人女性がかなりしつこく「昨日はヨーグルトあったのに今日はないじゃない!出しなさいよ!」とクレームをつけていた。海外の人はやはりパワフルだ。
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野良ねこもいて、こんな砂漠でどうやって餌を確保しているのだろうかと思ったら、なんてことはない。宿泊客らが目を離した隙に、皿からハムをかすめ取っている。
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味は普通だけど、景色が最高で幸せな食事。ねこちゃんが何度もしつこく「ハムをくれ。」と膝に乗ってくる。そして席を立った隙に取られる。
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Mlさんと2人で食事をしていると、一人で来ているっぽいアジア人女性が通りがかった。向こうもこちらをずっと見ている。どう見てもユニクロのウルトラライトダウンを着ているので日本人だろう。
声を掛けてみると学校の先生で、正月休みでひとりでサウジアラビアに来て、このキャンプ場に宿泊しているらしい。ひとりでこんな辺鄙な場所でテント泊かぁ。淋しくはないのだろうか、いや、度胸あるよね。
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一緒に食事しながら、お互いのこれまでの旅話で意気投合。
彼女は今日、この近辺にあるへグラ遺跡を周るツアーを予約していたらしいが、私たちがレンタカーがあると言うと「そっちの方が面白そう。」と、ツアーはやめて一緒に車で観光することになった。
レンタカーでへグラ遺跡へ向かう
宿をチェックアウトし、GoogleMapを見ながらここの目玉、2008年に登録されたサウジアラビア初の世界遺産、へグラ遺跡へ。運転はもちろん私。
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宿の人に教えてもらった近所のカフェに行ってみたが、GoogleMapで見るのと入り口が違っているか、門が閉まっていて入れなかった。カフェは諦めて遺跡へ向かう。
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この道なら煽られる頻度も少ない。気を使わなくて楽ちん。
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景色が良さそうな場所で停止して、写真や動画を撮る。あの左の頂上にある奇岩はどうやって出来たのだろう。サウジアラビアって凄い。そして停車している私たちの車の横を通る車はクラクションを鳴らしまくる。道路から外れて停めているのに。やはり運転に関してはサウジ人はイラちである。
へグラ遺跡の入口(Hegra South Gate)
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へグラ遺跡はあのヨルダンのペトラ遺跡を造ったナバテア王国の第二の都市である。
入口はどこかと、道に迷いながらへグラ遺跡の入口にやって来た。北の方からは柵があって入れなかった。
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このビジターセンター(Hegra South Gate)からしか入れないようだ。観光客がいっぱいいて、皆ツアーバスで中に入場している。
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「誰も自分の車で入って行ってないよね。もしかしてあのツアーバスでしか中に入れないのかな?」
ビジターセンターのお土産屋を覗きながら、私たち3名は不安になってきた。
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不安になりながらも、ビジターセンターの横に車で入れそうなゲートを発見。
ゲート前にいた男性従業員に、「この門開けてよ。」と言うと、「OK!」と笑顔で開けてくれた。
「なんだ、レンタカーでも入れるじゃん。無料なんだねー。」
そう言いながら、へグラ遺跡を目指しながらレンタカーで進んで行く。
ウー!ウー!
後ろを振り返ると、パトカーがサイレンを鳴らしながら追いかけて来た。
・・・そして私たちの車は止められた。
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