フィンランド

アルバアアルトの自宅とアアルト大学を訪問、アアルト三昧な日(Day451-452)

フィンランド
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1€(ユーロ)≒163円
2024年8月。フィンランド3日目、ヘルシンキ3日目

ヘルシンキの女性専用ドミトリー。
一昨日は静かだったのに、昨日はどこからか電子音がするので少し寝つけなかった。

今朝、起きて上のベッドをふと見たら、ヨーロピアンのおば様が共有部分にあった冷風機を自分のベッドに持って来て置いていた。これは初めてのパターンだ。しかもヘルシンキって夏でも少し寒いのに。
ドミって色んな人がいて面白いな。

1番嫌なのが部屋で大声で長電話されること。夜中にベッドで寝ながら喋りたいみたいで、これをやる奴が本当多い。どこの国の奴らかと言えば、日本人と韓国人以外全般。
なので電子音位なら全く腹が立たない。

アルヴァ・アールトの自邸ツアーに参加

今日はフィンランドの建築家、アルヴァ・アールトの自邸ツアーをHPから申し込んでいる。30€。
Alvar Aalto(1898-1976) は、近代建築の巨匠として知られ、建築や家具デザイン、ガラス製品など、幅広い分野でその才能を発揮している。

英語かフィンランド語のツアーしかないので、英語ツアーを申し込んでいたが、Aalto Houseから「13時に申し込まれていますが、日本人参加者が多いので10時から特別に日本語ガイドを企画しました。時間変更されますか?」とメールが来ていた。
喜んでそっちに変更してもらう。

場所は中心地から少し離れている。宿泊している宿からはバスで40分。
Googleマップで経路を調べ、500番のバスに乗り込む。昨日もマリメッコ本社へ行くのに500番のバスに乗ったので楽勝、楽勝と、直ぐにやって来たバスに乗り込む。

アアルト自邸、行き方失敗

すっごいバカ、バカ、バカ。
マリメッコの本社は街の中心地から東で、アアルト自邸は西の反対方向なのに、同じ番号だからと昨日と同じバスに乗ってしまった。
反対車線の500番のバスに乗らないといけなかったのに。
気づいたのはバスに乗り込んでから20分後。今からバスで戻ってもツアースタートの10時に全然間に合わない。慌ててバスを降り、Boltアプリでタクシーを呼ぶ。

やって来たBoltの運転手は若いイケメンの男性だった。
「急いで!」と告げたので飛ばしてくれながら、よく喋ってくる。日本人だと言うと
「嘘ーーー!?感激。僕、日本人初めて乗せたよ!日本人ってこんなに綺麗なの??」
と赤信号で停まる度にお世辞を言ってくれる。日本だと私はおばさん扱いなので、悪い気はしない。
昼からお茶にも誘われたが、フェリーでフィンランドに移動しないといけないからと断った。

ヘルシンキをどう思うか聞かれたので「おしゃれで綺麗なところだね(語彙力)。」と言うと、
「どこがーー!!冬は3時間しか明るくなくて最悪だよ!!日本の方がよっぽど美しいじゃないか。僕、いつか日本に行くのが夢なんだ~。」と語ってくれた。その後もお互いの国について楽しく会話する。
ヨーロッパに入ってからほぼタクシーを使わなかったが、こうやって現地の人と話せるからたまに使うのもいいな。

アルヴァ・アアルト自邸

8分遅れで到着。当日参加は無理で、入り口は閉まっている。
Boltを待っている間に「少し遅れるけどいいですか?」とメールしていたので、ベルを鳴らしたらすんなり入れてくれた。

ツアーは始まったばかりのようだ。
中に入るとびっくり。なんと日本人が私以外に20人位いる。ヨーロッパ以降、こんなに沢山の日本人を初めて見た。30€もするのに、結構建築が好きな人っているもんだ。

ツアーは日本人が案内してくれるのかと思い込んでいたが、フィンランド人の女性スタッフだった。
ぎこちない日本語でガイドをしてくれる。日本語が喋れるだけ凄いが、かなりゆっくりでつまりながらの説明だったので、英語が聞き取れる人なら英語ツアーの方が情報量は多い気がする。

ここは彼の自宅兼アトリエ。
妻アイノ・アアルト(Aino Aalto)と共に1936年に設計し、以後40年暮らした自邸。
後に名が売れてからはスタッフの数が増えて入り切らなくなり、ここの近くに新しくアトリエを建設している。そちらも別料金でツアー参加可能。

あの1番奥の角の机が、アアルトが作業していたお気に入りの席。彼の建築はどれも自然環境との調和を重視していて外の景色が見渡せる。

アアルトの手書きのスケッチ。インテリアコーディネーター試験の二次試験でこんなの描いたな。

棚1つ取ってもセンスがいい。彼がデザインしたパイミオチェアなど、椅子がたくさん置いてある。

両開きのキッチン戸棚で、キッチンとゆるく仕切られたダイニング。
椅子は新婚旅行の時にイタリアで買ったもので、彼はとても奥さんとの思い出を大切にしていたらしい。
まあ2回結婚しているんだけど。

バスルーム。洗面はアアルト設計のパイミオのサナトリウム(1932年完成)にある洗面ボウルと同じデザイン。
この家は彼自身の生活空間であると同時に、彼のデザインの実験場でもあり、日常の中で実際に使用し、改良が可能な設計を重視していた。これもきっと、結核患者が使い易いかどうか実験的に配置したのだろう。

ガイドによると、ここに来た人は、思っていたより普通の家なので、がっかりするらしい。
しかし今から90年前だとこのデザインは斬新で、あまりにも大勢の人が彼のデザインを真似し、そのインテリアを取り入れたから、これが「普通」になったと言う。それ位彼は偉大だ。

彼はフィンランドの建築とデザインを国際的に広め、ユーロ導入前の50マルカ紙幣には彼の肖像画が描かれていたというから、どれだけ国民に尊敬されていたことか。

2階の寝室。客室ルームもあるが、全てベッドは小さく、かなり質素。

2階の中心に暖炉がある。ヘルシンキは寒いから冬は自然とここに家族も客も集まるだろう。
自然と調和し、愛するものとつつましく暮らす彼の理念がつまった家は、普遍的なデザインで温かかった。このツアーはアアルトを知るのに大満足のツアーだった。

ツアーは40分程で終わり、後は自由に撮影タイムを作ってくれた。他のお客さんも熱心に写真を撮っている。女性2人組のグループが多い。

しかし笑ってしまったのが、盆休みで来たと思われる家族4人組の、中学生位の男の子がずっとふてくされた態度で離れてぼーーっと立っていたことだ。父親の方はかなり興味津々に見ていたのだが、そりゃ中学生には面白くないだろう、これ。
外国で息子だけ別行動ってわけにもいかないだろうし、彼にはちょっと同情した。

アアルト大学へ

アアルトデザインのパイミオのサナトリウムも行きたかったけど、ヘルシンキからかなり離れている上に、ツアー代も高かったので断念。無料で入れるアアルト大学へ行くことにする。

バスで到着。アアルトの建築らしく、温かみのある赤レンガデザインに光を取り入れた設計。
勝手に大学に入っていいか不明だが、入ってみることに。

建物はいくつもあるが、どこもセキュリティで鍵が掛かっている。
1つセキュリティがなく入れた建物があったので潜入。
学食があったが、流石に購入には学生証がいるようで試せなかった。アジア人のおばさんがいるだけで既にめっちゃ浮いてるし。

アアルト設計の図書館

手前の図書館に潜入。こっちは一般の人にも開放しているようだ。

曲線の天窓が無数にあって日差しをゆるく取り入れている。開放的で気持ちのいい空間。
これまでの図書館では紫外線で本が傷まない設計が主流で、これもかなり斬新だったらしい。

天窓。

アアルトがよく使っていたデザインの柱。おでんに入れるかまぼこに見えるけど。

北欧デザインの椅子。なんと贅沢な空間・・・全部座ってみる。

地下もある。改修しているらしいので新しい部分もある。

ボールチェアにだれも座っていなくて勿体ない。

存分にアアルト建築を堪能できた。

テンペリアウキオ教会

宿までの帰りに、教会へも寄ってみた。1969年に完成したキリスト教の教会。中は岩で出来ていて木の天井の周囲にガラスが埋め込まれているらしい。しかし行ってみると入場料が必要だったので入らなかった。教会なので無料じゃないなんて。

フィンランドで日本と違って気を付けないといけないのは、ペットのワンコがバスやトラムに一緒に乗っていて床に寝そべっている。一度床と同化した真っ黒なワンコを踏みそうになった。お店もペット同伴可のとこも多い。日本だと無理だろうな。

ホテルで夕食作り

既にチェックアウトが済んでいて荷物を預けてあるホテルへ戻り、キッチンでズッキーニと玉ねぎを炒め、下のスーパーで今夜の缶ビールと明日の朝食用のパンを買い込む。
今から深夜便のフェリーに乗るが、オプションの夜ご飯が45€もしたので申し込まなかったからだ。

準備が整い、17時発のフェリーに間に合うようフェリー乗り場へバスで向かう。

昨日レストランで会った日本人の女の子が「ヘルシンキ、来てみたらなんとなく暗い雰囲気じゃないですか?」と言っていたけど、恐らくこの道の広さと人の少なさからだろうか?
日本人はフィンランド=おしゃれと思っているので、来てみたらこの町並みには肩透かしを食らうかもしれない。

そう言えばサウナに行くのを忘れていた。宿の近くに、ボランティアだけで成り立っている無料のセルフサービスのサウナがあったのに。フィンランドの8月は22時でもまだ全然明るいので、昨日行けば良かったとも思ったが、体力的に22時まで全力で動くのはもうしんどい。

サウナに行くのを忘れていたのを少し後悔しながら、フィンランド行きのフェリー乗り場へ向かった。

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