1€(ユーロ)≒173.4円、1CHF(スイスフラン)≒180円
スイス2日目、マッターホルン1日目
20時、線路トラブルの影響で2回乗り換えを経て、ジュネーブからようやくツェルマット駅に到着。ここがマッターホルン観光の拠点となる町だ。

線路の一部が土砂崩れで不通になっており、その区間だけバスでの代行輸送。その後、再び鉄道に乗り換えた。あとで知ったのだが、ツェルマットはガソリン車の乗り入れが禁止されているため、バスで直接入ることはできないらしい。
Youth Hostel Zermatt(ホテル)

宿は、最安値だった「ユースホステル・ツェルマット」。駅からは坂道を15分ほど登っていく。
男女混合ドミトリーで朝食付き、1泊44€(約7,660円)。
ただ、残念ながらここも明日は満室。仕方なく、明日は朝食なし・1万円超えのドミトリーに移動することに。

初日は20時着だったので、ほぼ寝るだけ。
フランス入国以降、バスでも宿でも、スマホで音を出して動画を見たり、大声で話す人がいない。民度が高く、静かでとても快適。中東あたりでは、必ずと言っていいほどヘッドホンをつけずに音を鳴らす人や、大声で電話するおじさんがいたもんな。
やっぱり、高額を払わないと来られない場所には、それなりにマナーのある人が集まるということか。
朝5時、なんとなく目が覚めると、同室の中国人の女の子が出掛ける準備をしている。
ひとひそ声で「今からマッターホルンを見に行くと綺麗よ!」と教えてくれた。

パジャマにユニクロのライトダウンだけを羽織って、川の方まで行ってみる。

かつて日本人観光客がたくさん訪れて山を眺めていたことから、Google Mapではこの橋に「日本人橋」という名前がついているらしい。でも今は中国人観光客しかいない

一部だけ朝日が当たっているところが赤い。雲がなければ山全体に朝日が当たって真っ赤に染まるのだろうか。南米パタゴニアでは、朝焼けに燃えるフィッツロイを見たくてたまらなかったけれど、結局行けずに悔しい思いをした。でも今朝のこの景色で、少しだけリベンジできたことにしよう。

この日はマッターホルンと反対側の山の方が、赤く染まっている。

宿のビュッフェ形式の朝食。
フランス以降、まともなものを食べるのは久しぶり。しかもヨーグルトが何種類もあり、いちごを擦り潰したものが入っていたり・・・と、美味しすぎて閉店まで居座ってしまった。
マッターホルンの天気予報を見ると今日1日晴れだし、20時でも明るいので昼から行動しても十分だろう。ツェルマット自体は30分位で端から端まで歩けてしまう広さ。

この宿を延泊したかった・・・
10時、ギリギリにチェックアウトし、今日予約している駅前のホテルへ移る。
ホテル バーンホフ(ホテル)

もろ駅前ホテル。とても便利だが値段も相当、ドミトリーで67€(11,730円)。朝食なし、キッチンあり。

女性専用ドミトリーは、木製のしっかりした2段ベッドで、上下の向きが互い違いになっており、他人と目が合わない設計。マットレスはふかふかで、広々と清潔。値段だけの価値はある。

レセプションに「昼は11時までopen」と書いてあるが10時半に来たら誰も居なかった。この辺が海外あるある。

仕方ないので他のチェックイン前の宿泊者にならって、荷物を地下のキッチンに置いて出掛ける。キッチンもコンロとシンクが複数あり使いやすい。
ゴルナーグラート登山鉄道が無期限停止

早速、予め調べておいたゴルナーグラート登山鉄道に乗ろうと駅に行くと、駅員に「無期限停止」と言われた。

理由を聞くと、土砂崩れで線路が崩れている写真をスマホで見せてくれた。なんてことだ。せっかくここまで来たのに。
このコースしか調べていなかった私は、もうマッターホルンのトレッキングは出来ないのかと絶望した。
ツェルマットでのマッターホルンへのアクセス、観光3パターン
すると、私と同じ説明を受けていた中国人男性2人が、どこか別の場所へ歩き出した。気になってついて行ってみると、そこはインフォメーションセンターだった。中で、他の観光手段についての情報を教えてもらう。

これが案内所の地図。左端、真ん中、右端と3パターン楽しめるなんて知らなかった。自分の周りにスイスに行ってる人なんていないし。以下、各コースの料金は2024年7月時点のもの。月によって大きく変わるし、頻繁に値上げもあるので、あくまで参考程度に。
①左端のコース:地下ケーブルカー(Sunnegga Express)&地上ロープウェイ
途中スネガ展望台、頂上のロートホルンなどで下車でき、好きなところで降りてトレッキングを楽しめる。スネガ展望台まで往復44€。
②真ん中のコース:ゴルナーグラート鉄道(今回は土砂崩れで運休中)
標高3,089mのゴルナーグラートを目指す登山鉄道。途中、ローテンボーデン、リッフェルアルプ、リッフェルベルクなどの駅で自由に下車し、駅間のトレッキングが可能。
片道66€、往復だとその倍。鉄道移動ってロマンがあるし、これが一番定番のルートか。
③右端のコース:標高3,089mの絶景展望台「マッターホルン・グレッシャー・パラダイス」まで一気に登るゴンドラリフト。
2022年に完成したばかり。マッターホルンに1番近づけるが、365日スキーが出来るコースの頂上であり、雪が積もっていてトレッキングは出来ない。(=歩く楽しみがない。)往復120€。
鉄道が好きだが②は停止中。歩くのが嫌いなので③に目を付けたが、ゴンドラに乗って降りてくるのに120€って、に、に、に2万円超え?!
ちなみに、スイストラベルパスやスイスハーフフェアカードというものを事前に購入(4万円以上)しておけば、ジュネーヴからここまでの鉄道料金も、上のゴンドラ、ロープウエイ、鉄道料金も半額になる。なのでほとんどの人が購入するのだが、まさかツェルマットでの登山鉄道やゴンドラまでもがこんなに高いなんて思わなかったので、私は購入していなかった。このパス自体も4万円以上するのだ。スイスって・・・
宿に戻り作戦を練る
コースを決めれない。14時になったので1度宿に戻り受付に行くと、今度はレセプションの女性はちゃんといた。めちゃくちゃ愛想良くて感じがいい。女性専用ドミトリーにチェックイン。
同じ部屋に韓国人の女の子がチェックインしてきたので、彼女がどのコースを周ったのか聞くと、①コースでスネガ展望台まで行き、そこから徒歩で降りて来たという。さすが韓国や中国の人は倹約家。スネガ展望台までは片道20€なので、かなり費用を抑えたコースだ。
「でも5時間以上かかってかなりしんどいよ!」と言われた。

しんどいのは嫌なので③のマッターホルン・グレッシャー・パラダイスコースにしようと決意する。途中、この土地特有の顔の黒い羊を見ながら宿から入口まで20分歩いて到着したが、あっという間に曇ってきてしまった。天気予報はあてにならない。山の天気は一瞬で変わる。曇りでマッターホルンに近づくのは勿体ないので、晴れてからチャレンジすることにした。

ゴンドラ駅。
ネットで「フリーの赤いバスがこのあたりを往復している」と見たので、ちょうどやって来た赤い車の若い運転手に「駅までフリー?」と聞いてみた。すると彼は少し戸惑いながらも「……いいよ、乗りなよ!」と言うので、乗ったら降りる時に他の乗客らが料金を支払っていて、タクシーだった。恥ずかしい・・・
料金を払おうとしたら、他の客のついでだから無料でいいと言われた。スイス人も親切だな。
ちなみに、ツェルマットはガソリン車禁止なので、走っているのは全て電気自動車である。空気が美味しい!
徒歩で行ける景勝地、Zermatt Matterhorn Viewpoint
16時から晴れてきたが、ロープウェイの営業時間も16時で終わるので諦めた。
ツェルマット、今日1日コースを悩んだだけで、何もしていない笑
まあマッターホルンを眺めているだけでもいいのだけれど。
あまりにも勿体ないので、歩いて行ける景勝地をGoogleMAPで見つけて行ってみた。

20分程、かなり急な坂を登って辿り着く。他に5名ほど先客がいた。

ここから見下ろすツェルマットの町は美しく、これはこれで高く登るよりいいではないか。
・・・というか、美し過ぎないか?
山にかかる雲が、見ている間にあっという間にその形を変えていく。
光の当たり方も刻一刻と変わり、何時間でも見ていられた。
スイスはついで位の気持ちで来たのに。この1年以上の旅で1番美しい景色のような気がした。なのでこれでこの旅も思い残すことはない・・・なぁんて気持ちになる。
スイスの物価
夕方になったので、宿に戻る。近くのCoopへ。
半額のパンなら買えるかと思って金額を見たが、それでも800〜1,000円。ジュネーブでペットボトルのコーラを見た時は900円だったな・・・世間ではマクドナルド指数とか言うけれど、コーラで簡単に物価指数を測れる。

私が買えるのはこの出前一丁のみ。2個買うと1FR(180円)になるので2個購入。これで今日と明日はやり過ごすことにする。

宿に戻ると日本人の女性旅行者がいた。
今日、どのコースに行ったか聞いたら韓国人の子と同じスネガ展望台まで行って、歩いて降りて来たと言う。
「湖に移る逆さマッターホルンが見たいんですが、湖を通ろうと思うと帰りは5時間歩くんですよね?」と聞くと「私は下まで歩いたけど、ツアー客らはスネガの1つ上の駅で降りて湖まで行って、また同じ駅に戻って来ていましたよ。そのコースなら1時間位しか掛からないと思います。」と教えてくれた。
彼女は明日はマッターホルン・グレッシャー・パラダイスのゴンドラに乗るらしいが「ゴンドラは歩けないですからね~歩けるスネガの方がいいんじゃないですか。」とのこと。
よし、決めた。1時間なら体力のない私でも歩ける。明日予約しているイタリア行きの列車は13時なので朝から出たら間に合うだろう。
明日は、スネガ展望台からマッターホルンに近づいてみることにした。
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