ドバイ4日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円
エディハド航空の罠に要注意
朝、8時に起床してチェックアウト。
今日ほいよいよサウジアラビア入国の日。昨晩、自分が購入したドバイ→アブダビ→サウジアラビアのダンマーム行きの航空券をしげしげ眺めていると…
??
ドバイ→アブダビ間は、文字の表記は「Ethihad Airways」となっているが、アイコンがバスのマークである。
これはもしや…と、乗り場を詳細に調べてみたら、ドバイ→アブダビ間は航空会社の高速バスでの移動だった。
航空券購入サイトで購入したチケットでバス移動があるなんて、こんなの気付く人いるのか?!
危うくドバイ空港に行くところだった。
指定されたバス停に行ってみるまで不安だったが、ちゃんと航空会社のバスはいた。
乗車率は半数位。
2時間の乗車時間だが、バス内の無料Wi-Fiが使えるのは1時間だけだった。空港で貰った無料のSIMカードは、トップアップ代が高過ぎて延長していない。バスの中でKindle本を読書しながら時間を潰す。
夏に来たばかりの、懐かしのアブダビ航空に到着。
アブダビのプライオリティパスが使えるラウンジ
ここのラウンジは3回目なので慣れたもの。イスラム教の聖地、サウジアラビアでは飲酒が旅行者にも厳格に禁止されている。イラン同様、一滴も売っていない。
これ以降は飲めないだろうから、ビール堪能。
14時。飛行機に乗り込む。未知の国に上陸するのは緊張する。
エディハド航空では、アブダビからダンマームまで40分でもお菓子とパンが出た。
航空券の料金は7,100円。
近年行けるようになったサウジアラビアという国とは?
サウジアラビアはイスラム教発祥の地であり、ムスリムにとって最も神聖な国である。メッカとメディナという二つの聖地を有し、毎年多くの巡礼者が訪れる。
それまでオイルマネーだけに頼っていたサウジアラビアは、オイルマネーへの依存から脱却し、観光を含む非石油産業を育成することを目的とした「ビジョン2030」という経済多様化政策を打ち出した。
その一環として観光業に力を入れ、2019年に観光ビザ(eVisa)を導入。しかし、その直後にコロナ禍が発生し、ビザの発給は一時停止となった。その後、2023年に再開され、ようやく入国が可能となったため、観光客が訪れることが出来るようになったのはごく最近のことだ。
「ビジョン2030」により、これまで運転免許禁止、男性の承認がなければ仕事に就くことや、引っ越し、パスポートの取得ができなかった女性の状況が大きく変わった。(なんという男尊女卑社会。)
これらの制限が解禁されたことで、女性の社会進出や自由度が飛躍的に向上している。サウジアラビアは保守的なイスラム国家である一方、急速な変革を遂げつつある国でもある。
この現代的な改革の進展を直接感じられることは、旅の醍醐味の一つだ。
サウジアラビアのダンマーム空港に到着
14時45分、サウジアラビアのダンマーム空港に到着。空港から見える景色はなんだか昭和っぽい。
デザインが古い感じ。1999年に開業した関空よりも新しい空港とは思えない。
これがサウジアラビアのデザインなのだろうか。
サウジアラビアの旅程と眉毛だけのeVISA
今回の旅程はこんな感じ。サウジアラビア滞在は実質7日間だけなので、移動は主に飛行機。
リヤド、メディナ、ジェッダがよく聞く地名だが、ネットで調べてみると「アルウラ」という地域が広大な砂漠や遺跡があり興味をそそられたので、ジェッダを諦めアルウラを組み込んだ。
サウジアラビア入国にはビザが要る。1.7万というエチオピアのビザより高い。
そして私は直前にネットからビザ申請をして取得していたのだが、メールで送られてきたeVISAの写真は失敗していた。
・・・・
なんですかこれは。
眉毛しか写っていないではないですか。
手持ちの証明写真の解像度をかなり下げてアップしたのだが、それでもサイズが大き過ぎたようだ。
再申請ボタンを押しても「あなたは既に申請済だから無理」とアラビア語で表示される。
これでサウジアラビア入国できるのか?!
かなり緊張しながら入国審査の窓口に並ぶ。
審査官はほぼ全員女性だった。「ビジョン2030」の影響で、政府の機関では積極的に女性職員を採用しているのだろう。彼女たちは全身黒づくめの服装で、顔は目の部分しか開いていない。なら私の眉毛だけでいけるか?
女性審査官にパスポートとA4に印刷したeVISAを渡す。
彼女はeVISAの写真はちらっと見ただけで、くすりと笑いもせず、VISAの番号をパソコンに入力していた。笑える写真だと思うのだが。
ビザの方は問題なさそうだが、指紋認証の機械が古いのか性能が悪くて何回指紋を読み込んでも認証してくれない。審査のカメラが小型ではなくCANONの三脚付き一眼レフなのも気になった。他の国では最新の小型カメラなのに。この国は遅れているのだろうか?
「通っていいわよ。」
何度も指紋を読み込まされてやっと許可が下りた。
審査官の笑顔もなく緊張した入国だったが、あっさり許可された。
King Fahd International Airport(ダンマーム空港)
良かった~入国出来た。最悪アライバルVISAで入れるかと思っていたが、また1.7万も取られたらたまらない。
ワクワクしながらダンマームの空港を観察する。やはり重厚感のある建物が昭和っぽい。
サーティーワンの看板もアラビア語。
ダンマームに来た理由は、アラブからの航空券が一番安かったから、それだけだ。観光地ではないこの空港はとても小さい。
イランでは外国人も髪の毛を隠さないといけないが、サウジアラビアではムスリムの人以外は隠さなくてもいいようだ。だが、この小さな空港に女性の外国人は全くいないようで、他の女性は全員黒ずくめの服装、かつ目の部分しか開いていない。目立つのは嫌なので事前にAmazonで購入していた黒のヒジャブを被ることにした。
カード社会なのかもよく分からないが、取り敢えずATMで1万円分だけお金を下ろすことにする。
数字がアラビア数字・・・イランのペルシャ文字と似ているので読めた。
後に請求を見ると、手数料は毎回300円位取られていた。
ダンマームの空港から市内への行き方
空港を出て真正面にどーんっっとモスク。凄い造り。
空港を出て直ぐ、右の方へ歩いて行くと市内行きのバス乗り場を見つけた。
15時、15時半・・・と30分おきに出ているようだ。
チケット販売のおっちゃんがバスの外で立っていて愛想がいい。クレカタッチの機械を持っていて、予約しているホテルの場所を地図で見せると終点までのチケットをくれた。ずっと緊張していたが、ここでほっとした。
チケット代は3.75リヤル(148円)。レートがさっきまでいたアラブと変わらないので計算しやすい。
女性は私しか乗っていなかった。
マリーナモール
15時半に出発して16時に終点のマリーナモールに到着。
ショッピングモールに入ってみる。だだっ広い空間にお店の数は少なく、人もほとんどいない。
土地が広い国ならではの贅沢な造りだ。
シナボンもアラビア語。トイレは無料なのが、エジプトなどと違って先進国っぽくてほっとした。
マリーナモールというだけあり、向かいに海があったので行ってみた。
ここでは女性を沢山みた。家族連れがレジャーシートを広げてピクニックを楽しんでいる。
魚釣りをしている人らを見た。全然釣れていないようだが笑
「フィリピーナ?」
バングラデシュ人で、ビジネスでダンマームに来ていると言うおっちゃんに話しかけられた。
「いや、日本人だよ。」と言うと珍しいのか驚いていた。
少し会話して「ホテルにチェックインしに行くので。」と言うと、私が宿泊しているホテルまで一緒に歩いて行ってくれると言う。いや別に、ここは治安良さそうだしいいんだけどね。
おっちゃんは「僕はノボテルに泊まってるんだ。」を連呼していた。そっちに泊めさせてくれよ。
Aleairy No.3(ホステル)
15分歩いてホステルに到着。
近年までマクドの購入窓内すら「家族用」「男性用」「女性用」と別れていたサウジアラビア。
他人と同室になるドミトリーがあるのは首都のリヤドだけのようだ。
リヤド以外は個室に泊まらないといけないのが高くつく。Booking.comで最安値のこのビジネスホテルを5,600円で予約した。
入口まで一緒に歩いてくれたバングラデシュ人のおっちゃんにお礼を言い、ここで別れる。
入口に入ると誰もいない・・・レセプションはないのだろうか。
更に奥に行ってみると、このお祈り空間で20人位の男性が集まってお祈りしていた。
通り掛った宿泊客に「レセプションどこ?」って聞くと、「ホテルの従業員はあの男性なんだけど、今全員お祈りの時間だから、ちょっと待ってあげて。」と言われた。そう言うことか。
お祈りが終わるのを待つと無事チェックイン出来た。レセプションの若い男性の英語は片言。
バスのおっちゃんもそうだったけど、観光地化が最近だったこの国では英語はまだ浸透していないようだ。
イランのバンデラ・アッパーズに宿泊した時のホテルと造りや雰囲気が似ている。
口コミはあまり良くなくて心配していたが、専用シャワーにトイレもあって、私には十分満足過ぎる位綺麗なホステルだ。
夜のダンマームを散策
お腹が空いたので、食べるところはないかと夜の街を歩いてみる。
この通りは何百メートルも男性しかいなくてビビった。レストランを覗いても男性グループしかいない。日本で言うパチンコ街みたいな感じなのかどうなのか。
洋服市場のような場所に出ると、やっと家族づれや女性だけで歩いている人を見た。
ダンマームの女性の服装はこんな風に全身黒づくめだ。洋服屋が並んでいる意味があるのか?家の中だけは売ってるような派手な服を着ているのだろうか。やはりイスラム教って窮屈だな。
ショッピングモールを見つけたので入ってみる。同じようなアイスクリーム屋が3つ並んでいて、外国人は珍しいようで凄く勧誘された。値段を見ると800円位したので買わなかった。
オイルマネーの国だけあって、やはり物価は高い。
夜に外食する習慣がないのか、ホステル周辺では女性が入れそうなレストランは見当たらなかった。
車社会で、幹線道路沿いを歩いている人はいない。
ガソリンスタンドにコンビニが併設されていたので入ってみた。
金額表示が一切ないので、買うのにいくらになるのかドキドキした。
水、お酒の代わりの炭酸ジュース、ミニケーキを購入。たったの195円だった。
お金を払う時に、レジの男性は初めて私の顔を見た。
目を見開きながらしげしげ私の顔を眺め、ぶつぶつアラビア語でつぶやき、かなり驚いていた。
初めて外国人の女性を見たのだろう。
観光地化されていない国へ行くのは新鮮だ。
私も少し彼の態度に驚きながら、ホステルに歩いて戻った。
明日はダンマームで行ってみたかった建物へ行ってみる。
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