中国

立体都市、重慶でひとり火鍋。洪崖洞の夜景をこころみるも・・・(2025.5.4-6)

中国
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2025年5月4日(土)1元=20

立体都市、重慶

中国四川省の成都から重慶へ、Trip.comで予約していた高速鉄道(高鉄)で移動。
成都東駅から重慶西駅まではおよそ2時間。最初は早朝の1,500円位のチケットを予約していたが、夕方に変更したら倍の金額になってしまった。時速300㎞の乗り物なのにそれでも安いか。中国の鉄道もヨーロッパ同様、乗る時間帯で金額が変わる。

15時半到着。昔から発展していた大都市らしいが・・・建物が古いのかデザインが少し怖い。
大都会の湿度のある空気がする。
重慶は「山城」とも呼ばれるように、山や丘陵が多く、複雑な地形を持つ都市らしい。この地形のため、道路や建物が立体的に配置され、独特の景観を作り出している。

地下鉄移動して、予約している宿へ。今回も中心地っぽい場所に取った。
地下鉄に乗るのにはいつものAlipayのQRコードで乗るのだが、都市を移動すると、その設定を変えないといけない。そのAlipayアプリの画面が中国語だからどこをクリックしていいか分からない。面倒なのでここでも駅員のお姉さんにお願いして設定を成都から重慶に変更してもらった。お姉さんは成都の駅員さんと違い、都会らしく不愛想だった。

甜心青旅ホテル

Trip.comで予約。だいたいこの位置。中国の宿はGoogleMapで出てこなくて不便だ。

古い雑居ビルのワンフロアにあるホステル。受付は若いバイトの子が翻訳機で英語でしてくれた。靴を脱いで上がるのでとても綺麗。

この宿には2泊する。重慶には1,000円以下の宿もいくらでもあったが、課金して2,000円の宿にした。
ベッドの個室風のデザインと、共用トイレがすべて洋式というのが気に入ったのである。

ドミトリーの中では高い方なだけあって、なんと女優ミラー付きのお化粧ルームまである。無料で使っていい化粧品、メイク落とし、つけまつげまであってびっくり。シャワー、トイレはもちろんとても綺麗。何より宿泊者たちが若い子ばかりではあるが、静かで民度が高かった。やはり課金大事。

重慶好吃街(ハオチージエ)

シャワーを浴びて夜の街に出かける。宿から歩いて行ける所に、地元民や観光客で常に賑わうグルメストリートがあるらしい。

重慶ならではのB級グルメを気軽に楽しめるスポット。小さな店舗がずらりと並び、串焼き、麻辣小吃(マーラーシャオチー)、酸辣粉(スワンラーフン)、豆花(トウファ)など、どれも美味しそう。

フードコートのような食堂街もある。座って食べたいので露店ではなく、ここで食べることにした。

これ、麻辣串串香(チュワンチュワンシャン)だ。成都でも見かけた、唐辛子たっぷりの汁につけるおでんのようなもの。これにチャレンジ。
店頭のおばちゃんがお勧めを中国語で言ってくるので、「スマホのGoogle翻訳に向かって喋って。」とジェスチャーでお願いするも、Google翻訳を体験したことがないのか全く伝わらない。
「こいつ、何言ってるか全然わからん。」とつぶやくおばちゃんの中国語だけが翻訳された😭

そしておでんと思って頼んだものは、冷たかった笑
おでんじゃかったのか・・・食べ物を冷たい汁に漬ける感覚がよくわからん。ビールは常温のくせに。

この串屋のおっちゃんたちに外国人だからと歓迎される。

なので牛串購入。めっちゃ美味しいけど、その辺の路上に置いてあるこの、ガキンチョが素手で触っている可能性のある唐辛子ボックスで肉をまぶすのに、抵抗を感じる日本人もいるだろう。インドにいた私には何の抵抗もないが。

中国グルメに満足、満足。宿に戻ってパンダ繫殖基地で疲れた体を横たえた。


次の日。

中国人は本当にインスタントラーメンが大好きだ。飛行機の中でも、高鉄の中でも、九寨溝の中でも、周囲に臭いがするのなどお構いなしの度厚かましさで、従業員にお湯をもらって食べている。
よほど美味しいのかと、宿の下のコンビニで朝食にインスタントラーメンを買ってみたが、麺がぶよぶよで、日本で売っているカップ麺の方がよっぽど美味しかった。

宿の近くのパン屋が並んでいたので、カニクリームパンを買ってみる。
揚げパンのような見た目。外側は味の濃いカニパウダーがたっぷりついていて、中は中途半端に甘いクリームパン。おえぇぇぇぇ・・・・。中国人、味覚大丈夫か?!

磁器口古鎮(じきこうこちん/ツーツーコウグージェン)

まあ、住んでる地域も歴史も違えば、味覚も違ってくるのだろう。

気を取り直して、成都では人混みだらけで全然見れなかった古鎮の磁器口に来てみた。地下鉄で50分。

人もそんなに多くなく、いい感じ。左の壁の石で彫られたおっさんが誰かはわからないが。

明・清代の物流の要所として栄えた古い街並みらしい。

テーマパーク感があるのだが・・・新しく造り直したのかな?

小腹が空いたので、上海に行った時に食べてみたかった蟹の汁をストローで吸う肉まんみたいなもの。写真よりずいぶん小さかったが、店内の雰囲気が良かったので満足。

川へ抜ける方の長い路地を抜ける。石畳の道の両脇に黒瓦屋根の古建築が連なり、雰囲気が十分感じられる。

日本の旅館を思い出すような・・・京都の先斗町を思い出すような・・・手摺のデザインがかわいい。

両サイドは火鍋やお土産屋が並んでいたが、猫カフェまであった。

長い距離だったが、川沿いまでやってきた。対岸は大都会。緑豊かな風景とともに少し静かな時間を過ごした。成都の人混み古都のリベンジはできたかな。

李子坝(リーズーバー)駅

名物スポット「ビルを突き抜ける列車」がある李子坝(リーズーバー)駅へ地下鉄で移動。

ビルの5階部分を貫通するように設計されたモノレール駅。見せ物のためにこの設計になったのではなく、元々この下が商業施設、上がアパートのビルがあり、完全な立ち退きを強いるのではなく、建物内部に駅を組み込むことで住民の負担を最小限にしたらしい。重慶は平地がほとんどないため、こういった造りになってしまるらしい。
カメラ片手の観光客だらけ。5分おき位にモノレールが通るので、何度か観察した。

ビルの中はこんな感じ。モノレールだから音はしないだろうけど、振動はするのでは。住んでいる人はどう思っているのだろうか。
珍しい光景だけど、昔から大阪のTKPゲートタワービルで、ビルの中を貫通する高速道路を通っている私からすると、驚きはなかった。大阪のはビルオーナーが立ち退きを拒んだからああなったらしいが。

地下之城老火鍋

↓ここの近く。

今夜で重慶の滞在は最後。
コロナ禍では海外旅行に行けず、ストレスがたまる日々が続いていた。そんな中、いち早く海外へ旅立ち始めた旅行系YouTuber・おさださんの動画をよく観ていたのを思い出す。
中国人の間でもバズっている彼は、インスタライブで視聴者からおすすめの場所を聞き、それを参考に旅先を決めるスタイル。その様子を見て「この人の行く場所なら間違いない」と感じ、今回、彼が重慶で訪れていた火鍋店を自分も訪れることにした。

さっきのモノレールの駅から移動したものの、乗る電車を間違えてしまい、一度元の駅の近くまで引き返すハメに。しかも到着した駅は、東京の大江戸線やウズベキスタンの地下鉄も比にならないほどの深さ。地下94メートルで大江戸線の倍の深さらしい。地上に出るまで、何度もエスカレーターを乗り継がなければならず、目的のお店に着く頃にはすっかり遅くなってしまった。
どうやらこのあたり一帯は、防空壕を商業スペースとして活用しているエリアのようだ。

「地下之城老火鍋」は、そのすぐ横にある。かつての防空壕をリノベーションして作られたお店で、かなり人気のようだ。お客さんはたくさんいたけが、ずーっと奥まで何キロも店内が続いているので、意外と席は空いていた。見渡せば、これまで通りカップルか家族連ればかり。この店で火鍋をひとりで食べるのはかなり勇気がいるが、中国で“不安仙人”と呼ばれているおさださんですら、ひとりで入って食事をしていたので、私に出来ないわけがない。覚悟を決めて入店。

受付で英語で話しかけるも、中国語で返されて全く意味が分からん。ぽかーんとしていると、英語を話せるスタッフを呼んできてくれ、無事に案内してもらえた。

彼のお勧めで、2種類の火鍋を頼む。この写真の量とビール2本頼んでたったの2,460円。
左がオイルと唐辛子だらけのソース、右はトマトソース。具材やビールは机に貼ってあるQRコードを読み込んでモバイルでオーダーする。量が分からず、もやしやきのこを頼んだら、想像をはるかに超える山盛りで出てきてびっくり。お肉は豚肉だけでお腹いっぱいになってしまった。
具材をしゃぶしゃぶして、たっぷりのパクチーが入ったごま油にくぐらせて食べると、香りと旨みが口いっぱいに広がって、とても美味しい。基本はトマトスープで煮て、たまに唐辛子オイルのスープにくぐらせて、刺激的な味も楽しんだ。

本場の火鍋、美味しい!トマトスープで食べているのは観光客の欧米人らだけで、中国人らは両方とも唐辛子スープで食べていた。辛いのは苦手だが、少ししゃぶしゃぶするだけなら、くせになりそうな味だ。そして防空壕の中を通っていくトイレは怖すぎる。

夜の洪崖洞(ホンヤードン)

重慶イチのハイライト、夜の洪崖洞(ホンヤードン)へ来た。長江沿いの崖に沿って建てられた巨大な立体型商業施設で、まるで『千と千尋の神隠し』の世界。吊り橋のたもとに築かれた多層階の建築群が、夜になると黄金色にライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出しているらしい。

地下鉄6号線「小什字駅」から歩いて来たら、この商業施設の11階に到着する。この1階から見上げるとその幻想的な景色が見れるらしいのだ。この時すでに22時54分。
何も知らずに11階から1階へ降りるエレベーターを見つけ、周囲の人らとエレベーターが上がって来るのを待つ。

下の覗くと凄い人の数だ。そのせいかエレベーターが11階に来るまで5分は待った。
この華やかなライトアップの建物群を下から見たらどんな感じなんだろうか。ライトアップされた建物の側面や屋根を見ているだけでも美しさに期待が膨らむ。

ようやくエレベーターが来て、周囲の人らとぎゅうぎゅうで乗り込む。1階に到着してビル群を見上げたら・・・

は?なんですか、これは。

まさか、まさか。時計を見ると23時3分。どうやら23時ピッタリに、エコのためライトアップは消灯したらしい。泣。

隣の崖はまだ少しライトアップされているけど・・・
こんなんじゃないしなぁ・・・

中国のネットからお借りした写真がこれ。これを見るために、ここから歩いて行ける場所に宿をとったというのに・・・😭

23時消灯か。上海でもそうだったな。下調べなしで来て、あほですか、私は。
明日の朝の飛行機で帰国だから、何をどうやってもこの夜景をもう見ることはできない。
あー今日は火鍋行く前も、ここに来る前も道にいっぱい迷ったな。その時間がなければ夜景を見れたのに。時間は大切にしないと。後悔だらけで長い長いエスカレーターを11階まで登って行く。
お店も閉まっていて人もほとんどいなくなっていた。

地上に上がると、すぐそこにたデイリークイーンがあった。せめてもの慰めに、小さい頃から大好きだったチョコがかかったソフトを。また日本に戻ってきて欲しいなぁ、デイリークイーン。


次の日。

朝8時。宿をチェックアウトして空港へ地下鉄で向かう。

重慶の空港。やはり中国の空港は広すぎて、プライオリティパスが使えるラウンジは自分のゲートからかなりの距離だったので入るのは諦めた。

空港の中になぜか中国庭園と古い建物が展示してあったので散歩して楽しむ。

日本への帰国便はガラガラだったので、椅子を一列使えて楽ちんだった。帰りの飛行機も1.9万。

中国南方航空、中国東方航空、中華航空とも荷物預け入れ無料だし、機内食もビールも出て満足だ。

こんなに気軽に安く来れて、絶景ばかりの中国。きっと私はこれからも何度も来るだろう。またいつか重慶の夜景を見ることもあるかも知れない。
やはり旅に「終わり」や「これで満足」といったことはないのだ。飛行機から窓の外の景色を見ながら、今回もそう実感しながら帰路についた。

20205年ゴールデンウイーク旅、完。

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