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憧れの九寨溝国立公園、これまで見てきた中でもダントツの絶景(2025.4.30)

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2025年4月30日(水)1元=20

成都から北へ約300km。四川省の阿壩(アバ)蔵(チベット)族羌(チャン)族自治州に位置する九寨溝。やっとここまで来れた。1992年に世界遺産へ登録された地だ。

九寨溝国家公園

九寨溝の街の中心地から歩いて15分。九寨溝国家公園の入口に到着。
4月は朝8時から営業しているが、高山病で部屋でのんびりしていたら9時半入場になってしまった。入口が想像していたより近未来的。

チケットは前日に Trip.com で購入済み。
入場券と園内バス代込みで280元(約5,600円)という、なかなか強気な価格だ。
ネットで購入していたら、入口ではパスポートを提示するだけでスムーズに入場できた。

人は多いものの、バスがひっきりなしにやって来るので待ち時間はほとんどなし。
ゲートをくぐるとすぐに乗り込むことができた。

全長60キロにおよぶ渓谷地帯には、大小あわせて114の湖沼が点在している。
この地図は北と南が逆向きで下が北方向。入口から伸びる道は、奥へ進むとY字に分かれて右と左の二方向へ。
バスは1種類しかなく、どちらへ向かうのか分からないまま乗り込む。

4月の時点でこんなに混んでいて、明日からの中国5連休では一体どれだけ人が押し寄せるのだろう・・・

バスはどんどん奥へ進んでいく。この距離では、とても徒歩での観光は無理だろう。

……え、待って。
窓の外に広がる湖は、驚くほど青く澄みわたり、思わず目を奪われた。

箭竹海(せんちくかい/ジエンジューハイ)

バスはどうやらY字の右奥へと進んだようだ。
最奥の湖のその少し手前で停車。
乗客全員がこの「箭竹海」という場所で降りたので、私も一緒に降りることにした。

景色が何となくキルギスのカラコルを思い出す。そんなに水は綺麗でもないかなと、皆が歩く奥地へ歩いて行くと・・・

!! 水が…水が綺麗すぎる。
湖底に沈殿した石灰華が、水中の有機物を取り込み沈めてしまうため、水は驚くほど澄み渡っているのだという。

観光客は、私以外はほとんど中国人ばかり。
写真映えする民族衣装のような衣をまとい、楽しそうに撮影している姿があちこちで見られた。

道は木製の遊歩道になっており、歩きやすい。トイレも驚くほど清潔だ。
ただ、湖を一周するコースなので、その距離は想像以上に長い。

箭竹海瀑布

滝まである。ブラジルやアフリカで見た滝を思い出すなぁ。全然規模が違うけど。

この苔のむした感じもまた中国って感じでいい。

熊猫海(くまねこかい/ションマオハイ)

大きな湖を一周したら次は熊猫海へ。熊猫とはもちろんパンダのこと。

その昔、野生のジャイアントパンダが水を飲みに来ていたという伝説がある湖。石灰入っていても飲めるのかな。魚が泳いでいるから飲んでも大丈夫なんだろう。

落ち着いてよくよく観察してみると、たった一人で行動しているのは私だけだった。
中国人の観光客は皆、家族や友人、恋人などとグループで行動している。きっと、独りぼっちで歩く私は奇妙な人に見えたに違いない。

周りが全員ひとりでないことに気付くとめっちゃ孤独・・・笑
他の国だと、一人で旅しているヨーロピアンがいっぱいいたのに、なぜ中国人しかいないんだ。ヨーロピアンにはマニアックな場所なのか、奥地過ぎて来るにはハードルが高いのか。

暑さで体力を奪われ、路上でアイスを購入。
こんな場所の路上のおばさんから買うアイスでも、支払いはアリペイのQRコードをおばさんのスマホにかざすだけでできる。5元(約100円)。

周りの中国人たちは売店でお湯をもらい、持参したカップヌードルを食べている。
飛行機や新幹線の中でもよく見かける。中国人は本当にカップヌードルが好きなんだろう。
日本じゃ観光地や飛行機・新幹線内でお湯だけもらうのとか、ようやらんけど。

五花海(ごかかい/ウーホワハイ)

バスを降りてからどんどん歩いて入口の方へ北上して行く。ここは1番の名物スポットだ。

ここがやはり断トツで綺麗だった。

湖底には大小の岩や倒木が沈んでいて、それらが肉眼ではっきりと見えるほどの透明度。沈んだ倒木がまるでガラス越しのように見える、完璧な配色。

中心地

バスでY時の分岐点まで戻ってきた。大きな建物があり、進んで行く。長いお土産屋。

抜けると、奥にフードコートやレストランがあった。

私には食べている時間がなさそうなので、「五彩池」と表示のある看板の方へ進む。中心の分岐点の左側へ行くバスへ乗り込む。

长海(ちょうかい/チャンハイ)

左側の道の1番奥まで来た。トレッキングコースはまたこの湖を一周するようだ。ブログではさらりと書いているが、この時点で4時間歩きっぱなしで相当足が痛い。うん、一周するのはやめて次の池へ向かおう。

喉が渇いたので、自販機で水を買おうとしたらタッチパネルの操作が難しかった。周囲の中国人のお姉さんに聞いたら、(恐らく英語は全く通じていないが)親切に教えてくれた。ペットボトルの水は100円と、外で買う値段の倍。

五彩池(ごさいち/ウーツァイチー)

五彩池に歩いてやってきた。ここも名スポットらしい。ターコイズブルーやエメラルドグリーンの水をたたえ、「宝石のような池」と称される場所。

めっちゃエメラルドグリーンだけど・・・干上がってませんか??
看板の説明書きを読むと、2017年に九寨溝で発生した大地震(マグニチュード7.0)により、地下に亀裂が生じて水が流出し、多くの湖や滝が水量を減らしたり、一時的に姿を消したりしたという。
地震ってどこの国でも恐ろしいな。

树正群海(じゅせいぐんかい/シュージョン チュンハイ)

いくつもの湖が連なったエリア。じっくり説明を読みながら周る。
16時を過ぎたから、そろそろバスに乗り込んで入口の方へ向かわないと。

树正寨(じゅせいさい/シュージェンヂャイ)

16時半。集落っぽいところでバスを降りた。

これはもしや……憧れのチベット!
この辺りは、今もチベット族の人々が暮らすエリアらしい。

回転させることで、お経を読誦したのと同じ功徳を得られるマニ車。もちろん回す。20年前、ネパールでも回しまくったけど笑

路地に入ると、新しい建物ばかり。チベット族が住んでいるけど、ここはいわゆる観光用に再現された村だろうか。

1番奥の寺はまだ出来ていない。素敵だなぁ。チベット、ほんと行ってみたい。

お店の人は本当にチベットの人なのだろう。売っているものがヤク肉の干し物などだ。ヤク、あんなにかわいかったのに食べちゃうのね・・・

歩いていると、お店のおっちゃんに勧誘されたので、飲んでみたかったバター茶というものを飲んでみる。
きなことバターにお湯を混ぜた飲み物で、決して「美味しい」とは言えない味だが、体がじんわり温まり、高山病で疲れた体にカロリーが染み渡るのが分かる。
きっとこの標高の高い地域で、体力を温存するための飲み物なのだろう。

その後、入口まで湖を眺めながら約2km歩いてみたが、これが失敗だった。
途中で疲れて奥から来るバスに乗ろうとしても、満席で乗れない。
仕方なく、乗れるバスが来るまで入口付近まで歩き続けることになった。

出口到着時には閉館の18時。この日の徒歩数は29,388歩。足が痛すぎる。

帰り際にやっと3名だけ欧米人観光客を見た。日本人ならこの看板読めるけど、外国人にはハードル高いんだろうな。

宿に戻ってひと休みしたあと、夜ご飯を食べに出る。
明日の朝食用に、ケンタッキーでハンバーガーを購入した。
注文は店のQRコードを読み込むモバイルオーダーでしか受け付けておらず、中国の電話番号が必須だったため、お店のお姉さんの番号を借りて注文。
今後も同じような場面が何度もあり、注文できないお店が多かったので、eSIMだけでなく、電話番号付きの物理SIMも、持っていた方が便利かもしれない。

夜ご飯は近所の鍋のお店に入り、高山病で弱った体に優しそうなものを注文。
店主には「鍋が名物なのに鍋を頼めよー」と何度も話しかけられたが…。Google翻訳で「小食

九寨溝、来て本当に良かった。絶景の宝庫で、すべての旅人に一生に一度は訪れてほしい場所だ。

明日はここからバスで1時間ほどの黄龍を観光する予定。
Trip.comで予約したバスに乗れないなんて夢にも思わず、疲れ果ててぐっすり眠った。

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