1€(ユーロ)≒168円、1ルーマニアレイ≒35円
ルーマニア2日目、ブカレスト2日目
Nest Boutique Hostelは朝食が付いていた。野菜パサパサ、ハムやパンも焼いたら美味しいだろうけど生。お腹に入れるだけって感じだが、ないよりはマシか。
食べ終わり、シャワーを浴びたらリュウと廊下で遭遇。「今日は何するの?」と聞かれ、今日もなにか誘いたそうだったが「今から、今から、国民の館へ行くの!」と慌てて誘われないようにした。
「僕も今日の夕方そこに行くけど、予約していないと入れないよ?」
「知ってる。でも直接行ってみるんだ~。」
そう言って別れた。私が日にちに余裕ある旅人だったら一緒に行動するんだけど、ごめん・・・
国民の館(Palatul Parlamentului)
今日こそは自分が行きたかった場所を観光する!
国民の館へ歩いて向かう。ルーマニアの首都ブカレストは独裁者チャウシェスクが己の権力を誇示するため、建物が何もかも巨大。
スコピエの銅像に続いてこれも異様な光景だ。
国民の館に到着。入口はこの地図にある北門から。
国民の館とは
「国民の館(Palatul Parlamentului)」。この建物は、アメリカの国防総省(ペンタゴン)に次ぐ世界で二番目に大きな行政庁舎。建設費用は当時の日本円に換算して1,500億円。地下4階~地上10階建、総面積は330,000㎡、部屋数は3,107。ほとんどの部屋は使われていない。無駄無駄無駄無駄ー。
チャウシェスクが自身の権力を誇示するために建設を命じたものだが、当の本人は建設途中でルーマニア革命によって夫婦ともども処刑されてしまう。
まるでフランス革命時代かのような野蛮な話だが、これは1989年の話で、TVで銃殺後の映像と共にニュースに流れてきたのがうっすらと記憶にある。そんなこともありルーマニアは怖いイメージ。
なぜルーマニアが治安が悪いと思うのか
ルーマニアを1番怖いイメージにしているのはドラキュラ伯爵のモデルになった「串刺し公」がいたことでもなく、2012年の日本人女子大学生殺害事件だろう。
ルーマニアと言えば・・・という感じでどの旅人と話しても皆知っていたし、日本人のルーマニアの印象に与えた影響は大きい。
ブカレストの空港に到着して市内までの最終バスが出ちゃってて、(偽の)空港職員のプラカードぶら下げた人に「タクシーで行きなよ、案内するよ。」と言われたら、私でも従うと思う。
今の時代ならUberがあるのにな。彼女に何の非もないのに可哀想過ぎる。
国民の館入場方法
国民の館はガイドと一緒じゃないと入れない。HPを見るとネット予約は8名以上~で、それ以下の人数は電話予約のみとなっている。めんどくせー。
GoogleMapの口コミを見ると、当日いきなり行っても入れそうなので直接行ってみる。
14時に行くと、チケット売り場にスタッフが1人しかいないので並ぶが、当日券が買えた。
14時45分からの英語ガイドのチケット購入。60レイ(2,000円)要パスポート。この紙を貰って、お土産屋のカウンターで金額を払う。カード使用可。
45分待つが仕方ない。周囲に変な絵画展や無料トイレもあるので時間は潰せる。
14時半以降は窓口もガラガラだったので、14時半以降に来たら並ばずすぐ入れるだろう。
時間になり、ガイド付きツアーに参加して館内を見学。
大理石で装飾された廊下。このカーペットは継ぎ目がないらしい。お金掛かってるね。
国中のクリスタル、木材、大理石、綿などが集められ、ルーマニアでは大理石が不足したとか。
大理石の量は凄いんだけどね。いや・・・デザインが全部同じだし、装飾が細かくなく面白くない。
1時間みっちりガイドだった。歩き回ったけど見学したのはこの建物の5%部分。
高価な材料でとにかくデカイ建物造れって指示だったんだろうな。
装飾やデザインが美しいイラン建築などに比べると全く面白くなく、建築物というよりチャウシェスクの愚かさを見たという印象。ツアーの狙いもそうなのか。この建設のために当時、国民の生活は圧迫されたそうだ。
7割建設した途中でチャウシェスクが処刑され、どうするか議論が起こったらしいが、解体するより完成させる方が工事費が安くすむ試算から完成させた。
現在は国会議事堂として使用され、国際会議やイベントも開催される。一部の部屋は会議室やコンサートホールとして使用されているが、それでも全部は使い切れず、その広さゆえ維持費が膨大過ぎて税金を圧迫しているという。全く負の遺産だ。夏や冬の冷暖房費とかもどうなっているのだろう。維持費まで試算したら解体した方が良かったのかも。
クレツレスク教会
その後、ノルマのように見飽きた教会群観光。
Caru’ cu Bere
インスタで紹介されていた創業150年のグランカフェへ。
メニューの金額が高いので一番安いビールとサラダを頼むが、サラダは葉っぱしか入っていなかった。そしてこれまで取られたことのないチップを取られる。場所代ってとこか。
モロッコで会った親子と再会
インスタ繋がりでモロッコのシャウエンで会った親子が今ブカレストにいるらしい。飲みに誘ってみると即返事でOKだった。お子さんがいるのでどうかと思ったがノリがいい。
一度宿に戻ってシャワーを浴びてから待ち合わせ場所のブカレスト中心地へ向かう。
前回はお子さんが退屈そうだったので気にしていたのだが、今回はiPadを持たせたとのことで退屈しなさそうなのでほっとした。
Amさんはノリが良く、私に興味を持って色々質問してくれる。そして感想や自分の考えも返してくれるので会話が楽しい。見た目やんちゃそうなのだが、振舞いから育ちは良さそうだし、美容やおしゃれに興味があるところも気が合った。
こっちの話も全部自分の話に持っていって一方的に自分のことばかり話す人、自分のことは全く話さない人、こちらの会話に一切共感してくれない人。まあこれらの人はしんどい。
子供がいる人とは話が合わないとずっと思っていた自分も視野が狭かった。旅をしているとまだまだ新しい発見がある。そして途中から彼女のお子さんと遊びだしたのだが、これもめちゃくちゃ楽しくて可愛くて愛おしかった。また会いたいな。
この日は盛り上がり過ぎて2人でワイン2本を空け、フラフラになりながら歩いてホステルまで帰る。
次の日。
またリュウから「SPAに一緒に行かないか?」と誘いがあったが断った。マッサージも併設しているプールがあるらしい。だけど今日もチャウシェスク邸を予約している、ごめん。
歩いて地下鉄の駅へ。宿の目の前からトラムが出ているが、10分歩いてでも地下鉄に行った方が速い。
トラムは無賃乗車可能だけど(検察庁来たら罰金)、地下鉄は改札あるのでクレカタッチで乗る。
チャウシェスク邸(Palatul Primăverii)
ここもガイドツアーのみ。前日にHPから英語ツアーを予約しておいた。
外観。チャウシェスク夫妻が住んでいた私邸で、非常に豪華な内装が施されているらしい。住宅デザインの仕事をしていたので昨日の館よりかなり興味がある。
高級絨毯が敷き詰められているそうで、中はこの靴カバーをつけて入る。
チャウシェスク夫妻。処刑された人の自邸を博物館にするなんて・・・と、この写真を見ると切なくなるが、よくよく考えたらベルサイユ宮殿もそうだ。
国民の貧困さに目を向けず、贅沢三昧をしていると罰せられるって、この夫婦はフランス革命から学ばなかったのだろうか。
中は撮影禁止。GoogleMapに写真をアップしている人がいるので数年前まではOKだったのだろう。
以降、ツアーが終わった後の庭と出口までの通路の写真。
邸宅は、豪華な家具や美術品で飾られ、プライベートプールやサウナ、映画館、インナーガーデンまである。
プールはジムにある位大きくて深い。水の無駄使い・・・周囲は綺麗なモザイクタイルで装飾されいくらお金かかったんだろうって感じ。
内装は昭和の少し古臭いクラッシックデザイン。いくつものリビングルーム、個室全てにシャワールームとトイレ。エレナ・チャウシェスクが使用していた豪華なドレッシングルームには彼女の服や靴、バッグもそのまま展示されていた。彼女自身も強い権力を持っていた証拠だ。
1時間のガイドが終わり庭で解散。とにかく今では手に入らないような高級木材やタイルが、家にも家具にもふんだんに使われていて見ごたえがあった。絨毯も相当大きくて高級そうだった。
ツアー客は30人位いて大人気。見て回るには多くて窮屈だった。ガイドはかなりゆっくりの英語で話してくれたので理解出来た。隠し撮りしている人も何人かいたので私も撮りたかったな。
出口までの通路に貼ってある写真。各国の首相とよく写っている。
チャウシェスク夫妻はこの邸宅で多くの政治家や外国の賓客を迎え入れ、自分たちの権威を誇示していたらしい。しかしその一方で、邸宅の外では多くの市民が貧困に苦しんでいたという現実を思うと滑稽でならない。
人は権力を持つとここまで周りが見えないものか。欲望には終わりがないのか。など考えさせられる。
軍事裁判にかけられ判決が出てから、わずか10分で刑が執行されたということは、国民の怒りは相当凄まじいものがあったのだろう。その原因の贅沢三昧の象徴がこの邸宅と昨日の国民の館だ。
帰りはバーガーキングで食事してからまた地下鉄で宿へ戻る。
本当は今日ブカレストから北の街のブラショフへ移動する予定だったが、安宿が埋まっていて、ブカレストの倍の金額になっていたのでもう1泊することにした。
もう少し安い宿へ移った。中心地から外れているがこっちの方が静かでいい。昨日のところは朝食付きのせいか人気で人が多過ぎで落ち着かなかった。
色々発見があったブカレスト、来て良かった。
明日こそドラキュラ伯爵の城から近いブラショフへ移動する。
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