スリランカ

ど田舎のシギリヤで癒される。貧乏人はピドゥランガラロックからシギリアロックを臨む(Day466-7)

スリランカ
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1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ4日目

シギリアに到着し、シギリアロックを眺めながら予約している宿へ向かう。
宿はここの近くを予約している。

Kalana Homestay(ホステル)

シギリヤにはドミトリーもあったが、個室のこっちの方が中心地に近くて安い。ダブルルームで5$(743円)。

訪問すると、おばあちゃんが愛想のいい笑顔で迎えてくれた。英語は通じないがウェルカムドリンクを用意してくれて歓迎してくれる。テラスのソファーには、なぜか虎のぬいぐるみもいて癒された。

めちゃくちゃ清潔な部屋に専用のシャワールームとトイレ。綺麗すぎて感激した。
Wi-Fiの遅さは使い物にならないが、シギリアではどこもこんなものだと言う。
そして停電が2回起こり、扇風機が回らなくなって暑いので出掛けることにした。この停電する感じもラオスの田舎町を思い出していい。

宿にいた娘さんは、少し英語が喋れたので周囲の観光について教えてもらう。
「アーユルヴェーダをやってみたいんだけど。」と言うと、宿の目の前のお店を紹介してくれた。
最近オープンしたようでGoogleMapには載っていない。
今すぐ入れると言うのだが、支払いが現金しか駄目とのことで、現金を下ろしにATMへ。

宿の目の前にATMがあったのだが、停電があったせいか画面が変になっている。銀行に併設していないATMにクレジットカードを入れて飲み込まれても嫌なので、かなり離れたATMまで歩いて行ってみることにする。ずっとこんな田舎道。

もうひとつのATMもこんな辺鄙な場所にあり、やはり銀行と併設していなくてクレカが飲み込まれたら困るので、下ろすのは止めておいた。

夜になった。道が真っ暗すぎて宿の周囲しか歩けない。夜は野生の像に襲われるので、歩くと危険らしい。
宿の周囲のレストランに、クレカが使えないが何軒も聞いて周ったが、見事にどこも現金しか無理だった。シギリアがこんなド田舎とは思わなかった。都会でもっと現金を下ろしてくるべきだった。

宿の目の前のATMで、他の誰かがちゃんと現金を下ろせていたら自分も下ろそうと少し離れて観察していたら、ツアー帰りのカップルがやって来た。男性の方がクレジットカードを入れたら、なんと飲み込まれて出て来なくなった。

「オーマイガー!オーマイガー!お前もここでお金を下ろしたか?!」

慌てまくる男性が駆け寄って来て聞かれたが
「いや・・・下ろしてない。ごめん。」と答えてその場を去る。
・・・・『今日、停電があってATMの画面がおかしいから気を付けろ。』と言ってあげたら良かったかな。見学していて実験台にしちゃって、ごめん・・・

あの男性は、明日の朝までクレカは取り出せないだろうな。
少し罪悪感を感じながら、近所の混んでいるレストランへ入る。

ビール一杯分の現金しか持っていないので、ビールだけ頼む。
お店の人に「食事はいらないのか。」と聞かれたので「ATMが壊れていて現金を持っていないんだ。」と言うと、親切に「ツケにしといてあげるから頼めよ。」と言ってくれた。
気持ちだけありがたく頂き、ビールでお腹を膨らませた。

最近、鏡を見ると、首やあばらの骨がすごく浮き出ている。食事を抜きまくっていて、一体この旅でどの位痩せたのだろうか。(帰国してから測ると10Kg減っていた。)


次の日。

朝、部屋の窓から隣の敷地を覗くと、なんと象がいた。
シギリアは象に乗る観光で収益を得ているようだ。

近くの川でも象に水浴びをさせていた。だが、水の深さが全然足りなくて、無理やり寝ろと足を叩いて横たわらせている。象は明らかに嫌がっていた。ちょっと、いや、かなりかわいそう。

宿の目の前のATMに行くと、画面はちゃんと直っていて現金を下ろせた。近所のレストランに朝食を食べに行く。
それにしても、ダンブッラでもそうだったが、外で座っていると目に向かって小さな虫がひっきりなしに近づいてくるので不快極まりない。
ネットで調べたら「メマトイ(目纏い)」と言うハエらしく、涙に含まれるタンパク質やミネラルを舐めようと寄ってくるらしい。どれだけ手で追いやっても目に向かってやって来るので、サングラスをかけることにした。少しマシになった。

ダンブッラで食べて気に入ったコッティを頼む。このコッティは、中に入っているクレープ生地をみじん切り部分がかなり多く、口の中の水分を全部持っていかれた。

River Retreat Sigiriya(ホステル)

宿がとても綺麗だったので延長したかったが、予約でいっぱいだった。
娘さんに「私の姉もホテルやってるんだけど、そこどう?」と言われたが「Wi-Fiが遅いからいいや。」と断り、Booking.comでクチコミの良かった宿へ行く。
GoogleMapの場所と少しずれていて、探しまくって辿り着いた先は宿泊していたホテルの裏(南)だった。

しかもここが、さっき娘さんが言っていたお姉さんのホテル。1,900ルピー(950円)。
12時。ネットで予約せず直接訪問したので、お姉さんのマドゥは驚いていたが、歓迎してくれた。
「ごめん部屋はまだ用意出来てないの。前の客がドアを開けっ放しでチェックアウトしたから、猿が三匹入ってきてめちゃくちゃ汚していったの!14時に部屋が用意できるけどいい?」と言われた。

確かに部屋の中をのぞくと、本当にどこもかしこも、バスルームの中まで泥だらけでめちゃくちゃ汚い。

お姉さんの方はかなり英語が正確で流暢だった。地図を出して周囲の観光や美味しいレストランなど教えてくれる。

「今からシギリアロックの横のピドゥランガラロックに行くから、すぐにチェックインできなくても大丈夫。」
そう告げて、荷物を置いて観光へ出掛ける。

ピドゥランガラロックへ

【シギリアロックとは】
5世紀にカッサパ1世が建てた古代の王宮跡。200メートル以上の高さを持つ巨大な岩山の上に建てられており、その頂上にはかつて王の宮殿があった。世界遺産。
岩山に登るための入り口は、巨大ライオンの口を通り、中腹の岩には美しいフレスコ画が描かれている。
カッサパ1世は、王位を巡る争いの結果、父王のダーットゥセーナ王を殺害して王位を奪取、兄弟であるモガッランの復讐を恐れ、シギリヤの岩山に要塞を築いた。

シギリアに着いた時はもちろん、シギリアロックに登るつもりだったのだが、なんと入場料が35$。5千円以上もする。
Googleマップの口コミを見ていると、どうやら貧乏人はシギリアロックの北にあるピドゥランガラロックという岩に登り、そこからのシギリアロックの眺めを楽しむらしい。

ピドゥランガラロックの入場料は1,000ルピー(500円)。
もちろん私はピドゥランガラロックの方へ行く。
この暑い中、徒歩で行く人はいないのか無人状態。

行き方はマドゥに教えてもらっている。シギリアロックを横目に見ながら西に大回りする。徒歩だと30分はかかる。
遠目に見たシギリアロック。登る階段が、大勢のインド人観光客でぎゅうぎゅうに埋め尽くされているのが見えた。うーん・・・やはり行かなくて良かったかも・・・

も入口に到着。宿からは45分も歩いているので結構遠かった。ここで入場料を払う。

入口はお寺になっているようだ。象の壁がかわいい。

早速登り始めたのだが、なんだこれ。かなり急でハードな道。

道・・・なのか?岩・・・なのか?

ずっとこんな感じの急な階段が続く。体力的に頂上まで行けるか不安になってきた。
運動靴、ペットボトルの水持参で懸命だった。足腰の弱い人には無理だろう。

日本にいる時は車でばかり移動していたので、自分には体力がないと思い込んでいた。しかし一緒に旅をしている人たちにはいつも「健脚」と言われる。知らない自分の一面を知ることが出来るのも、旅の醍醐味だ。

30分歩いてやっとひらけた場所に出てきた。

仏陀が寝ている。金箔が途中でなくなったのだろうか。

幸せそうな寝顔だが・・・やはり何故か笑ってしまう。なんでなんだろう笑
日本の仏像のように、薄目を開けている崇高な感じがなく、隣のおっちゃんが縁側で昼寝しているという雰囲気なのである。そこもまたスリランカの醍醐味なのか。

ここ以降の道もえぐい。
ここは本当に観光地なんだろうか。いや、金額的に現地人の聖地なのだろう。他に人も見かけないし不安になる。

ラストの道。
これは道というか、岩と棒を使って登らないと上には行けない。
困っていると、地上にいた女性が声をかけてくれ、上から私を引っ張り上げてくれた。これ、一人だと登れるのだろうか。

頂上に到着。遥か向こうにシギリアロックが見える。
道中は全く人に会わなかったのに、頂上はインド人観光客家族らが数十人いた。西洋人もちらほらいる。

美しいスリランカの大自然が、360度のパノラマビューで見れる。
世界一周の最後の地がここスリランカだ。こんな絶景を見れて幸せだと思った。

しばらく佇んでいると、他の観光客らはいなくなり、絶景を独り占めにすることが出来た。
どうやって登ってきたのか、ノラ犬も数匹いる。

ピドゥランガラロック側の岩とシギリアロック。とても神聖な景観。
風が気持ちいい。

絶景を独り占めで大満足。
麓に降りて、喉がカラカラだったので売店でコーラを購入。250ルピー(120円)。
宿までトゥクトゥクで戻りたかったが、商売気が全くなく向こうから声をかけてこないので、なんとなく片道40分を歩いて戻る。

宿に着いたが、マドゥに「急にガイドを連れてカップルが2名来ることになったから、そっちの部屋を掃除しないといけないの。ごめん、もう2時間待って。」と言われた。
いや・・・私の方が先に予約したんだけど・・・😇

後から来たカップルは西洋人だった。こういう時、アジア人ひとりの私はなめられてるんだろうな。
仕方なくシャワーだけ使わせてもらい、昨日妹の方に教えてもらったマッサージ屋にアーユルヴェーダをしに行く。山を登って体がガタガタ笑

アーユルヴェーダは初めてで、70分で1万ルピー(5,000円)という高い金額にも期待していたのだが、ただの普通のオイルマッサージだった。まあかなり気持ち良かったのでいいけれども。

18時半。マッサージから戻って来たら、やっと部屋にチェックインできた。
めちゃくちゃ綺麗になっていた。これがあの猿の足跡でベタベタだった部屋なのか。Wi-Fiも昨日の宿より速い。
お姉さんのマドゥは独身で子供もいないようなので、1人で切り盛りするのは大変だろうな。
「何時間も待たせてごめんね。」と言うマドゥに「全然OK!」と返事をして夜ご飯を食べに出掛ける。

昨日と違い、現金があるので近所のレストランへ行き「デビルシュリンプ」というものを頼んでみる。
出てきて気付いたが、「デビル」が付くとケチャップ炒めになるらしい。醤油を持ってきたら良かった。バナナジュースと合わせて1,500円。

隣の席の酔っ払い西洋人男性らに、一緒に座らないかと声を掛けられたが、断って宿に戻る。

夕方にしかチェックイン出来なかったので、せっかくの綺麗な部屋だが、ここで過ごす時間は短い。

またシャワーを浴びようとしたら、なんと先客がいた。
ゲコゲコ喉を鳴らしながら、切ない目でこっちを見てくる。

本当にスリランカは、自然豊かで癒される。
しかしシギリアは本当に何もない小さな村。これ以上行くところもないので、明日は聖地キャンディーへ移動する。

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