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ラスト・サウジアラビア。さらっとリヤドを観光して、いよいよ帰国(2025.1.2-3)

サウジアラビア6日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

サウジアラビアの栓抜きビルへ、Uberで向かう!

キングタム・タワー

Olaya Mallというショッピングモールと並列。
高級感漂うショッピングモールに入ってみる。

キングダムタワーの77Fには、世界一高所にあるモスクとしてギネスに登録されているモスクがある。
そして栓抜きの水平部分、99階には展望台があるらしのだが・・・
受付の人に聞いたら夕方からしかオープンしてないらしい。今は開いていなくて入れなかった。

ホテルのような空間を堪能。皆でトイレにも行ってみる。手を拭くのが紙でもエアでもなく、タオルが折りたたまれて置いてあった。なんという高級感。本当にホテルもあるようだ。

カフェでくつろぐ人々。チラッと値段をみたらとても入れる金額ではなかったので退散。

エレベーターホールを抜けて出口へ。

出る時に無料でコーヒーをいただいた。へんなフルーツの味がして全然美味しくなかったのだが・・・これがサウジコーヒーなのだろうか。昨日、お土産に買っちゃったよ(泣)

Murabba Historical Palace(ムラッバ歴史宮殿)

その後、昨日から一緒だった楽しいMihoさんとはお別れ。彼女が昨日訪れ、「無料でおすすめ」だという最後の観光地へ向かう。飛行機までの時間がないのでUberを呼んだが、乗っている間ずっと「そこに行くなら地下鉄でたった4SAR(=約163円)で行けるのに、なぜ地下鉄で行かない?」と運転手に揶揄された。
(帰りに判明したが、2025年の元旦、工事が遅れていてここの2駅手前までしかまだ地下鉄の駅は開通しておらず、結果Uberで行って正解だった。)

そんなこんなで、空港へ行く時間を気にしつつ、ささっと無料の館内を見て周る。

1936年、サウジアラビア初代国王 アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードが建設した最初の宮殿らしい。

なぜ部屋の真ん中に柱が・・・??建築士ならば、通常端に持っていくように設計するのだが・・・

どの部屋にも柱が真ん中にある。椅子ではなくこの床に座るスタイルは中東ならではの雰囲気が漂っていていい。

王族の居住地や国家の公式行事の場としても使用されていたらしく、部屋数は凄い。

こんな建築様式好きだなーと、なんとなくウズベキスタンで見た建物群を思い出しながら、ずんずん進む。

渡り廊下を渡って隣の建物に入ったら、無料の博物館だった。

お札や宝石など、様々なものが展示されていたが、ゆっくり眺めている暇はない。空港へ行く時間が気になる。空港には離陸2時間位前に着きたい私と、4時間以上前に着きたいMlさんとで若干揉める笑
別行動にしようと遠回しに言ったが伝わらず。遠回し過ぎたか。
友人でない人との旅行というのはやはり難しい。

駆け足で宮殿を駆け抜け、道路が渋滞していたので地下鉄で空港まで向かおうとしたら、なんと最寄りの地下鉄駅はまだ工事中だった。

リヤド空港までの道のり

なんとかアプリで路線バスで地下鉄が開通している駅まで行き、そこから地下鉄で空港まで向かう。
座席に座っていたら、向かいに座った女性が珍しそうに私の顔を眺め、隣の友人に何かアラビア語で言いながらスマホで私のことを動画で隠し撮りしてくる。

その女性の隣に座っていたMlさんにも「めちゃめちゃ動画撮られていましたよ。」と言われた。
ここ3年でムスリム以外の観光客を受け入れるようになった現地の人にとって、髪の毛を出している女性はよっぽど珍しいのだろう。

こここそが、イスラム教発祥の地。女性の服装は目しか出していない。私からしたら全員黒服で目しか出していないあなたたちの方が珍しいんだけど・・・笑

そんなことを思いながら、地下鉄からのサウジアラビアの景色を感慨深く眺める。ドバイ同様、地下じゃないけど地下鉄。

空港が近づいてきた。やはりこれもモスクなんだろう。
サウジアラビア到着日に、ダンマームの空港から外に出た景色もこんな感じだった。

リヤド空港から上海へ

今回は無事2時間以上前に空港に到着。余裕でチェックインして上海行きの飛行機に乗り込む。
綺麗な空港なのに、大型ジェットに乗り込む前の待合場所の椅子が全然足りていなくてびっくりした。
私もMlさんも上海までは同じ飛行機。通路に溢れ返った中国人たちに紛れ、飛行機に乗り込める時間を立ったまま待つ。

・・・空港の設計ミスだよね・・・しんど。

18時半の中国東方航空に無事乗り込む。帰りの大阪までの便は上海乗り換え3時間で6.5万だった。

9時間半乗っていたので、機内食2回。
よほど疲れていたのか、2回目の機内食には全く気付かず、飛行機を降りる直前にCAさんがくれた。

上海空港から帰国

翌朝の9時。上海に到着。Mlさんは日本の別の場所に帰るので、ここでお別れした。

空港を出て、ちらっと外の景色を見てみる。なんか昭和っぽい雰囲気のビル。

そうか。いつのまにか新年なんだな。2025年。2年ぶりに就職してしまったが、今年もまだまだ旅を続けていけるだろうか。

感傷に浸る暇もなく、ラウンジで慌ててシャワーを浴びる。今回のトランジットは3時間しかないのだ。
そしてサウジアラビアではお酒が禁止されていたため、10日ぶりのビール!
味なんかどうでもいい。アルコールさえ入っていれば。そしてニララーメンは美味しい。

12時40分。
上海から関空行きの飛行機に乗り込む。
2週間前からのドバイとサウジアラビアでの観光がしみじみと思い出されてくる。

さようなら、サウジアラビア。

今回の旅も実りあるものだった。
楽しかったし、こんな年上の人と一緒に旅してくれたMlさんにも感謝だ。

しかし、毎日その日の気分で動いていた、終わりが決められていなかった世界一周の時の旅と比べると、予め予定がガッツリ決められた旅行は何かどこか物足りなかった。

またいつかあんな刺激的な旅が出来ることがあるのだろうか。

いつまで、どこまで旅をすれば満たされる時が来るのだろう。旅に終わりはないのだろうか。

そんなことを考えながら、今回の旅の終わりの飛行機に乗り込んだ。

サウジアラビア旅行記・完

サウジアラビアの首都リヤド到着。リヤドの地下鉄の乗り方。またも日本人(2025.1.1-2)

サウジアラビア5日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

出来たばかりのメトロ・リヤド

飛行機であっという間にメディナからリヤドに着いた。
ずっとサウジアラビアの情報をもらっていたKimさんからは「地下鉄はできるできる詐欺でずっと完成してないから移動はUberしかないよ。」と聞いていたのだが、なんと2024年12月からちょっとずつ開通していっているようだ。

総延長176kmの中東最大の都市鉄道ネットワークらしい。news.railway-pressnet.com

路線図はこちら

メトロ・リヤドのチケットの買い方

リヤド・メトロは、現金の切符販売はなく、すべて電子決済のみ対応している。事前に「Darbアプリ」スマートフォンにダウンロードし、クレジットカードを登録するか、駅にある自動券売機でICカードを購入し、チャージする必要がある。

ICカード購入は、カード発行代が10SARがかかり、払い戻しはできないのでアプリ一択。

Darbアプリ(アプリダウンロード:iPhoneはこちらAndroidはこちら)で購入する場合は2時間乗り放題/4SAR(=約163円)。
手数料はかからない。改札にQRコードをタッチして乗車が可能。

眠さと疲労で直ぐにでも宿へ向かいたいが、私もMlさんも大晦日からずっと移動しているのでスマホの充電が切れてしまっている。アプリのダウンロードすら出来ない。
開通したばかりで認知度が低いのか、客がほとんどいないのを幸いに、改札前の通路のコンセントを拝借して二人して数十分間、スマホを充電した。

やっと充電が20%位になったところでアプリをダウンロードしてQRコードをかざして乗り込む。ザハ建築みたいでかっこいい。お金持ってるよなぁ・・・これが160円で2時間乗り放題で乗れるなんて、首都リヤドでは地下鉄一択だろう。

やはり乗車はイスラム教形式。「First Class」「Family Class」「Single」で乗車車両が分かれているのだが、うちら家族連れちゃうしーと思ってずっと「Single」に乗っていたら男性しかいない。

途中で駅員に「女性は『Family Class』に乗れよ。」と注意された。「Single」は男性車両の意味らしい。

車窓からの景色。飛行機で見た宝石箱の世界だ。土地が広いから高層ビルを建てる必要がないのだろう。

地下鉄に30分位乗って、予約しているホステルの最寄りの駅で降りる。

Sands Inn Hostel

駅から10分歩いて到着。この時点で22時半。一応宿には予約したBooking.comから「到着22時過ぎるけど大丈夫?」って送っておいたんだけど。ドアが開かない。入口にはオーナーのWhatsUp番号が書いてあるが・・・

スマホの充電がほとんどないので電話はせずドアをガチャガチャやっていたら、ホステル内の奥にいたオーナーが気付いてドアを開けてくれた。助かった。しかも凄いハイテンションだ。これまでの厳格なサウジアラビア人たちと全然違う。

ダンマームやアルウラにはドミトリーがなかったが、ここリヤドでは観光化が進み出しているのか、ここはリヤドで初めて出来たドミトリーらしい。1泊78リヤル(3,150円)でこんなゆったりした綺麗な所に泊まれるなんてラッキーだ。

彼が地下の温水プールを案内してくれる。→深夜バス移動から24時間近く経過しています。眠いんで誰が今から泳ぐんですか。

屋上のテラスも案内してくれる。→本当に眠いです。だれが1月にこんな寒いところでくつろぐんですか。

もう寝たいと思ったが、女性専用ドミトリーに案内されたら、なんと日本人女性が1人いた。
30代前半の彼女がなぜ正月にひとりでサウジアラビア?!
Mihoさんはとても柔らくて個性的な雰囲気の人だった。中国語や簡単なアラビア語も操る彼女に途端に興味がわき、3人で近所のショッピングモールに夜ご飯を食べに行くことにした。

夜のリヤドの街を歩く。治安は全然大丈夫そう。眠いが、明日はもう帰国日だ。ここで睡眠を削らないと彼女の話が聞けなくなってしまう。

2階建てショッピングモールにあるフードコート。メディナで探しまくったAl Baikがある。

別の愛想のいいおっちゃんの店でチーズシャワルマを頼んだ。8.5リヤル(350円)。
安いし、美味しい。リヤドにもう1泊すれば良かった。

この日は3人で、Mihoさんのこれまでの旅の話や言語の話、恋愛の話を聞いておおいに盛り上がった。ドミトリー同室の中国人の人に遠慮しながらも、夜中まで話し込んでしまった。地べたに胡坐をかき、ごろんごろんと転がりながら話すMihoさんはかわいかった。

やっと食べるサウジの伝統料理

昨日は疲労が凄くて、1度も目が覚めることがなくぐっすり眠れた。サウジアラビアではお酒が飲めないせいもあるだろう。

チェックアウトし、せっかく3人もいるのだからMihoさんも入れてサウジの伝統料理を食べに行こうかという話になった。サウジではひとりで食事する文化がないのか、量が凄く多いらしいので私は頼んだことがなかったのだ。
Mihoさんが手際よくお店を見つけてUberを呼んでくれる。

Bu Kays

到着したお店はここ。通りがかっただけならお店と分からない。サウジアラビアの建物はこんなのが多い。

中はおしゃれカフェ風になっている。Mihoさんが鳥料理を「2皿」と頼もうとするが、「ちょっと待って!」」と店員に量を聞いて「一皿」だけ頼むことにした。

メニューにある「鶏料理一皿」をお皿を2つに分けて出してもらった。時間は結構かかっていたがパサパサしたお米にほくほくのチキン、口直しの野菜やタマネギが美味しい。
これとナスのスープを頼んでひとりたったの850円だった。

一皿しか頼まなくて良かった。これでも3人だとだいぶ残してしまった。
今朝、Mihoさんは宿で若い日本人男性をひとり見かけたらしい。男性とは部屋が別なのでその後見当たらなかったが、是非誘いたかった。これは5人位で丁度いい量かな。

私はこの日もう帰国便を取ってしまっているのでホステルをチェックアウトしているが、もう1泊しているMihoさんは、宿に戻ったら日本人が全部で6人もいたらしい。
会社に出勤する日までもう1日あったのに・・・あぁ、本当にリヤドにはもう1泊すればよかった。私は旅人の話を聞くのが好きなのだ。

夕方の飛行機なのにリヤドの観光が全然出来ていない。食べ終わると直ぐに、またUberで有名な栓抜きの形をしたビルに向かった。

Hop-On Hop-Offバスでサウジアラビアの聖地、メディナ観光(2025.1.1)

サウジアラビア5日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

アルウラから深夜バスで到着した寝不足のまま4人で観光。

Hop-On Hop-Off Al Madinah

Hop-On Hop-Off Al Madinahは1人80リアル(3,400円)。HPトリップアドバイザーのサイトなどから予約できる。

全部で10か所停車。南アフリカのヨハネスブルグの時同様、24時間乗り降り自由。
30分おきに走っていて、どこからでも乗れる。

座席に座れるスタート地点は預言者のモスク横のようだ。
ここにはバスのチケット売り場もあったので、購入してレシートのQRコードを運転手に見せて乗り込む。

南アフリカではバスのオープンな2階席で街の雰囲気を楽しんだが、バスが動くと寒いので、直ぐ中に移動した。壁にあるオーディオにイヤホンを差してガイドも聞けるが、ヨハネスブルグでは日本語があったが、さすがにこのイスラムの国では日本語のガイドはなかった。

預言者のモスクを出てぐるりと街中を周る。ちょっと渋滞している。

Masjid Sayyid al-Shuhada(マスジッド・サイイド・アッ=シュハダー)

郊外に出て、一つ目のモスクで降りる。全員降りた。有名なモスクのようだ。

莫大な数の観光バスが停車していた。ウフドの戦い(625年)で殉教した人々を記念するモスク。

これがムハンマドが聖戦に加わったとされるウフド山。岩だらけで風がきつい。

ここは特預言者ムハンマドの叔父であるハムザ・イブン・アブドゥルムッタリブ(Hamza ibn Abdul-Muttalib)の墓もあり、殉教した人らを祀っている墓らしい。
トラトラタイガースチームがいると思ったらマレーシアからの団体客。

こっちはウズベキスタン団体客。イスラム教の国の人たちににとっては祈りをささげる場所なんだろう。

Al-Noor Mall(ショッピングモール)

またバスに乗り込んで次のバス停で降りる。

ショッピングモールがある。

やはりドバイモールのような華やかさはない。大型スーパー以外は閑散としていた。
ここでお土産のアラビアコーヒーなど購入。

メディナの原宿?

ご夫婦のご主人の方が、「ネットで調べたら、ここが原宿のような若者の街らしいんだよね。」という地点で降りてみる。ゴーストタウンのような雰囲気だが・・・

本屋があったので入ってみた。人は全然いない笑

なんと。はだしのゲンがアラビア語に翻訳されて置いてあった。小学生の時、クラスに必ず置いてあった漫画。これを世界中の人らが読んだら、戦争なんてなくなると思うんだけどな。

アジア人が珍しいのか、本屋のお客さんの男の子の集団や、英語が堪能なこの歌手をやっているという女性に声をかけられ交流を楽しんだ。大学でも教えているというこの女性は、私たちの名前と年齢を一発で覚えてかなり頭がいい。英語も早口で完璧だ。まあしかし、サウジの女性ってくつはスニーカーでラフでも服装はやはり真っ黒で目しか開いていないんだなと思う。窮屈に思わないのだろうか。イランでは若い女性らは反発して警察が来た時しか被ってなかったりしたんだけど。

クバー・モスク

またバスに乗り込む。ご主人の方は「俺ひとりだったら全部のバス停に降りるけど、皆に合わせるよ。」と言ってくれ、もう睡眠不足で体力の限界が近づいていて、他のバス停は降りずにバスから眺めるだけにする。

イスラム最古のモスクのひとつ。預言者ムハンマドがメディナに移住(ヒジュラ)した際に最初に築いたとされる場所。ムハンマドが自らの手で建設に関わったとされる聖なるモスク。

まあ、バスから降りたところで私たちは中に入れないので降りるほどではないだろう。

バスはまた街中に戻ってきた。

最初に乗った預言者のモスク近くに戻ってきた。早朝よりかなり混んでいて人だらけ。
ここから荷物を預けているホテルまで20分歩くので、このままバスに乗ってホテルの近くのバス停で降りようと計画したのだが、このスタート地点のバス停でかなり長いこと停車されてしまった。全然発車する気配がない。

30分は停車していただろうか。やっと動き出したかと思ったら、渋滞。

16時。ご夫婦らのホテルに着いて荷物をピックアップし、慌てて空港まで行くUberを呼ぶ。

私はいつも空港には国内線は1時間半前、国際線は2時間半前位に空港に到着するようにしていて、ギリギリだが1度も乗り遅れたことがない。だが、一緒に旅をしているMlさんはアルウラ行きの飛行機に乗り遅れたのがトラウマなのか?かなりイライラしていた。

市内からメディナ空港へ

Uberは呼んでも渋滞しているようで全然近づいてこなかった。しかも運転手が待ち合わせ場所を間違え、かなりのロス。さっさとキャンセルして他のドライバーにした方が良かったかもしれないが、この国ではUberが直ぐに捕まる保証がないので仕方ない。

なんとか出発1時間前ギリギリにメディナ空港に到着してカウンターでチェックイン出来た。
預け荷物がない場合は出発ギリギリにでも大丈夫なのだろうが、Flynus航空がネットで事前チェックイン出来ないので1時間前には航空会社のカウンターに行かないといけない。

無事チェックイン出来たので、安心してラウンジで食事をする。このカレーのようなものはかなり美味しかった。

18時半。首都のリヤド行きの飛行機に乗り込む。1時間半のフライトだから今回も寝れそうにない。
Uberで使い果たして、携帯の充電もバッテリーの充電ももう残っていなかった。
この深夜バス→1泊もしないで飛行機移動って計画はちょっと無理があったな・・・
確かにモスクに入れない私たちにとって、メディナに何もないと言われれば何もないが、預言者のモスクは夜景も綺麗らしいし、あそこに宿泊しても良かったかも知れない。

眠さが限界のぼーっとした頭で飛行機の外を見たらリヤドの街が見えてきた。
凄い・・・未来都市ではないか。サウジアラビアはこんなにも広範囲に都会なのか。

東京のような超高層ビルがなく、間隔が広く低層ビルが並ぶ様は、まるで宝石箱をひっくり返したかのようだった。

初めて降り立つサウジアラビアの首都に心が躍った。

深夜バスでアルウラからメディナへ移動。イスラム教第二の聖地、預言者のモスクへ(2025.1.1)

サウジアラビア5日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

深夜バスでアルウラからメディナへ

深夜バスでアルウラから聖地メディナを目指す。満席だったので2席使って横になったりはできなかった。

途中、全くトイレ休憩に寄ってくれなかったこのバスのシステムはどうなっているのだろう。行きはこんな感じのモスクでトイレに寄ってくれたんだけど。それでもこのイスラムの国では女子トイレは閉まっていたが。
バス内にもトイレはあるが、電気が壊れていて真っ暗だった。全然中が見えないが、明け方、トイレに行きたくなり、仕方なく手探りでそのトイレを使う。

暗闇の中、窓の外には砂漠が広がっているはずだったが、外灯もほぼなく何も見えない。この経路は昼移動の方が景色が楽しいかも。バスは深夜と昼間の1日2本ある。深夜は暖房がきいてなくて寒い。

メディナの長距離バスステーション

朝6時。メディナに到着。5時間の移動距離だったから、全然睡眠時間が足りない。

2度目のバスターミナル。トイレで歯磨きと洗顔を済ます。
日程の関係で、今夜、首都のリヤド行きの飛行機を取っている。
メディナには泊まらないから、スーツケースを預ける場所を探さないといけなかったが、バスターミナルに荷物預かり所はなかった。

昨夜から一緒だった素敵なご夫婦が、「私たちのホテルに一緒に預けたらいい」と言ってくれたので、ありがたく甘えることにする。

ご夫婦の旦那さんの方が、さらっとUberを呼んでくれる。やはり男性がいると頼りになっていい。
サウジアラビアのこれまでのUberCareemドライバーは、皆、英語が苦手なのか物静かだったが、ムスリムっぽくないラフな服装の今回のドライバーは、かなりのハイテンションでずっと歌いながら話し掛けてきた。

ご一緒しているご夫婦が予約しているホテル(1泊2.3万)。そう、世界各国からムスリムの人らが巡礼に訪れる聖地メディナはこんな格式ばったホテルばかり。今Booking.comを検索したら、1軒だけドミトリーが見つかったけど、正月はもちろん満室だった。

フロントの男性に「宿泊していないけど、ご夫婦と一緒に荷物を預けていい?」と聞いたら、快くOKしてくれた。さすが4つ星ホテル。だが、このホテルも他のサウジのホテルと同様、チェックインは16時からしか無理らしい。なのでこのままご夫婦らも荷物だけ預けて、私たちと一緒にお互い寝不足なまま、メディナを観光することにした。

メディナ街歩き

これまで非ムスリムの立ち入りが原則禁止されていた聖地メディナ。外国人観光客にも広く門戸が開けられたのはここ3年位のことなのだ。曲面の建物、かっこいい!

歩いているのはムスリムの人ばかりで、私たちみたいな仏教徒の観光客は皆無。

これもモスクなのだろうか。メディナでは大切にされている鳩だらけ。

ご夫婦とMlさんと4人で歩いていたが、奥さんの方が「お腹が空いたから、サウジにしかないファーストフードAL Baik(アルべイク)に行きたい。」と提案してくれた。

預言者のモスク

行く途中の道に「預言者のモスク」があるので横を見ながら通り過ぎる。
メディナといえば、まさにこの場所。白い大理石の柱が朝日に照らされて輝いている。広場に集まる人々が静かに歩いている。朝の空気は澄んでいて、厳かな雰囲気が漂っていた。

ムスリム以外は立ち入れない場所。それでも外観を眺めるだけで圧倒される。巨大な傘のような日よけが広場を覆っている。この場所を歩けること自体が貴重だ。

預言者のモスクに異教徒はどこまで近づけるのだろうか・・・
もっと中を覗きたかったが、奥さんが「ごめんね、私、食いしん坊なので先にファーストフードへ行きたい。」と可愛らしく言う。なので、先に食事へ向かうことにする。

AL Baik(アルべイク)

赤い看板が目印のサウジアラビアのファーストフード。少し前まで、男性用と女性用で入口が分かれていたらしい。サウジのファーストフード店の昔からのルールだ。

今は入口は分かれていないようだ。だが、今の時間はチキンのモーニングセットしかなく、ハンバーガーはやっていないらしい。奥さんの方がどうしてもハンバーガーが食べたいからと店を出る。

預言者のモスク再び

帰りも預言者のモスクを通り抜けする。団体の観光客らがだいぶ増えていた。団体で持ってる旗などに書かれた文字を読むとウズベキスタン、マレーシア、キルギス…世界中のムスリムがツアーで訪れているようだ。

西暦622年にムハンマドが聖地メッカからメディナに移住し、その隣に建てられたモスクがここらしい。

うーん。中を覗きたいなぁ。建物の中に入るのはムスリムの証明がいるので無理だろうけど。
ひとり旅と違って自分のしたいことが出来ないのがもどかしい。

モスク名物、カーペットで寝るおっさんら。そのカーペットに掃除機をあてている従業員の人もいる。
まあかなりモスク内を歩いて堪能は出来た。

メディナのショッピングモール

預言者のモスクの直ぐ北にショッピングモールがある。ここのアルベイクなら、ハンバーガーを置いているのではないかということでやって来た。

おっさん、誰ですか。

ショッピングモールの片隅に座って、アルベイクのハンバーガーを食べている現地の人を見かけたので、「どこでそれ頼んだの?」と聞いてみる。「3階だ。」と教えてくれた。

ここもさっきのお店同様、オーダーをする所とオーダー品を受け取る所が分かれている。オーダーを待つ椅子はあるが、店内で食べられる場所はない。

なのでハンバーガーを受け取ると、ショッピングモール内の柱の下の出っ張りに座って4人で朝食を食べた。かわいい鳥マークに絵柄がかわいいし、美味しい。
左のコロッケみたいなのはファラエルで、Mlさんが頼んだのだが、30分以上待たされていた。

メディナのHop-On Hop-Offバス

お腹も膨れ、さて、メディナをどう観光するか。

ご夫婦は、他の人のブログを参考に、メディナにあるHop-On Hop-Offバスに乗る予定らしい。

Hop-On Hop-Offバス!南アフリカのヨハネスブルグで堪能したあれか!
楽しかったので是非是非乗りたい。

メディナのモスク同士はどこも歩いては行けない位離れているし、何よりバスの2階から街を見渡せるのがいい。私たちもこのバスで飛行機の時間までメディナを観光することにした。

世界最大の鏡張り建築、マラヤ・コンサートホールと夜のオールドタウン(2024.12.31)

サウジアラビア4日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

へグラ遺跡からマラヤ・コンサートホールへ

サウジアラビアのアルウラ(AlUla)には、世界的に有名な「マラヤ・コンサートホール(Maraya Concert Hall)」がある。Maraya(マラヤ)はアラビア語で「鏡」を意味し、その名の通り全面が鏡張りの建物だ。インテリア・建築が大好きな私はここに絶対行きたかった。

へグラ遺跡の観光が終わると、GoogleMapを見ながらレンタカーを飛ばす。今朝、キャンプ場で出会ったばかりの社会科教師のYuさんが運転を代わってくれた。

マラヤ・コンサートホール

施設の入口に着くとゲートがあり、男性スタッフらに止められた。車の窓を開けて話す。

スタッフ「予約は?」
みきぷ「No〜!」
スタッフ「チケットは?」
みきぷ「Oh,No〜!」

どうやらここも事前予約していないと入れないようだ。
聞いてきた男性は、呆れ顔で他の人らと「どうする?」と相談している。

「…で、予約は?」「No〜!」「チケットは?」「No〜!」

またも同じ返事を繰り返す。若い女子2人いるし、愛嬌で何とか通してくれないだろうか…??

思いが伝わったのか・・・
「しょうがないなぁ…コンサートホールへ行く道路以外は道を外れるなよ?警備に撃たれるかもしれないから。」
そう言いながら無料でゲートを開けてくれた。お礼を言って通過させてもらう。

見事、「何も知らないアホの子」&「若い女子いますよー作戦」で中に入れた笑
本来ならここも有料のツアー予約がいるようだ。やはり全く事前調査してなさ過ぎて反省。
道を外れると怖い目に遭うということで、砂漠の1本道を真面目に進む。

ひたすら砂漠の中を走る。
全景が見えてきた。これは凄い!!息を呑む。パーキングに車を停めて降りる。

周囲の砂漠の景色を反射することで、まるで風景に溶け込むようなデザイン。
さすがギネス世界記録「世界最大の鏡張り建造物」(約9,740㎡の鏡面)

収容人数、500席以上のキャパシティ。イタリアの建築家がデザインしたらしい。
明日はコンサートがあるのか、スタッフらがあたふた用意している。
この継ぎ目のないデカイ絨毯も凄い。

中は準備中で入れないが、ミラーに顔をぴったりつけると中が見える。
素晴らしいデザインだな。こんなとこに普通にさらっと入ってみたい。
今回は予約もしないで無理矢理入った身なんだけど。

これ、すご過ぎない?
他の女子2名もテンション高いけど、ダントツ私がテンションが高い。
こんな素晴らしい砂漠に溶け込む建築が、サウジアラビアの首都から、遥か離れた砂漠に建っているなんて!

かなり大きな建物の周囲を一周。動画も撮りまくった。
就職してしまった私には、あとどれだけこんな建築物を見る機会が残されているのだろうか。

レンタカー返却

憧れの鏡張りコンサートを後にし、私の運転で1時間かけて町中のレンタカー屋へ戻る。
やはり町中に入ると渋滞していて、サウジ男性らは全然車線を譲ってくれたりなどしない。あおられまくり、クラクション鳴らされまくりのイラチ運転だ。くたばればいいのに。

午後は16時再オープンのはずのレンタカー屋は、相変わらず17時過ぎに戻っても誰もいなかった。やはり隣のバス会社に頼んで電話して従業員を呼んでもらう。
18時過ぎにまた同じインド系の男性二人が慌てふためきながら車で出勤してきた。
こいつら、仕事やる気あんのか??

借りた時間から24時間以上過ぎていたが、時間は全然気にしていないようだ。「1day」というのは(いい加減なサウジ人にとっては)次の日の何時に返してもいいということなのだろう。
元々半分位しか入ってなかったガソリンも入れないで返却。従業員男性は、車の中に忘れ物がないかだけチェックして「Good!」と指サインした。

無事、何事もなく車を返却できた。
レンタル1台6,000円。皆、借りてアルウラの自然を満喫して欲しいな。

夜のオールドタウン

その後、Uberでオールドタウンへ。昼間と違ってまたこれもいい雰囲気。

香水販売コーナー。

私とMlさんは昨日訪問済だが、今朝、キャンプ場で出会ったYuさんはオールドタウンは初めてだ。
色んなお店を覗いていた。

夜の要塞に登って、夜のアルウラのオールドタウンを見下ろしてみたかったが・・・
要塞は17時閉館らしい。警備員に止められて登れなかった。

こんなところで日本人に会うのも珍しいと思い、へグラ遺跡で出会った男性2名に「夜ご飯、皆で一緒にどうですか?」と誘っていた。
オールドタウンのレストランへ。サウジ料理が食べたかったが、席に座ってから聞いたら「レバノン料理」だと言う。しかも外で寒いのなんの。しかし他のレストランもほぼ全部外にしか席がないので仕方ない。

メニューの値段はどれも高かった。私は遺跡で出会った40代前半位の男性2名が、何に感化されて正月にサウジのこんな場所に二人で観光に来たのか、旅の話に興味があった。自分が行ったことがない国に行ったことがある旅のベテランなら、是非話をいっぱい聞きたいと思って他の女性2名にも了解を取ってから誘ったのだが・・・

若い女性2名は会話に全然乗り気ではない笑
男性陣は「また野郎だけでご飯食べるのかと思ってたから、ありがとう!楽しい!」とやたら感謝され、食事も奢ってくれたのだが。

食事も終わり、Yuさんはまたあのキャンプ場へ戻るからと、レストランを出て直ぐUberを呼ぶ。
Uberを待っている間だけでもかなり寒いのでもうここで全員解散した。
北と南のパーキングからしか車は呼べない気がしたが、ちゃんとこんな、ど真ん中でもUberはやってきたのだろうか。心配になるが大丈夫だと言うので行けたのだろう。

半室内のおしゃれコーヒーショップでMlさんと深夜まで時間を過ごす。
やはり(ダジャレを言う)おじさん2名は苦手だったようだ。
私もこれまで旅先で出会った若い男性らから、そんな目で見られているんだろうか・・・
まぁちょっとショックだが。こればかりは人の価値観なので仕方がない。

寒いし眠いし宿で寝たいところだが、節約のため、なんと本日は深夜バスでアルウラからメディナまで5時間の移動だ。夜中1時までに町の中心のバスターミナルに戻らなければ。

オールドタウンから町中まで無料のミニバスが巡回しているのを、男性らに聞いて初めて知った。
22時半、最終の無料巡回ミニバスに乗り込んでバスターミナルの近くまで戻る。
「最終バスなのでガソリンスタンドまでしか行かない。」と言われ、途中で降ろされたが。

TAWOUK(レストラン)

夜中の1時発のバスの時間までどう過ごそうかと思っていたが、サウジアラビアの人らは皆夜型のようだ。
バス停近くの深夜までやっているレストランで、Mlさんがアルウラ空港で出会ったご夫婦も同じバスに乗るから時間を潰しているというので合流させてもらった。

見た目がめちゃくちゃ若い才色兼備の美男美女。
元々お互いバックパッカーで、チベット付近の宿で出会い、帰国してから恋愛に発展したらしい。

なんというロマンティックで素敵な話。
自分にもそんな話ないかなーこの年齢でないよなー笑

旅や恋愛の話は尽きなくて、レストランでは4人で話が尽きなかった。
そう言えば今日は2024年の大晦日。話しているうちに夜中の0時が過ぎる。
今年も去年と同じく、正月はイスラム圏の国のマニアックな土地で過ごしてカウントダウンも何もない。
去年のイランのバンデラアッパーズは、本当、災難だったけど。(パキスタン人のバスに町外れで降ろされ、宿が見つからず夜中3時過ぎまでスーツケースを引き摺りながら彷徨った。)

それに比べたら、まだ今年の正月はバス内で寝れる。有り難い。

アルウラからメディナへの深夜バス

NorthWestBusというサウジアラビアのバス会社のサイトから4,900円で予約したバス。

やってきたバスは想像していた通り、正月料金の高い宿代を浮かそうとする同じ考えの人らが集結していて満席だった。
後ろの方の座席をお金を払って予約していたのに「席なんか決まってないよ、前に座れよ!」と前の方に座らされた。イスラム圏の国あるあるの、女性は前の方の席、男性は後ろの席ってやつだ。

あまり暖房のきいていない寒いバスの中。運転で疲れていたのだろう。
それでも座席を倒して手持ちの薄い毛布を被ったら、あっという間に眠り込んでしまった。

ツアーバスで、アルウラのへグラ遺跡へ。ペトラ遺跡と同じナパデア王国に潜入(2024.12.31)

サウジアラビア4日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

へグラ遺跡(マダイン・サーレハ)はツアーでしか入れない

へグラ遺跡にレンタカーで入場して数百メートル。

「遺跡が見えてきたー!」というタイミングで、後ろからパトカーが追いかけてきて車を停められた。ポリスが「駄目だ!戻れ!ついて来い。」とジェスチャーしてくる。
パトカーがUターンしたので、その後に続く。結局、入場したスタッフ用の自動ゲートまで戻らされた。

自動ゲートを出ると、車からポリスが降りてきてこっちに向かって来た。説教されるか、罰金でもくらうかとビビっていたが「個人の車で中には入れない。ビジターセンターへ行ってツアーを申し込め。」と注意されるだけに終わった。

「じゃあ、なんであのスタッフは自動ゲート開けてくれたんだよー。」
笑いながら女子3人でぼやく。

仕方なく、皆が車を停めている駐車場に車を停め直す。よくよく考えたら、個人の車で入れたら、こんんなにいっぱいこの駐車場に車が停まってないよね。

へグラ遺跡は保護区域であり、無許可の車両の立ち入りが制限されているようだ。公式のガイド付きツアーに参加すれば、専用のシャトルバスで移動できる。
そりゃ行き当たりバッタリの旅は楽しいけれど、あまりにも事前情報を調べて無さ過ぎでハプニングだらけ。

へグラ遺跡のツアー

Experience AlUla公式サイトでネットからへグラ遺跡へのツアーを申し込まないといけない。
当日なので安いツアーはもう売り切れていて、ひとり160リヤル(6,500円)のツアーしか空いてなかった。
ビジターセンターの受付の女性スタッフに「この95リヤルの安い方のツアーにねじ込んでよ。」とだだをこねてみたが「いっぱいだからだめ」と言われた。

こんなツアーバスが4か所の遺跡で停車し、好きな所で降りてそこからは徒歩で観光出来るシステム。
降りたら乗ってきたバスは出発するが、何台ものバスが30分おきに巡回しているという。

無料の英語のオーディオガイド付きなので、バス移動中に聞くがめちゃめちゃ長いので全部は聞けない。聞いても半分も理解出来ないけど、動画付きなのが救い。

へグラ遺跡とは

グラ遺跡(マダイン・サーレハ)は、サウジアラビア初の世界遺産。
紀元前1世紀~紀元後1世紀ごろに築かれた、ヨルダンのペトラと同じくナバテア王国の遺跡。ペトラに続く第二の都市だったらしい。巨大な岩に彫られた墓や神殿が点在している。

Al Diwan(アル・ディワン)

1つ目の停車場所はAl Diwan(アル・ディワン)。

ここは大きな岩をくり抜いて作られた広い空間で、かつて王族や貴族が集まり、儀式や重要な会議を行った場所と言われている。

バーレーンかドバイから来た観光客かな。サウジアラビアの女性は目以外は覆っている人が多いので。

ここがペトラと同じナバテア王国だったなんて、ここでガイドの説明を聞くまで知らなかった。
それでこんなにペトラ遺跡に似ているのか。

ジャバル・アルバナット

2つ目の遺跡。
AlBanat(アル・バナット)はアラビア語で「少女たち」や「娘たち」という意味で、ここには女性のための墓が多く残されている

ツアーバスのバス停から離れている遺跡には、こんな8人乗りカートで連れて行ってくれる。満員で乗れなかったら歩かないといけないけど。

女性たちのお墓。

どのお墓の入口も柵はないが、入れる場所は1か所だけ。ガイドの人が入れるお墓の番号を教えてくれる。そして後に知ったが、この土地一帯は「呪われた土地」とされており、サウジアラビア人は寄り付かなかったので荒らされることなく綺麗な状態で残っているらしい。

外観も雨が降らないからか、原型をとどめている。
ナバテア人の社会では、女性が財産を持ち、相続権を持つことができたとされている。女性の墓が多いのは、それだけナバテア社会で女性が重要な存在だったことを示している。
・・・この遺跡はイスラム教が成立するより600年も前の遺跡だもんね。イスラム教のサウジアラビアでは最近まで女性は運転免許すら取れなかったというのに。

Tomb of Hinat daughter of Wahbu(ヒナートの墓、ワフブの娘)

観光バスに乗り込んで3つ目の遺跡。

ワフブの娘の墓らしいが、ワフブって誰よ。貴族なのかな。
「中に絶対入っちゃいけない。呪われるよ!」よガイドの女性に厳しく警告された。

だけど別のガイドの服装をした男性が、中に入って動画や写真を撮っている。つられて入っていったMlさんたちが、最初に注意してきた女性スタッフに見つかり、こっぴどく怒られていた。

「ガイドが入って行ったらそりゃ入っていいと思うよね。あの人、俺たちが雇ったガイドなんだ・・・」
近くにいたアジア人男性2名が申し訳なさそうに言う。40代前半位の日本人男性だった。またこんなところで日本人に会うなんて!正月のサウジアラビア、日本人に大人気。

彼らとキャンプ場から私たちに加わった女性のYuさんは、昨日アルウラの空港でも会ったと言う。

彼らは有名な「Get Your Guide」のツアーサイトでガイドを検索してツアーをお願いしたらしいのだが、待ち合わせにやって来たインド人系のガイドの男性は、英語も堪能ではなく、この遺跡も初めてやって来たとのことで、遺跡の説明をしてくれることはなく自身の動画や写真を撮りまくって観光を楽しんでいるらしい。

「ガイド料、かなり払ったのになぁ・・・・」とぼやく男性2名。笑っちゃいけないけど、そのガイドの自由さに笑ってしまう。その様子を見る限り、「Get Your Guide」にガイド登録って、きっと誰でも出来るんだろうな。

Qasr al-Farid

そして最終目的地、Qasr al-Faridに到着!ペトラ遺跡の時と同様、頭にスターウォーズの音楽が流れる。かっこいい!かっこいい!

白い服の人がインチキ?ガイド

Qasr al-Faridは、アラビア語で「孤独な宮殿」という意味らしい。このお墓だけが他の墓から独立して立っている。ペトラ遺跡と同じく、一枚岩をくり抜かれて造られているが、誰のお墓か分からず、しかも建設途中で見捨てられているらしい。

謎に包まれた捨てられたお墓。イースター島みたいにロマンを感じる。ナバテア人は死後の世界への旅立ちをどのように考えていたのだろうか。

このへグラ遺跡がアルウラでのメイン。
予約していなかったけど、なんとか当日入れてラッキーだった。

ツアーバスが停車する、4か所全ての遺跡を見れて満足な観光となった。
レンタカーに戻り、夕刻迫る砂漠の道を他の2名を乗せて私は車で飛ばす。

私にはここで、もう1か所、行きたい場所がある。

サウジでグランピング。レンタカーではへグラ遺跡には入れません!(2024.12.30~31)

サウジアラビア3日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

19時半。アルウラのエレファントロックを後にし、予約していたグランピング施設へ向かう。

アルウラで夜の運転

予約しているグランピング施設は、町の中心部から車で1時間程北に進んだ何もないエリアにある。Mlさんにどこに泊まりたいか聞いたところ、彼女がここを見つけて選んでくれた。

この道路の写真は次の日の昼間の写真。夜、この道は一面の闇。外灯はほとんどなく、道路脇の反射材と車のヘッドライトだけが頼りだ。
砂漠の中の一本道をひたすら進む。幸いにも同じ方向に向かう車は見当たらないので、煽られる心配がない。「この道なら運転できそう」とMlさんがハンドルを握ってくれた。(Uターンすらも出来ないという、めちゃくちゃ危うい運転だったが。少しでも運転の手助けに・・・という気持ちは十分伝わった。)

Masarat Camp – AlUla(グランピング施設)

サウジアラビアの大自然の中のキャンプ場。
1テント当たり1泊4万600円。節約型の自分だとこんな宿は思い付きもしなかった。
やはり誰かと一緒の旅は新しい発見があっていい。

20時半。予約していたグランピング施設に到着。

柔らかいベッドで最高。そしてウズベキスタンやモロッコでもそうだったように、想像していた通り砂漠の夜のテントは寒い!めちゃくちゃ寒い!
備え付けの小さな電気ヒーターと毛布以外にも、ひとりもう1枚ずつ毛布を渡してくれたがそれでも寒い。

Mlさんは更にもう1枚毛布をくれと何度もスタッフに交渉していたが、「既に1枚渡した。」と全然持ってこない。私なら諦めるが、彼女はまた別のスタッフに告げたり、「毛布が無理ならもっと強力な暖房機を持って来て。」と交渉していた。
「何度言っても持って来る気配ないね。もういいんじゃない?」と私が言うと
「寒いとか暑いとか我慢できないんです。これが『ゆとり』です。」と言われた。

だいぶ時間が経ってから、やっと予備の毛布を持って来てもらえた。
そしてMlさんに明日何時に起きるか聞いたら「9時間は寝ないと駄目なので9時間後。」と言われた。
「えーーー!!?9時間も寝るの?それで会社勤め出来るの?」と驚いて思わず聞いてしまった。
これがゆとりなのか??それとも6~7時間睡眠の私が老人なのか笑

グランピング施設のプール

初めて一緒に旅行する人って、そうか。暑さ寒さの耐性、睡眠時間も全然違うというのを旅の途中で気付くんだな。
新婚旅行中に離婚するカップルってこういう感じなのだろうか。なんて考えたりする。

寒いのでグランピング施設の隅にあるたき火の場所まで行く。
ドバイやクエートなどからアルウラに観光で来ている男性らが、同じくたき火で寒さをしのいでいた。
ここ、世界遺産の町アルウラは近隣の国の人にとっても、人気の観光地のようだ。

次の日。
昨晩は寒かったが、ホットシャワーを浴びれたのでなんとか眠れた。
毛布をもう1枚貰えるように粘り強く交渉してくれたMlさんに感謝だ。私は面倒な方が勝ってしまう。

朝のアルウラのキャンプ場。なんですか、この景色。

他の客が岩の奥に入って行くので、何があるのだろうかと覗いてみたらヨガをする場所。ペトラ遺跡を周った時の雰囲気に似ている。

朝食ビュッフェは宿泊料金に含まれている。宿泊客のイタリア人女性がかなりしつこく「昨日はヨーグルトあったのに今日はないじゃない!出しなさいよ!」とクレームをつけていた。海外の人はやはりパワフルだ。

野良ねこもいて、こんな砂漠でどうやって餌を確保しているのだろうかと思ったら、なんてことはない。宿泊客らが目を離した隙に、皿からハムをかすめ取っている。

味は普通だけど、景色が最高で幸せな食事。ねこちゃんが何度もしつこく「ハムをくれ。」と膝に乗ってくる。そして席を立った隙に取られる。

Mlさんと2人で食事をしていると、一人で来ているっぽいアジア人女性が通りがかった。向こうもこちらをずっと見ている。どう見てもユニクロのウルトラライトダウンを着ているので日本人だろう。
声を掛けてみると学校の先生で、正月休みでひとりでサウジアラビアに来て、このキャンプ場に宿泊しているらしい。ひとりでこんな辺鄙な場所でテント泊かぁ。淋しくはないのだろうか、いや、度胸あるよね。

一緒に食事しながら、お互いのこれまでの旅話で意気投合。
彼女は今日、この近辺にあるへグラ遺跡を周るツアーを予約していたらしいが、私たちがレンタカーがあると言うと「そっちの方が面白そう。」と、ツアーはやめて一緒に車で観光することになった。

レンタカーでへグラ遺跡へ向かう

宿をチェックアウトし、GoogleMapを見ながらここの目玉、2008年に登録されたサウジアラビア初の世界遺産、へグラ遺跡へ。運転はもちろん私。

宿の人に教えてもらった近所のカフェに行ってみたが、GoogleMapで見るのと入り口が違っているか、門が閉まっていて入れなかった。カフェは諦めて遺跡へ向かう。

この道なら煽られる頻度も少ない。気を使わなくて楽ちん。

景色が良さそうな場所で停止して、写真や動画を撮る。あの左の頂上にある奇岩はどうやって出来たのだろう。サウジアラビアって凄い。そして停車している私たちの車の横を通る車はクラクションを鳴らしまくる。道路から外れて停めているのに。やはり運転に関してはサウジ人はイラちである。

へグラ遺跡の入口(Hegra South Gate)

へグラ遺跡はあのヨルダンのペトラ遺跡を造ったナバテア王国の第二の都市である。
入口はどこかと、道に迷いながらへグラ遺跡の入口にやって来た。北の方からは柵があって入れなかった。

このビジターセンター(Hegra South Gate)からしか入れないようだ。観光客がいっぱいいて、皆ツアーバスで中に入場している。

「誰も自分の車で入って行ってないよね。もしかしてあのツアーバスでしか中に入れないのかな?」
ビジターセンターのお土産屋を覗きながら、私たち3名は不安になってきた。

不安になりながらも、ビジターセンターの横に車で入れそうなゲートを発見。
ゲート前にいた男性従業員に、「この門開けてよ。」と言うと、「OK!」と笑顔で開けてくれた。

「なんだ、レンタカーでも入れるじゃん。無料なんだねー。」

そう言いながら、へグラ遺跡を目指しながらレンタカーで進んで行く。

ウー!ウー!

後ろを振り返ると、パトカーがサイレンを鳴らしながら追いかけて来た。
・・・そして私たちの車は止められた。

アルウラのオールドタウンとエレファントロックへ。サウジのレンタカー屋と運転事情。(2024.12.30)

サウジアラビア3日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

昨夜はぐっすり眠れた。
アルウラで朝の散歩に出掛ける。

Nilofar park restaurant/ccc office

他の方のブログでも見た朝食ビュッフェのレストラン。
2,000位の料金なので、友人と素敵なお庭の雰囲気を味わいながら朝食を食べたいなら、ここもいいだろう。
パンが食べ放題らしいが、この気候じゃパサパサな気もするし、朝にまたミゴレンを食べたのでパス。

アルウラの町を散策しながら、開いているお店に入ってみる。小さな商店やコンビニ、カー用品店などが並び、ショッピングモールなどは皆無な小さな町。
文房具屋に寄ってみたら、建築系の定規がこんな小さな町に売っていた。全部中国製。

昨日来たカルチャーセンターにまた寄ってみたが、閉まっていた。昼からの営業なのだろうか。

サウジアラビアの豪邸??

カルチャーセンターの隣の建物を覗いていたら、従業員らしき男性が笑顔で「中に入っていいよ。」とジェスチャーしてくれた。
モスクなのかよく分からないが、念のためヒジャブを被って入ってみる。

中にはお祈りしている人どころか誰もいない。
向かいが小学校なのでモスクではなく、集会所的なものなのだろうか?

アルウラの朝の散歩も気持ち良かった。
宿のインド人のおっちゃんは部屋の掃除を念入りにしたいようで、Booking.comには15時チェックアウトとなっているのに「12時には出て行ってね?」と何度も念を押してきた。
宿に戻り、チェックアウトする。

アルウラのレンタカー屋(Alamam Car Rental)

GoogleMapで見つけた町で唯一のレンタカー屋。
おっちゃんが一人いて暇そうにしている。「車借りたいんだけど。」と言うと、客が珍しいのか驚いていた。彼も他のサウジアラビア人同様、英語は聞き取れるがあまり話せないレベルのようだ。

「オートマで一番安い車借りたい。今日借りて明日返すのいくら?」
「140リヤル(6,000円)」
「(安!ひとり3,000円やん)それは24時間の値段?」
「Yes.」

今はお昼。今借りても明日のお昼に返さないといけなくなるので
「明日の夕方まで借りたいから、夕方にまた来るよ。」と英語で伝えるのだが、伝わらない。
「料金、今払って。」と言うので、契約書にサインして、お金を払い、ビザと国際免許を見せる。また眉毛だけのビザはスルーされた、笑うとこなのに。

アラビア語は右から左に書く

規約を読もうかと思ったけどな・・・アラビア語しかなくて読めんわ。

おっちゃんは私を横の駐車場に連れて行き、レンタルする車の傷チェックを念入りにし出した。
「じゃあな。」と言って車にエンジンをかけたまま渡してこようとするので、
「ちゃう、ちゃう。24時間レンタルなんでしょ?明日の夕方に返却したいから、今日の夕方にまた来るよ!それまでスーツケースと車のキーを預かっててよ。」
「なんで今から乗らないんだ。ONE DAY レンタル!」
「ONE DAYって今日中ってこと?明日?それとも24時間のこと?」
「Yes.」

どっちやねーん。
分からないのでもう「とにかく車のキーとスーツケース預かってて!」とおっちゃんに言い、お店の営業時間を聞いておいた。10時~12時、16時~20時らしい。16時にまた来ればいいだろう。

AlUla Old Town(オールドタウン)

アルウラのオールドタウンまで歩いてやってきた。30分ぐらい歩いたが12月のサウジアラビアは涼しいので全然歩ける距離。絶景だし。

ここは正真正銘、昔からある旧市街地。かつては何世紀にもわたって人々が暮らし、交易や巡礼の中心地として栄えていたらしい。今は修復され、お土産屋にされているが。

レストランやコーヒーショップがあるが、どこも野ざらしで寒い。
店内にある飲食店がないのだ。
春か秋に来ると、なかなか雰囲気は良さそうだが。

コーヒーはこの紙コップのものがなんと1杯1,800円!観光地価格。

AlUla Fort Viewpoint

要塞があったのでここでも登ってみる。無料。

絶景ではないか。
旧市街が一望できる。泥で出来た建物に迷路のように入り組んだ路地。モロッコの迷路の街を思い出す。

モロッコと違い、サウジアラビアはこんな衣装を着た人らばかりなのでかっこいい。アラブ諸国全体で伝統的に着用されている頭飾り。

建物よりこっちの方が絵になりそうだ。

アルバニアの宿で出会ったMlさんと待ち合わせの14時になった。
彼女は空港にいた日本人カップルとUberを乗り合わせ、ここまで来たらしい。
「昨日、飛行機乗り遅れちゃいました~」と半泣きになりながら走ってきた30代の若い彼女と再会。

京都でも会ったけどね。日本から遥か離れた場所で、また旅の話が出来る人と会えたのが嬉しい。

Mlさんとオールドタウン散策。地元の伝統工芸品を扱うお洒落なショップやカフェが並ぶ。
お互いこんな高いお土産屋には興味がなくてすぐ出てしまうのだが。

お腹が空いたので近くのファーストフードで食事。レストランでの食事は高過ぎで無理そうだ。
こんな貧相なエビフライで1,000円なのも泣けるが。
Mlさんは今時の若者らしく、がっつりケバブを食べていた。

近くで飼われている子山羊。可愛過ぎる。

Mlさんも荷物はバックパッカーらしく小さなリュックひとつだけだったので、このまま一緒にレンタカー屋まで歩いて行くことにした。

ファーマーズマーケットに寄ったりしながら、レンタカー屋に戻って来る。
レンタカー屋は「16時再オープン」と看板にも書かれているのに、16時半になっても店内は鍵が掛かっていて誰もいなかった。なので、隣のバス会社の人に電話して従業員を呼んでもらった。

午前中にいたおっちゃんとは別の、頭の毛がくりんくりんのインド人っぽい若者二人が、どこかでさぼっていたのか17時に慌てて走りながら店に戻ってきた。

サウジアラビアの運転事情

車とスーツケースをピックアップし、レンタカー屋から今夜の宿泊地の北に向けて、いざ運転。

旅行前にMlさんに、メッセージで「レンタカー借りるかもだけど、国際運転免許持ってる?」と聞いたら、「持ってます!」と答えてくれていたのだが・・・

今聞くと「日本の免許しか持ってないし、最後に運転したのはド田舎で3年前。」と言われた。

私が運転するしかないかー笑
しかし左ハンドルの右車線。この位田舎道ならいいけど、町中を走っている間は後ろの車にハイビームされクラクションを鳴らされまくり、べったり張り付かれるなど煽られまくった。

抜かして先に行ってもらうには、右によけるのか左によけるのか??
また、右折するときも、ついつい日本で運転しているのと同じ感覚で、サウジアラビアのルールとは反対方向の道路を見てしまう。
ウインカーを出そうとしたらワイパーが動いちゃう基本的は操作ミスは毎回だ。

信号で一瞬停止しただけで、すぐクラクションを鳴らしてくるサウジアラビア人。ダンマームでも感じていたように、この国の人は短気なようだ。
ノロノロ運転でやっとの思いでキャンプ場に行く途中の目的地に着いた。
人気の観光地のようで、駐車場(無料)は満車。適当に端の方に停める。

エレファントロック(Elephant Rock (Jabal AlFil ))

アルウラのメイン観光地のひとつ。エレファントロック!入場無料。

何千年にもわたる風化や浸食の作用によって形作られた、象の形の1枚岩。
いや、もうこれだけで神秘の世界。

美しい。
サウジアラビアは美しい。アルウラは首都からかなり遠いけど、やはり来てよかった。

こんな美しい自然の景色は久々ではなかろうか。砂漠に佇む神秘の一枚岩。
ヨルダンやエジプトに雰囲気は似ているけど、どこか違う唯一無二の景色。

幻想的な風景に魅せられ、Mlさんといつまでも景色を楽しんだ。

砂に埋まっているこたつのようなシート席があるのだが、全て観光客で埋まってしまっている。

夜が更けてあまりにも寒くなってきたので、コーヒーを飲むことにした。

相席になったサウジアラビア人男性たちと。
彼らは4人兄弟で、イスラム教のサウジアラビアでは男性は4人まで奥さんを持てるため、彼らは全員母親が違うらしい。4人まで奥さんがもてるはイスラム教の国のマレーシアでも聞いたから本当なんだろうけど、「全員母親が違う」が本当なのかジョークなのか不明。彼らも英語は話せない。

エレファントロックがライトアップされ、またその美しさを増している。

もう周囲は真っ暗だ。
今から外灯がないこのエリアから、予約しているキャンプ場まで無事車で辿り着けるだろうか。不安になりながら、そろそろ退散することにした。

聖地メディナで空港泊。メディナからアルウラへのバスの予約方法(2024.12.29)

サウジアラビア2日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

プリンス・モハンマド・ビン・アブドゥルアズィーズ国際空港

ダンマームから1時間。深夜1時半にメディナのプリンス・モハンマド・ビン・アブドゥルアズィーズ国際空港に到着。

国内線で到着したのに空港の制限エリアから出る時に、また目の部分しか開いてないアバヤを着た空港女性職員に「ビザを見せろ。」と言われた。

「国内線なので入国時に見せてるよ!」と言いながら、恥ずかしそうに眉毛写真のビザを見せたが・・・
またも写真には反応されなかった。いや、そこ、笑うとこやろ。

外は真っ暗。
この日の朝8時に、メディナの中心地からアルウラへ行くバスチケットを予約している。

ダンマームからアルウラ行きの航空券は2.5万もしたので、ダンマームからメディナまで9千円で飛行機で飛び、メディナからアルウラまで5千円のバスで行く予定である。アルウラの空港から街中まではタクシーしかないらしいので、そのタクシー代も浮く計算だ。

ここもダンマームと同じく空港出てすぐモスク。
聖地メディナの中心街はラクジュアリーなホテルしかなく、とてつもなく高かったので、中国に引き続き空港泊をすることにした。

メディナ空港はこじんまりしていてワンフロアしかないが、ベンチには手すりがないから横になれる。しばらく横になってみたが、寒くて眠れないので、コーヒーショップに入ってスマホを充電することにした。メディナ空港には充電出来るお店は一件しかない。

2時〜朝の6時半まで過ごす。1時間ぐらいしか寝れなかった。
朝になると空港バスが走り出し、空港から400番のバスでクレカ決済で11.2リヤル(490円)で市内まで行けた。

明け方のメディナの道程は美しかった。これがイスラム教第二の聖地か。
数年前までムスリムの人しか入れなかった地に、足を踏み入れているかと思うと感慨深い。

メディナ中心地

街中の終点駅で降りる。

聖地は鳩の巣窟。
イスラム教と言えば、預言者ムハンマドが猫が大好きだったということで猫が神聖視されているが、メッカとメディナでは鳩が「ハラーム・ピジョン(Haram Pigeons)」と呼ばれ、神聖視されているらしい。

長距離バスのバス停まで、もう1本乗り換える。他に乗客が誰も乗っていない早朝のバス。バスカードはサウジアラビアの電話番号がないとアクティベート出来ないとネットにあったので、購入していない。
今回も運転手にバスカードは?と聞かれた。

「持ってないんだ…現金なら渡せるけど。」
「現金は受け取れないんだ。どこまで行くの?」
「長距離バスのバス停でここから2駅。」
「OK!いいよ、ただで乗りなよ!」

愛想のいい運転手が無料で2駅乗せてくれた。めちゃ助かった。

バスを降りてから10分歩く。
歩いていると車が頻繁に横に停車してきて「タクシー?」「どこへ行くんだ?」と声を掛けてくる。
イスラム教はおもてなしの精神があるから、恐らくイランみたいにヒッチハイクできそうだ。

メディナ⇔アルウラ間のバスの予約方法

NorthWestBusというサウジアラビアのバス会社のサイトから予約できる。

メディナからアルウラは「Al Madinah Bus Station」→「Al Ula」と入力してクレカで決済すればよい。4,900円。帰りもこのバスを予約した。
250円の追加料金で座席指定も出来るが、バス内では皆、勝手に好きな席に座るため意味がないので座席指定はしなくていいだろう。

路線を調べると首都のリヤドからアルウラへもバスが出ているが、「所要時間24時間」となっていたのでさすがにやめておいた。

Madinah Bus Station(長距離バスステーション)

メディナ・バスステーションに到着。

長距離バスのバス停の建物以外は周辺はどこも老朽化しており、一瞬、道に迷いかけた。しかし、建物内はとても綺麗で、トイレも清潔かつ無料。

建物の横に停車していたアルウラ行きのバスに乗り込む。

朝8時になり出発。海外あるあるだが、バスの運転手がずっと誰かとスマホで電話していてうるさい。
乗車率は40%位。なんと私の前の座席の男性は、ちらっと見えたスマホの画面が日本語だったので驚いた。こんなところに日本人がいるなんて。

その30代半ばのひとり旅の男性は表情がムスっとしていて話し掛けにくかったので、声を掛けるのはやめておいた。私はこのあとすぐ、アルウラのホテルでMlさんと合流する予定があるし。

アルウラのバスステーション

13時半、5時間半でアルウラに到着。バス内で空港での睡眠不足を補った。
ちなみに予約サイトのバス停の場所は間違えているので、正確な場所を以下に示す。

バスステーションというよりただの道端。
中に入れる建物はないので、ここからバスに乗る時はギリギリに来た方が良さそうだ。

バスを降りたとたん、待ち合わせしているMlさんからメッセージが入った。

彼女は首都のメディナからアルウラ行きの飛行機で来る予定だったらしいのだが、飛行機の出発時間とボーディングタイムを間違えて飛行機に乗れなかったらしい。5万円で明日の飛行機を買い直したらしいので、今日はアルウラには来れないと言う。

合流出来ないのもショックだが、それより彼女の境遇に同情してしまった・・・追加で5万・・・。
Mlさん、こんな景色が見れないなんて。
今日はアルウラで食事も観光もひとりか。同じバスの日本人男性に声を掛けておけば良かったと後悔しながら、予約しているホテルへ向かう。

アルウラのGoogleMapでの口コミを精査した結果、

・空港から市内までのバスはなくタクシー一択。
・リヤドなどの都市部と違いUberCareemなどの配車アプリを使っても走っている配車の数が少なく、アルウラの中心地で呼んだら来るが、他の場所から呼んだら1時間以上待っても捕まらない。

ということが見えてきた。頼みの「地球の歩き方サウジアラビア」は2019年度版から刷新されていないため、サウジアラビアの旅情報はネットで探すしかない。(この後、他の旅人に聞いて「ことりっぷ」がサウジアラビア版を出していることを知った。)
なのでUberを呼べるであろう、長距離バスのバス停からも近い街の中心地にホテルをとった。

sweet rose apartment(ホテル)

アルウラももちろんドミトリーはない。直前に予約したせいで、中心エリアではこのホテルのスイートルームしか空いていなかった。1泊19,000円をMlさんと2人で割る予定だったのだが。

宿に到着し、オーナーに「友人が来れなくなったから今日泊まるの私ひとりだよ。」と言うと、「えっ?!かなり広い部屋だよ?!」と驚いていた。一室の料金なので、もちろんひとりだからといってまけてはくれない。当日なのでキャンセルも不可だった。
支払いは現金のみだったので450リヤルをATMで下ろしてきて渡す。

ベッド数4つ。ひとりで泊まるには勿体な過ぎる。事前にXかインスタで一緒に泊まる人を募集すればよかった。

シャワーとトイレ。ゴミひとつ落ちていない。サウジアラビア人は綺麗好きなんだろう。

オーナーには簡単な英語しか通じず、Google翻訳でアラビア語を見せたのだが「読めない。俺はインド人だ、ヒンディー語で頼む。」と言われた。

実はまだ明日からのアルウラ遺跡を回る手段を決めていない。Mlさんも私も年末は忙しく話し合う時間がなかったのだ。オーナーが車で案内してくれたりしないかなと思い聞いてみたが、「友人に聞いてみる!」と電話しだし、6万円位の料金を言われた。

高いので断って、街中のツアー会社やレンタカー屋を自分で探すことにした。

アルウラ散策

バスステーションの裏のファーマーズ市場。オレンジなどの果物が並んでいる。

中の商店。アジア人の観光客が珍しいのか、店員に出身地を聞かれた。「日本。」と言うとイランでもそうだったように「Welcom to SaudiArabia! 」と歓迎してくれ、水を買ったらガムをおまけしてくれた。サウジアラビアはいいところだ。

自然が、景観が凄い。感動する。アルウラに来てよかった!

ツアー会社は全く見つからなかったが、レンタカー屋が1軒だけ見つかった。
閉店時間は20時と書いてあるのに、昼休憩中なのか閉まっている。明日の朝、寄ってみることにした。

AlManshiyah Plaza(文化センター)

15分ほど歩いて文化センターみたいな場所に来ると、ここでも入口で女性職員に「ウェルカム!」と笑顔で歓迎された。

旧市街の建物を保護している場所のようだ。

男性4名が、無料で民族音楽を奏でてくれている。雰囲気があってすっかりサウジアラビアの砂漠の世界に浸ってしまった。

帰りも歩いて帰る。ひとりで歩いていても満喫できる程、アルウラ散歩は楽しかった。

そう言えば全然食事をしていない。ホテルの近くでレストランを探してみたが、2軒しか見つからなかった。男性しか店内にいないので躊躇しながらメニューを見てみる。うん、読めない。

諦めてもう1軒のお店へ。写真がないのでどんなものがどの位の量で出てくるか分からない。英語も通じないし。あと男性しかいないのは、女性はひとりで外食する習慣がないのだろう。
ケバブやフムスが味が薄くてあまり好きではなく、強烈に日本の焼きそばが食べたくなってきた。宿にキッチンがあったのを思い出し、自炊することにした。

スーパーでツナ缶とミゴレンを購入してフライパンで炒める。焼きそばにして良かった。
お酒は売っていないので、ザクロと麦の絵が描いてあるジュースを買ってみたら、これが当たりでかなり美味しかった。250円もするが、麦の味がビールに近くていい。

ひとりでこの部屋で夕食。淋しいがしかたない。

明日はレンタカーでアルウラ北部でグランピングをするから楽しみだ。
睡眠不足だったので、広いベッドで早目に就寝することにした。

ダンマームのIthraカルチャーセンター、何個目かの世界一美しい図書館。飛行機でメディナへ(2024.12.28)

サウジアラビア2日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

今日の夜のフライトでメディナに飛ぶので、ダンマーム観光は今日のみ。

Aleairy No.3(ホステル)

宿泊したホテルはチェックインは16時から、チェックアウトは15時まで。
変わった時間帯だ。サウジアラビアのホテルはどこもこんな時間設定なのだろうか。

朝から観光に出て、15時までに一度部屋に戻ってきてからチェックアウトする計画にする。
空港に行くまでに、部屋でトイレに行って歯磨きをしたいからだ。

ダンマームの地元女性が全身黒づくめなので、私も目立たないように、この黒ワンピースと黒ヒジャブで出掛けることにする。

ダンマーム街歩き

まず、ダンマームの鉄道駅を見てみたい。鉄道駅行きの最寄りのバス停まで10分位歩いてみる。
これまでの国とは違う雰囲気だ。初めてウズベキスタンに降り立って、旧ソ連の建築物の数々を見た時の興奮と緊張を思い出す。

サウジアラビアの一般的な住宅ってこんなデザインなのか。この辺はエジプトに似ている気がする。

Dammam Bus Station-Darb Al Watan(バーレーン行きバス停)

鉄道駅行きの市バスに着いた。向かいは隣国バーレーン行きの国際バスのバス停のようだ。手前でひっきりなしに「タクシー?」と勧誘された。
クスコで一緒に飲んだYuさんが、ダンマームのインスタを載せていたので、観光のアドバイスを事前に聞いていた。彼に「ダンマームは何もないから、ここからバーレーンへに行くのがお勧め」と言われていたのだが、私は1日しか滞在しないので、その何もないダンマームを満喫することにした。

実は彼から「サウジの入国審査、覚えてない位ゆるかったです。」と聞いていたので、眉毛だけのeVISAでも入れるだろうと安心していた。やはり今の時代、インスタでの繋がりと情報は強い。
鉄道駅行きのバスを待つ間、またもコンビニでお菓子と炭酸ジュースを買う。
やはり値札がなく不安だったが、バーコード読み込みなのでボラれたりはしなかった。

0に見える文字はアラビア数字の5

バスに現金で乗るためにお金を崩したのだが、バスがやってきて「現金渡すから乗りたい。」と言うとジェスチャーで断られた。どこかでバスカードを購入するか、同乗する他の客に現金を支払って、お願いしてバスカードで支払ってもらうかしないと乗せれないらしい。

バスカードの購入方法は英語の通じないこの国で分からないし、他の乗客に頼もうにも、バスには誰も乗っていなかった。運転手に現金をあげると言っても乗せてくれないので、諦めて降りてUberに乗ることにする。

King Abdulaziz Center for World Culture – Ithra(イスラ)

Uberで15分位飛ばし、ダンマームの街外れにあるカルチャーセンター、イスラにやってきた。
サウジアラビアではエジプト同様、タクシーアプリはUberCareemが使える。
どちらも使った感じでは、Uberの方が安く、Careemの方が捕まりやすい。帰りはUberは全く捕まらなかったのでCareemで帰った。

Uberドライバーはこれまでの国と違い、全く喋ってこない。最後にこの建物を指差し、片言の英語で「お金持ちの会社のビルだよ。」と教えてくれた。サウジアラビアのタクシー運転手は、英語が普及していないのとシャイが混じっていて話し掛けてこないようだ。

これ!このお洒落な建築物にやって来たかった。
入ろうとするムスリムの男性の服装が絵になる。
デザインが斬新で、アゼルバイジャンのザハ・ハディド建築を思い出す。

入場無料。太っ腹だなぁ。

中は劇場、シアターなどありその辺は有料。
子供用のこの施設は無料だ。

すこしだけ博物館的なものも無料で展示されている。木製カービング芸術について。

何度目かの世界一美しい図書館

何度目だろう。世界に点在する、この手のものに入るのは笑
しかし明らかに最上級に入る位、ここの図書館は間接照明の使い方が美しかった。
図書館なのでここも無料。

コーラン、ではないよね?アラビア語の背表紙がかっこいい。
逆にアラビア語圏の人からみた漢字は、こんな風に異国の文字に写るのか興味がある。

英語で書かれた旅行のガイドブックから、文化的な文献まで様々な国際的な種類の本が置いてある。
こういった、ムスリムではない私が入れない建築物の写真は見るだけで楽しい。
イスラエルの聖地エルサレムにあるアル=アクサ・モスクの写真のようだ。

これは本日飛行機で行く聖地メディナ。

ここは聖地メッカ。メッカは今もムスリム以外入れない。行こうとしても、ムスリムの証明がなければ航空券は買えないし、陸路で目指しても宗教警察によって追い返されるようだ。

お洒落カフェあり。友人と来てたら入るんだけど。
高かったので、バックパッカーの私はパス。

Ithra Museum Galleries(博物館)

中に博物館もある。35リヤル(1,500円)。宿代はケチるくせに、こういった知的好奇心がくすぐられるものにケチらない。サウジアラビアの文化に興味があるのだ。
民族衣装の数々が英語とアラビア語の説明書きと共に並んでいる。

富豪のリビングらしい。ここをスタバにしてくれたらくつろげるのに笑

タイル装飾はウズベキスタンのものによく似ている。もう同じ国でいいのでは?

地下には剥製なども置いていて長時間楽しめそうな博物館だった。

もっといたかったが、チェックアウトの15時が近づいてきたので、慌ててタクシーアプリを読んで宿へ向かう。チェックアウトの時間が15時を30分過ぎてしまい、宿に着くなり謝ったのだが、レセプションのお兄さんは「いいよ。いいよー!」と笑顔だった。サウジアラビア人、感じいい。

しかし、タクシーがちょっと停止しただけで、後ろの車がどれも鳴らしまくるので、サウジアラビア人は短気なんだろう。(後にこれが自分がレンタカーを借りた時に降りかかってくる。)

ダンマームのファーストフード

無事にチェックアウトし、ミニスーツケースを引き摺りながらマリーナモールを目指す。
ダンキンドーナツがある。必ずアラビア語と並列なのが面白い。因みにアラビア語は英語とは反対で右から左に書く。

お腹が空いたので、マリーナモールに着く前にファーストフードで食事することにした。

看板からして読めなかったが、案の定、メニューもオールアラビア語で読めなかった。
ウエイトレスの人にお勧めを聞いてそのセットを頼む。

シャワルマセット、15リヤル(650円)。まあ可も不可もなく。
うん、普通のハンバーガー食べたい。

この後、湾の先っぽにあるムルジャン島の塔へ行こうと思っていたのだが・・・

海外のサイトからお借りしたこの画像。
ここから徒歩で1時間。歩いて行きたいが、車社会のサウジアラビアで、道路の向こう側に渡りたくても横断歩道も信号もなく、車は途切れず10分待っても道路の反対側へ渡れなかった。
地元の人らも私と同じように10分待機していたから、私が横断が下手なわけではない。自家用車かタクシーでしか移動は想定されていないのだろう。

道路が横断出来なくて、この島へ行く気がそがれてしまったので、昨日と同じマリーナビーチで、海や魚を釣る人を眺めることにする。ここへ行くのだけは高架通路があるのだ。

ダンマーム市内から空港へ

17時半。飛行機の時間までまだまだあるが、することもないので空港へ向かうことにする。
空港から来た時に降りたのと同じ、マリーナモールの正面でバスを待つ。

職員の服を着て立っていたおじいちゃんに、空港行きのバスは何番か聞いたら「G 7」と笑顔で言われた。チケットはどこで買うか聞くと、近くで座っていたクレカカードの決済機を持ってる若い黒人のお兄ちゃんを指差す。
その人に「空港行きのチケット買える?」と聞くと、「ここでは買えない。バスの中でバスカードを持っている誰かに払ってもらえ。」と昼間と同じことをいわれた。?その決済器は何?!飾り??

バスを待っていると同じ様に待っていた韓国人の女の子2人に声を掛けられた。自分たちと顔のつくりがそっくりだから同じ韓国人かと思ったーと言われた。彼女たちも空港へ行くらしい。

そしてバスがやって来て乗り込み、運転手に「現金で払えない?」と聞くと「あっちでバスカード買え!」と怒られた。いや、決済マシン兄ちゃんには断られたんだけど・・・
だけど、韓国人の女の子が私の代わりにバスカードを2回タッチして払ってくれた。彼女たちに現金を渡そうとしたけど、頑なに受け取ってくれなかった。ここでも人の親切に助けられた。

再びダンマーム空港

18時半、ダンマーム空港に到着。飛行機はサウジアラビアのLCCのFlynas航空。
出発時間よりだいぶ早いがチェックイン出来、プライオリティパスでラウンジにも入れた。

温かい食べ物はないが、パンとクッキーは充実している。しかしコーヒーと水しかないかー。
アルコールが置いてあるわけもない。

ラウンジのWi-Fiは速かったので、本をダウンロードして読むことにした。
職業柄、間取りの勉強をしようと間取り図が表紙に描かれた「変な家」という本をダウンロードしたら、開いてびっくり。雨穴という人が書いたミステリーホラー小説だった。そしてこれが評価通りかなり面白い。

読書をしていると、あっという間に搭乗時間の0時半。
真っ暗な飛行機に乗り、次は聖地メディナへ。

眉毛だけのeVisaでサウジアラビア入国、ドバイからダンマームへ(2024.12.27)

ドバイ4日目。1$≒157.4円、1サウジアラビアリヤル≒41.7円

エディハド航空の罠に要注意

朝、8時に起床してチェックアウト。

今日ほいよいよサウジアラビア入国の日。昨晩、自分が購入したドバイ→アブダビ→サウジアラビアのダンマーム行きの航空券をしげしげ眺めていると…

??
ドバイ→アブダビ間は、文字の表記は「Ethihad Airways」となっているが、アイコンがバスのマークである。
これはもしや…と、乗り場を詳細に調べてみたら、ドバイ→アブダビ間は航空会社の高速バスでの移動だった。

航空券購入サイトで購入したチケットでバス移動があるなんて、こんなの気付く人いるのか?!
危うくドバイ空港に行くところだった。

指定されたバス停に行ってみるまで不安だったが、ちゃんと航空会社のバスはいた。

乗車率は半数位。
2時間の乗車時間だが、バス内の無料Wi-Fiが使えるのは1時間だけだった。空港で貰った無料のSIMカードは、トップアップ代が高過ぎて延長していない。バスの中でKindle本を読書しながら時間を潰す。

夏に来たばかりの、懐かしのアブダビ航空に到着。

アブダビのプライオリティパスが使えるラウンジ

ここのラウンジは3回目なので慣れたもの。イスラム教の聖地、サウジアラビアでは飲酒が旅行者にも厳格に禁止されている。イラン同様、一滴も売っていない。
これ以降は飲めないだろうから、ビール堪能。

14時。飛行機に乗り込む。未知の国に上陸するのは緊張する。
エディハド航空では、アブダビからダンマームまで40分でもお菓子とパンが出た。
航空券の料金は7,100円。

近年行けるようになったサウジアラビアという国とは?

サウジアラビアはイスラム教発祥の地であり、ムスリムにとって最も神聖な国である。メッカメディナという二つの聖地を有し、毎年多くの巡礼者が訪れる。

メッカ Photo by TURKISH CULTURE CLUB

それまでオイルマネーだけに頼っていたサウジアラビアは、オイルマネーへの依存から脱却し、観光を含む非石油産業を育成することを目的とした「ビジョン2030」という経済多様化政策を打ち出した。
その一環として観光業に力を入れ、2019年に観光ビザ(eVisa)を導入。しかし、その直後にコロナ禍が発生し、ビザの発給は一時停止となった。その後、2023年に再開され、ようやく入国が可能となったため、観光客が訪れることが出来るようになったのはごく最近のことだ。

「ビジョン2030」により、これまで運転免許禁止、男性の承認がなければ仕事に就くことや、引っ越し、パスポートの取得ができなかった女性の状況が大きく変わった。(なんという男尊女卑社会。)
これらの制限が解禁されたことで、女性の社会進出や自由度が飛躍的に向上している。サウジアラビアは保守的なイスラム国家である一方、急速な変革を遂げつつある国でもある。
この現代的な改革の進展を直接感じられることは、旅の醍醐味の一つだ。

サウジアラビアのダンマーム空港に到着

14時45分、サウジアラビアのダンマーム空港に到着。空港から見える景色はなんだか昭和っぽい。

デザインが古い感じ。1999年に開業した関空よりも新しい空港とは思えない。
これがサウジアラビアのデザインなのだろうか。

サウジアラビアの旅程と眉毛だけのeVISA

今回の旅程はこんな感じ。サウジアラビア滞在は実質7日間だけなので、移動は主に飛行機。
リヤド、メディナ、ジェッダがよく聞く地名だが、ネットで調べてみると「アルウラ」という地域が広大な砂漠や遺跡があり興味をそそられたので、ジェッダを諦めアルウラを組み込んだ。

サウジアラビア入国にはビザが要る。1.7万というエチオピアのビザより高い。
そして私は直前にネットからビザ申請をして取得していたのだが、メールで送られてきたeVISAの写真は失敗していた。

送られてきたVISAの写真

・・・・
なんですかこれは。
眉毛しか写っていないではないですか。

手持ちの証明写真の解像度をかなり下げてアップしたのだが、それでもサイズが大き過ぎたようだ。
再申請ボタンを押しても「あなたは既に申請済だから無理」とアラビア語で表示される。
これでサウジアラビア入国できるのか?!

これは次の日行った博物館の写真

かなり緊張しながら入国審査の窓口に並ぶ。
審査官はほぼ全員女性だった。「ビジョン2030」の影響で、政府の機関では積極的に女性職員を採用しているのだろう。彼女たちは全身黒づくめの服装で、顔は目の部分しか開いていない。なら私の眉毛だけでいけるか?

女性審査官にパスポートとA4に印刷したeVISAを渡す。
彼女はeVISAの写真はちらっと見ただけで、くすりと笑いもせず、VISAの番号をパソコンに入力していた。笑える写真だと思うのだが。

ビザの方は問題なさそうだが、指紋認証の機械が古いのか性能が悪くて何回指紋を読み込んでも認証してくれない。審査のカメラが小型ではなくCANONの三脚付き一眼レフなのも気になった。他の国では最新の小型カメラなのに。この国は遅れているのだろうか?

「通っていいわよ。」

何度も指紋を読み込まされてやっと許可が下りた。
審査官の笑顔もなく緊張した入国だったが、あっさり許可された。

King Fahd International Airport(ダンマーム空港)

良かった~入国出来た。最悪アライバルVISAで入れるかと思っていたが、また1.7万も取られたらたまらない。

ワクワクしながらダンマームの空港を観察する。やはり重厚感のある建物が昭和っぽい。

サーティーワンの看板もアラビア語。
ダンマームに来た理由は、アラブからの航空券が一番安かったから、それだけだ。観光地ではないこの空港はとても小さい。

イランでは外国人も髪の毛を隠さないといけないが、サウジアラビアではムスリムの人以外は隠さなくてもいいようだ。だが、この小さな空港に女性の外国人は全くいないようで、他の女性は全員黒ずくめの服装、かつ目の部分しか開いていない。目立つのは嫌なので事前にAmazonで購入していた黒のヒジャブを被ることにした。

カード社会なのかもよく分からないが、取り敢えずATMで1万円分だけお金を下ろすことにする。
数字がアラビア数字・・・イランのペルシャ文字と似ているので読めた。
後に請求を見ると、手数料は毎回300円位取られていた。

ダンマームの空港から市内への行き方

空港を出て真正面にどーんっっとモスク。凄い造り。

空港を出て直ぐ、右の方へ歩いて行くと市内行きのバス乗り場を見つけた。
15時、15時半・・・と30分おきに出ているようだ。

チケット販売のおっちゃんがバスの外で立っていて愛想がいい。クレカタッチの機械を持っていて、予約しているホテルの場所を地図で見せると終点までのチケットをくれた。ずっと緊張していたが、ここでほっとした。

チケット代は3.75リヤル(148円)。レートがさっきまでいたアラブと変わらないので計算しやすい。
女性は私しか乗っていなかった。

マリーナモール

15時半に出発して16時に終点のマリーナモールに到着。

ショッピングモールに入ってみる。だだっ広い空間にお店の数は少なく、人もほとんどいない。
土地が広い国ならではの贅沢な造りだ。

シナボンもアラビア語。トイレは無料なのが、エジプトなどと違って先進国っぽくてほっとした。

マリーナモールというだけあり、向かいに海があったので行ってみた。
ここでは女性を沢山みた。家族連れがレジャーシートを広げてピクニックを楽しんでいる。

魚釣りをしている人らを見た。全然釣れていないようだが笑

「フィリピーナ?」

バングラデシュ人で、ビジネスでダンマームに来ていると言うおっちゃんに話しかけられた。
「いや、日本人だよ。」と言うと珍しいのか驚いていた。

少し会話して「ホテルにチェックインしに行くので。」と言うと、私が宿泊しているホテルまで一緒に歩いて行ってくれると言う。いや別に、ここは治安良さそうだしいいんだけどね。
おっちゃんは「僕はノボテルに泊まってるんだ。」を連呼していた。そっちに泊めさせてくれよ。

Aleairy No.3(ホステル)

15分歩いてホステルに到着。

近年までマクドの購入窓内すら「家族用」「男性用」「女性用」と別れていたサウジアラビア。
他人と同室になるドミトリーがあるのは首都のリヤドだけのようだ。
リヤド以外は個室に泊まらないといけないのが高くつく。Booking.comで最安値のこのビジネスホテルを5,600円で予約した。

入口まで一緒に歩いてくれたバングラデシュ人のおっちゃんにお礼を言い、ここで別れる。

入口に入ると誰もいない・・・レセプションはないのだろうか。

更に奥に行ってみると、このお祈り空間で20人位の男性が集まってお祈りしていた。
通り掛った宿泊客に「レセプションどこ?」って聞くと、「ホテルの従業員はあの男性なんだけど、今全員お祈りの時間だから、ちょっと待ってあげて。」と言われた。そう言うことか。

お祈りが終わるのを待つと無事チェックイン出来た。レセプションの若い男性の英語は片言。
バスのおっちゃんもそうだったけど、観光地化が最近だったこの国では英語はまだ浸透していないようだ。

イランのバンデラ・アッパーズに宿泊した時のホテルと造りや雰囲気が似ている。
口コミはあまり良くなくて心配していたが、専用シャワーにトイレもあって、私には十分満足過ぎる位綺麗なホステルだ。

夜のダンマームを散策

お腹が空いたので、食べるところはないかと夜の街を歩いてみる。
この通りは何百メートルも男性しかいなくてビビった。レストランを覗いても男性グループしかいない。日本で言うパチンコ街みたいな感じなのかどうなのか。

洋服市場のような場所に出ると、やっと家族づれや女性だけで歩いている人を見た。
ダンマームの女性の服装はこんな風に全身黒づくめだ。洋服屋が並んでいる意味があるのか?家の中だけは売ってるような派手な服を着ているのだろうか。やはりイスラム教って窮屈だな。

ショッピングモールを見つけたので入ってみる。同じようなアイスクリーム屋が3つ並んでいて、外国人は珍しいようで凄く勧誘された。値段を見ると800円位したので買わなかった。
オイルマネーの国だけあって、やはり物価は高い。

夜に外食する習慣がないのか、ホステル周辺では女性が入れそうなレストランは見当たらなかった。
車社会で、幹線道路沿いを歩いている人はいない。

ガソリンスタンドにコンビニが併設されていたので入ってみた。

金額表示が一切ないので、買うのにいくらになるのかドキドキした。
水、お酒の代わりの炭酸ジュース、ミニケーキを購入。たったの195円だった。

お金を払う時に、レジの男性は初めて私の顔を見た。
目を見開きながらしげしげ私の顔を眺め、ぶつぶつアラビア語でつぶやき、かなり驚いていた。
初めて外国人の女性を見たのだろう。

観光地化されていない国へ行くのは新鮮だ。
私も少し彼の態度に驚きながら、ホステルに歩いて戻った。
明日はダンマームで行ってみたかった建物へ行ってみる。