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ベオグラードのNATO空爆ビル観光後、景観列車バール鉄道に乗る。寝台列車のシート席は快適なのか(Day413-4)

1€(ユーロ)≒175円、1セルビアディナール≒1.5円
セルビナ3日目、ベオグラード3日目

夜の列車の時間に間に合うようにベオグラードを観光する。

起床してキッチンに行くと日本語の動画を見ていた男の子がいたので「日本人ですか?」と聞いてみた。セルビア以降、日本人どころかアジア人すらほぼ見ないので珍しい。
現在大学生でオランダ1年留学が終わり周辺を周りながら帰国するらしい。少し話しただけで聡明なのが分かった。話が広がるので彼から周った国の感想や留学中の話を聞きたかったが、ノビサド観光に行くとのことで1時間しか話せなかった。とても残念だ。そして彼もベオグラードではずっと無賃乗車らしい。

セルビアのベオグラード観光

ベオグラード観光。かつてのユーゴスラビア王国や連邦の首都。
ガイドブックに乗っているお決まりの要塞、教会を見に行く。

聖天使首ミハイル大聖堂

ネオ・ビザンティン様式。ビザンティン帝国の建築様式に触発されているらしい。

ベオグラード要塞

1本だけ大きなビルがあるね。暑すぎて即撤退。

うーん。美的センスなし・・・

ホテル・モスクワ でモスクワ・シュニットを食す

1922年に開業したモスクワ・ホテルのケーキが美味しいというので要塞から歩いて行ってみる。
セルビアにあるのに名前がモスクワって。ロシアとセルビアの関係性を表してる。

ここのモスクワ・シュニットというケーキのレシピは、二人のパティシエしか知らない門外不出のレシピらしい。期待に胸が膨らむ。

内装はとても豪華だし、流れるピアノ音も癒される。店員の接客もパーフェクト。
セルビア人全員が不愛想というわけでもない。

うーん、ただのフルーツを混ぜたケーキ?
味が上品過ぎるのか全くしない。レシピもうちょっと広めて皆に味の感想聞いたほうがええんとちゃいますか

食感だけを楽しんだ。
ケーキ650ディナール(950円)、ビール350ディナール(510円)。

1999年のNATO攻撃による空爆ビル

1990年末のコソボ紛争の時に、NATOが紛争を抑えるために軍事介入。アメリカ主体で78日間セルビアとモンテネグロを対象に空爆開始。
その時、中国人大使館が誤爆されたらしい。アメリカ、やっちゃってくれたな。わざとかな。

セルビアではここぐらいしか紛争の爪痕は見つけられなかった。
ボスニア・ヘルツェゴビナはボコボコにやられた建物だらけだったけど。

聖サワ大聖堂

ここが1番有名な教会らしい。完成は2000年代と新しい。セルビアはセルビア正教会が主な宗教。

教会のキリストの絵はウェルカム的で可愛かった。しかし当のセルビア人のスーパー店員などは愛想が悪くてしばきたくなる。ジョージアとかもそうだったし昔から侵略されてきた土地柄なのか。

夕方になったので宿に戻る。日曜日でバスが全然来ないせいで観光に時間が掛かった。
途中、スーパーで歯磨き粉や石鹸などを購入して残りのセルビナディナールの現金をほぼ使い切る。
宿に戻ると今朝の大学生がいたので、余った現金を全てあげて連絡先を交換して別れを告げた。

絶景列車バール鉄道に乗車

19時。20時半の列車に乗るために無賃乗車でまたベオグラード中央駅へ向かう。
朝の9時発と20時半発の2本しかないが、絶景はモンテネグロ側にあるのでそれを見ようと思うとベオグラードからは20時半発の選択になる。

バール鉄道は1919年着工、1928年にバールとベオグラードを結ぶ鉄道路線が完成。旧ユーゴスラビア時代の重要な交通網だったらしい。
乗車券2,296ディナール、シート席代358ディナール。10~12時間乗車寝台列車がまさかの4,000円。

20時に到着。鉄道駅の地下のホームは人でごった返していた。

15分前に列車が来た。ラクガキ・・・ガラ悪・・・これが国際列車なのか。

シート席は新幹線のような座席配置を想像していたが、チケットに記された車両に行くとコンパートメントの中に向かい合わせに6つ席があるタイプだった。
同室の人らは姿勢はお行儀が悪い(なんか見えそう笑)が荷物を持ち上げてくれたりお菓子をくれたりと感じがいい。英語は通じない。

しかしまさかのエアコンもファンもなし。満席の人口密度。風はない。あっという間に服が汗でびしょ濡れになった。奴隷船ってこんな感じだったのかな?なんて思いながら出発まで耐える。さらっと書いているがかなりキツかった。そしてネットもないのでかなり暇。kindleで本を読もうかと思ったがコンセントが窓際にしかなくスマホが充電出来ないのでやめた。

走り出したら少しは風が入ってくるかと思ったが、窓が開けられる面積がすごく小さい上に、通路部分にタバコを吸う人らが密集して部屋に全く風が入ってこない。何なんだこの国の喫煙率は。たばこの値段をもっと上げろ。

日が暮れてくると車内の温度は下がってマシになっていった。
椅子が広くてふかふかなのでゆったり座れる。座席は座る部分が二段階に引き出せ、全員が全て引き出すと全面床状態になるので、夜になると皆でその状態で寝ることにした。コンパートメントの皆で協力すればシート席でも寝れる。

途中3回の切符拝見があり、夜中に叩き起こされ2回のパスポートコントロールがあった。国境越えの列車だから仕方ない。

この鉄道は座席に空きがなくても乗れるようで、夜から何人か通路に座って寝ていた。
私のコンパートメントのドアやドアの引き位置にもたれて寝るもんだからドアが開けられない。本人もいちいちこっちがトイレに行く度に起こされるのに、なぜ壁部分にもたれないのか不思議だった。

バール鉄道の絶景

朝、6時頃目が覚めて窓の外を見てみたら…物凄い絶景!
バール鉄道の絶景はモンテネグロ付近にあるのでセルビアから行けば早朝に見れることになる。

これは…なかなかこれまで見た車窓の中でも1番位の絶景鉄道かも知れない。
山岳地帯のためトンネルが多く、美しい景観が短時間で見え隠れするのも希少感があっていい。
絶景は数時間続いた。

セルビア、バスはボロポロなのによくこんな線路を建設するお金あったな…
長大トンネル工事は難航を極めたらしい。

Wikipediaより

写真はWikipediaからお借りしたが、こんな橋の上を鉄道が通るのか。そりゃ絶景だ。

たまたまセルビアに来たけど、たまたま鉄道があるのを知り、乗って本当に良かった。少しスイスの絶景を思い出した。

モンテネグロのポドゴリツァ到着

8時。予定より2時間遅れでモンテネグロの首都ポドゴリツァに到着。
私以外はほとんどバールまで行くようだ。私と他数名だけ降りる。

ポドゴリツァには何もないらしいが、ここから行けるコトルという町がとてもいいらしい。
なので、このまま横にあるバスターミナルでコトルまでのバスチケットを買って行くことにする。

ボスニアからセルビアへ移動、ローカル列車でノビザドへ。セルビアのバスは無賃(Day411-412)

1€(ユーロ)≒175円、1兌換マルク≒88円、1セルビアディナール≒1.5円
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ5日目、サラエボ3日目

今日はセルビアの首都、ベオグラードへ行く。ボスニア・ヘルツェゴビナからは、先にモンテネグロに行った方がいいのか判断がつかなかったので、もはや気分で行き先を選定している。

サラエヴォの東ターミナルへ行く

9時半。
宿の近くのバス停から103番のバスに乗り、セルビア人居住区にある東バスターミナルへ向かう。

運転手に1.8兌換マルクを払い乗り込む。連結部があるタイプの大きなバスだが、ガラガラ。
しかしかなりの頻度でバス停に停まるので到着が遅い。

サラエボの東バスステーション

10時20分。サラエボの東バスターミナルに到着。閑散としているがカフェが併設されていて出発の11時までは時間が潰せそうだ。

建物に入ってみる。これだけ人がいないバスターミナルも珍しい。
チケット売り場のおばさんに「荷物代っていくら?」と聞くと「ここで手荷物チケット買えるわよ、2マルク。」と教えてくれた。ボスニア・ヘルツェゴビナのお金はここから出ると紙屑同然。手荷物チケットを購入し、残り手持ちの3マルク全てを隣のパン屋でパンを購入した。これが失敗・・・

10時50分。セルビア行きのミニバンが来た。近くに立っていた男性が「あのバスだよ、運転手にバスターミナル使用料2マルクを払ってね。」と言ってくる。
・・・バスターミナル使用料!?この閑散とした場所の??

同じボスニア・ヘルツェゴビナのモスタールのバス停ではそんなもの取られなかったので盲点だった。運転手に手荷物代のチケットを渡したが、更にバスターミナル使用料3マルクを払えと言ってくる。

さっきの人は2マルクと言っていたし、引き換えチケットをくれなかったらただの運転手のポケットマネーじゃないか。それより手持ちのマルクがない。
「もうマルクは持ってないんだけど・・・」と財布を見せると、背の高い気難しそうな運転手は人の財布の中を勝手に指で掻き回してくる。そして5ユーロ札を見つけると、何の断りもなしに勝手にそれを抜き取って自分のポケットにしまった。

むかついた。めちゃくちゃむかついた。断りもなしに勝手に人のお金抜き取る奴がいるか?あと3兌換マルクは1.5€だ。

「ふざけんな!返せ!」と私が手を伸ばすと5€札を自分の頭上に高々と上げる。それを続けると「釣りを渡す、ほら!」とやっと8.5マルクの小銭を渡してきた。
「ボスニア出るのにこんな金いるか!ぼけ!他の店で両替してくるから一度5€返せ!」
私がお札を取り返そうと手を伸ばしても、札を高々と上げて一向に返そうとしない。なんなんだこいつは!もう行く前からセルビア人が大嫌いになった。

結局返してくれないので、仕方なく8.5兌換マルクを受け取り、近くの売店で5兌換マルク分のお菓子とコーラを購入した。大型バスじゃなくトイレが付いてないから、休憩時に寄るトイレ代に少し残しておいた方がいいだろう。エルサルバドルの国境のように「国境使用料くれ」とか言われる可能性だってあるかも知れない。(結局全額余った)

パンを3マルクで購入しなければ払えていたのにな。そして購入したパンは驚くほど不味かった
移動中は絶景だったので何とか気を静めようとしたが、その後も運転手は客はそのままで自分だけコーヒー休憩に行ったり、休憩中にトイレに行っていいかと聞いたら渋ったりと物凄く態度が悪かった。くたばればいいのに。

ベオグラード到着

19時。怒りが治まらないままサラエボのバスターミナルに到着。運転手は最後まで1度も笑顔がなかった。
駅のATMでセルビアのお金を下ろす。手数料は記載はされるがやはり後日明細を見ると引かれてはいない。

宿までバスで行く。SIMカードがないのでマクドナルドを見つけてWi-Fiとトイレを拝借する。何も購入していないが。

この目の前にバス停があるのでここから乗る。ここのバス停は女性も男性もほぼ全員がたばこを吸っている。なんという喫煙率、そしてガラが悪い。あまりの煙たさに一瞬で肺がんになるかと思った。

予約した宿のGoogleの口コミを読むと「駅からは離れていますが、大丈夫、あなたはここまで無料で来れます。」というのがあった。バスのチケットの買い方がわからないので乗る人らを観察すると誰ひとりとしてチケット代を払っていない。セルビアは全員無賃乗車なのか。

それでバスはこんなにボロボロなのか??どうやって運営しているのだろうか。
そして私も地元の人にならい無賃乗車することにした。

Fair and Square Hostel

ホテルに到着。広くて清潔。11.5€、セルビナディナールでも支払い可。ここの受付の女の子は感じが良かった。

同室のトルコ人男性がまた一日中部屋で電話をしているタイプだったのでルームメイトガチャはハズレ。
そして私に「チン?」と聞いてくる。「チャイナ?」はいいが「チン?」は無性に腹が立つ。

共用部分もキッチンも広く使いやすい。

そして何よりこいつらがかわいい。毎日癒された。

近くのスーパーで買い物をして自炊する。ラム肉が安かったので買ってみたが、めちゃめちゃ固かった。日本で売られているのは子羊の肉だけだったのか。野菜はタダかと思う位安い。


どこでバール鉄道のチケットが買えるか

次の日。
今日は「ベオグラードから鉄道やバスで行けるノビサドという街が綺麗」とネットで見たので行ってみる。
あとベオグラードとモンテネグロのバールを結ぶバール鉄道というのがバルカン半島で1番の絶景鉄道という記事を見た。是非それに乗りたいのだが、最近駅の場所が変わったらしく、ブログの記事の駅はどれも「閉業」となっていた。チケットはネットでは買えず窓口でしか売っていないらしい。ノビサドに行くついでに鉄道駅に行って聞いてこようと思う。

ベオグラード鉄道中央駅

宿からバスに乗って鉄道駅へ。45分かかるので結構遠い。まあ無賃乗車なんだけど。
かなり最近出来た駅舎のようだ。だからネットに情報が出てこないのか。

近距離のノビサド行きのチケットは機械で買えた。機械はクレカ払いのみ。
窓口ではバール鉄道のチケットが売っていた。乗り場もここから。
しかし窓口のおばちゃんが「明日の寝台は空いてる?」「明後日は?」「寝台いくら?」「6人用と4人用コンパートメントの金額差は?」「シート席はいくら?」など質問する度に鬱陶しそうにするので自分の乗りたいベストな座席を決めにくい笑 これもネットや機械で買えるようにしてくれないかなぁ。

結局、鬱陶しがられるので悩む時間がなく明日の夜の便のシート席を購入してしまった。寝台は明日はいっぱいだが明後日の6人コンパートメントなら空いていると言う。千円ちょっとしか変わらなかったので寝台にした方が良かったかな・・・

鉄道でベオグラードからノビサドへ

ノビサド行きの列車に乗り込む。直近の30分で到着する特急は満席で買えず、鈍行の1時間掛かる列車に乗った。鈍行の方が393ディナール(580円)と激安だ。

ノビサド鉄道駅

ノビサド駅に到着。Wi-Fiが繋がったので1時間はあっという間だった。

さすがにここはバスは無賃乗車出来ないだろうなと町の方まで歩いて行く。徒歩20~30分。

暑い…もの凄く暑い…

確かに綺麗な街なんだけど、西ヨーロッパから来た人からしたら見飽きた景色だろう。

途中で昼食。ここら辺でよく食べられているパンの中に鳥やケバブの肉が入っているピタパンだ。765ディナール。ビールも入れて千円以上したので観光地価格。

ヴァラディン橋を渡って更に街の奥まで行ってみる。

時計塔がある丘まで登る。ちょっと頑張り過ぎたかな。かなり暑くてしんどい。

ミニミニドブロクニク。

景色が良く楽しめた。涼しかったらもっと気持ち良いだろうな。
帰りも駅まで40分歩いたが、暑すぎて途中スーパーでジュースを2本買って飲み干してしまった。これならバスに乗った方が安かった。

帰りも鈍行列車で帰ってきた。20時にベオグラード到着。
ノビサド駅からはいろんな方面に列車が出ているようで、残りの現金を消費しようと窓口に行くとかなり並んでしまった。

バスで宿に戻る。同じ部屋のトルコ人はやはり観光もせず1日中部屋で電話しているか寝ているだけ。夜も寝るの早いし、昼を過ぎてもまだ寝ている。本当に外国人ってなんであんなに寝れるのだろう。


明日はベオグラードを観光したら期待のバール鉄道。寝台シート席の旅。