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帰国、世界一周終了(Day473)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ11日目

スリランカ最終、とうとう帰国日。

バンダラナイケ国際空港

22時半。ローカルバスの駅から15分歩いてバンダラナイケ国際空港に到着。
空港に歩いて来ているのなんて、私位のもんだ。

チェックインと出国手続きを済ませ、ラウンジへ。
Trip.comのダイヤモンド会員だと、航空券予約時に無料のラウンジクーポンが貰えるので、それでラウンジに入る。
従業員も全然いないし、食事もクッキーしかないけど、スリランカでは高額で売られているビールが飲めるのがありがたい。

本当は深夜0時発の飛行機の予定が、キャセイパシフィック航空が直近でエンジンから火災が出たとのことで、点検のため深夜の2時半出発になってしまった。香港での乗り継ぎに間に合わず、香港から日本へ帰る便は朝の10時だったのに16時半に変更。日本に到着するのが夜遅くになってしまった。

キャセイパシフィック航空では、数年前も香港で24時間の遅延があり困った。こういう時って減額してくれたらいいのに。
航空券代はスリランカのコロンボから関空までで、香港乗り継ぎありの49,700円。

不満に思いながら、機内食を頂く。夜中に食事とかいらないけど。

香港チェクラップコク国際空港

朝の10時半に香港国際空港に到着。

乗り継ぎ時間が1時間半の絶妙な航空券を購入したのに、ここで6時間も時間を潰さないといけなくなった。

ラウンジをハシゴしようと、Plaza Premium Loungeに行き、プライオリティパスの新しいカードの番号と有効期限を伝えたのだが、「カード本体がないとだめ」と、受付の厳格そうな角刈りのおっさんに冷たくあしらわれた。
私は世界一周の途中でプライオリティパスの有効期限が切れ、カード本体は持っておらず、実家に届いた新しいカードの番号しか持っていない。

「はぁ?!ヨーロッパとか北欧とか、これまでのラウンジはこれで入れてくれたんだけど!
と詰め寄ったが「だめ。」の一点張り。もう1つのPlaza Premium Loungeに行っても断られた。
「本体カードからQRコードを生成して人数を管理してるから。どこのPlaza Premium Loungeに行っても無理だよ。」と言われた。

ヨーロッパの人らみたいに、1人位、そんなこと気にせず入れてくれてもいいじゃないか。
私はあんたの国の飛行機が火を噴いたせいで時間潰しを強いられてるというのに、はぁ??!

Chase Sapphire Lounge

別のラウンジに来て、プライオリティパスの番号と有効期限だけで入れてもらえないか頼んでみる。めちゃくちゃ愛想の悪いお姉さんだったが、「やってみるわ。」と言って番号を入力し、無事に入れてくれた。

ラウンジに入れて、Wi-Fiが繋がっていたら何時間でも時間が潰せる。助かった。

お腹はいっぱいだったので、バーカウンターでお酒を頼んでみる。美味しい。

こちらのバーテンダーのおばさまは愛想よく、そこら中の人にパフォーマンスをしながらお勧めのカクテルを作ってくれた。

日本へ

16時半。やっと飛行機が出発。

機内食。ハーゲンダッツのアイス以外は美味しくなかった。でももう直ぐ、帰国すれば美味しい蕎麦がいつでも食べられるだろう。

世界一周中の飛行機から見るラストシーン。2年弱の旅が、今、終わろうとしている。

65ヵ国を巡り、世界中を駆け抜けた記憶が蘇る。

昨年の冬、治安の悪さにドキドキしながら南米ひとり旅をスタートさせたコロンビア、インカの神秘を感じるペルー、日々の通貨暴落に驚愕したアルゼンチン、淋しそうなイースター島のモアイたち・・・・
英語力強化で留学したフィリピン、友人と周った美しいウズベキスタン。旧ソ連国の不思議な雰囲気に魅了され、夢中で周った中東。この旅で1番印象深かった、独特の空気感を持つイラン
愉快な人らがいるアフリカ、すれ違いざまに殴られた強欲モロッコ、毎日の移動が辛い辛いといいながら、実は美しい街並みを歩くのが楽しくて、やめられなかったヨーロッパにリベンジのインド

旅路の中で出会った人々、共に過ごした時間、触れた文化と景色の全てが、浮かび上がり、そして徐々に消えゆく。
計画なんて意味がなく、ただ流れに身を任せた旅。

最初は6か月位・・・など思っていたが、1年半掛かってしまった。

あの時の空気感のままで、二度と同じものは見られないし、同じ場所で二度と同じ人には会えない。
出会った人々の笑顔、暖かさ、優しさ、忘れないでおこうと思うのだが、もう旅の初期の記憶は薄れていってしまっている。

そしてまた、今、あの窮屈だった日本へ戻ろうとしている。
日本で働き出して日常に戻れば、これらの素晴らしい記憶も忘れていってしまうのだろうか。
日々の喧騒に追われるうちに、旅の思い出が少しずつ、そしていつか消えてしまうのだろうか。

忘れたくない、この記憶を。あの瞬間こそが、素晴らしかった、輝いていた。
世界一周は、間違いなく私を自信ある私に変えた。

窓からのいつもの雲の景色。旅先で出会った人たちの顔を思い出しながら思う。

やはりずっと旅していたい。


ー 世界一周 完 ー

ミリッサからコロンボへ移動。コロンボの荷物預かり場所情報。バワ建築のThe Gallery Caféへ(Day472)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ10日目

スリランカ最終日。今日はミリッサから、スリランカ出発地点のコロンボへ向かう。

ミリッサからコロンボまで、エアコン付きバスで行く方法

ミリッサからは、コロンボとは反対方向になるが、東にあるマタラという所まで戻り、マタラからだとコロンボまでのエアコン付きの直行バスが出ているらしい。

12時。宿をチェックアウトして、大通りでローカルバスに乗り込む。
東へ行く方向のバスに乗れば、全てマタラに着く。70ルピー(35円)。

10分乗ったら、マタラの街に到着。ミリッサよりかなり都会。

マタラのバスステーション

終点がマタラの大きなバスステーション。

とても広くて、看板を見てもコロンボ行きのバスがどこから出てるか全く分からない。
やはりその辺の人に「コロンボ行きのエアコンバスどれ?」と聞きまくる。

エアコン付きのバス乗り場は、さっきのロータリーから出たマタラ・ビーチ前にあった。

バス乗り場に着くと、愛想のいい案内係のおじちゃんが、コロンボ行きのバスに案内してくれた。
料金は外人も現地の人も、同額でチケットをくれるから安心。1,130ルピー(550円)。
出発時間を聞いたら、決まっていなくて満席になったら適当に出発する仕様のよう。
「うーん、あと10分位。」と言われた。

乗り込む前に、横の売店でエビの揚げ物とコーラを購入。
売店は3軒あったが、外人はあまりここには来ないのか、近づくとどこも勧誘が凄い。コーラと合わせて220円だったからボラれてはいないだろう。

12時25分に出発。
スリランカで初めてエアコン付の窓が閉まっている高速バスに乗る。
ずっと大混雑のローカルバスばっかりだったから、とても快適だ。

コロンボフォートのハイウェイ・バスステーション

15時半。3時間で終点のコロンボフォートのハイウェイのバスステーションに到着。
道を歩くとトゥクトゥクの勧誘がすごい。

飛行機の時間は夜中だ。それまでコロンボを観光したい。
鉄道駅に行けばスーツケースを預ける所があるのではないかと、鉄道駅へ行ってみる。

コロンボで荷物を預かってくれるところ

駅の向かって左端の方に、CLOAK ROOMと書いてある場所がある。ネットでは「コロナ以降閉鎖されている。」と見たが、入ってみたらちゃんと営業していた。

受付の愛想の悪いお兄ちゃんが、一気にまくしたててくる。

「隣の階段を上がってこの小さい鍵で入口のドアを開け、中の部屋にロッカーがいくつもあるから、次はこの鍵で、お前のスーツケースが入る大きさのロッカーを開けて荷物を預けろ。最後に部屋の鍵を閉めて部屋の鍵はこちらへ戻せ。ロッカーの鍵はお前が持っていろ。何時間預けるんだ?閉店は20時だからそれまでに戻って来い、鍵を失くすと罰金がある。パスポート見せて。」

英文が長すぎて、理解出来ず、は??となっていると、別の愛想のいい従業員のおっちゃんが階段の上にある部屋の鍵を開けてくれ、やっと理解できた。

ロッカーのサイズは大・中・小とあり、中サイズに預けたら1日240ルピー(120円)だった。
なんて安いんだ・・・愛想は悪いが、感謝。

ダッチ・ホスピタル – ショッピング・プリーシンクト

荷物もなくなって身軽になったので、17世紀のオランダ統治時代の病院を改装したショッピングモールに行ってみる。

暑すぎて誰もいない。ほぼレストランで構成されていて期待はずれ。カニクラブ料理のレストランがあって美味しそうだったが、高額だったので入るのはやめておいた。
ショッピングモールだというのにトイレは有料だったので、別の大型ショッピングへ向かうことにする。

One Galle Face Mallというところが大きそうだ。15分位歩くが、トイレに行きたいので向かう。
ロータリーにもこんな狛犬てきなものがあるが、やはりどこかかわいらしくて笑ってしまう。

危うく悪徳トゥクトゥクに引っ掛かりそうに

歩いていると、スーツ姿のスリランカ人に「何人?どこへ行くの?」と話しかけられた。そういえば現地の人とあまり会話していないから、歩きながら会話を楽しむことにする。

彼とお互いのことを色々話す。
「俺はビジネスで出張中。そこのホテルに泊まっているんだ。君は今からどこへ行くの?」
「向こうに見えるOne Galle Face Mallだよ。」
「あそこは何も売っていない、よくない。City Centreの方がなんでも揃っていていいぞ、そっちへ行った方がいい。」
私のスマホの地図に場所を入力してくれたが、彼が教えてくれたショッピングモールは、口コミも少なく寂れているように見えた。それにここからかなり遠い。

「そうなんだ、後で行くけど、先にOne Galle Face Mallに行くわ。」
「今日はOne Galle Face Mallはイベントがあって16時半に閉まるんだ。City Centreに行った方がいい。」

今は16時15分、あと15分ある。ダッシュすれば閉店まで間に合うだろう。

「閉店時間を教えてくれてありがとう。急いで行くわ。」
「おい!どこへ行くんだ!もう閉まると言ってるじゃないか!」

そこに「はーい♪どうした?俺は彼の友達なんだ♪」といきなりトゥクトゥクが現れた。ドライバーが
「どこへ行くの?乗りなよ。」と話し掛けて来る。
こんなバスもビュンビュン通る大通りで、変なタイミングでトゥクトゥクが来るなぁと思いながら、別れの挨拶をしながらショッピングモールの方へ向かう。だが、それまでにこやかに話してくれていたビジネスマンは挨拶もしてくれなかった。

One Galle Face Mallはかなり綺麗は大型ショッピングモール。入口でセキュリティがあり高級店のようだ。
閉店の16時半まであと5分しかないのに、セキュリティゲートを次から次へとお客さんが通る。おかしい。。。
無事無料の綺麗なトイレに行き、16時半が過ぎたが、ショッピングモールは全く閉館する様子などない。

ここでやっと、あの愛想よく話し掛けてきたビジネスマンと、後からやって来たトゥクトゥクドライバーがグルだと気付いた。
閉館時間を嘘付いて、別のショッピングモールへ案内し、法外なトゥクトゥク料金をせびるつもりだったのだろう。
首都コロンボは、結構悪い人がいるようだ。いうことを聞かなくて良かった。

ゴール・フェイス・ホテル

スリランカ人に不信感を抱きながら、ゴール・フェイス・ホテルまで歩いて行く。

アジア最古のヘリテージ・ホテルというので、内装を見たくてやってきた。
無料で中に入って見学できるかなと思い入れてもらったのだが、入口からぴったり案内係の人に張り付かれた。やはりレストランかカフェを利用しないと見学出来ないようなので、時間がないので出る。

ここから本来の目的地まで、GoogleMapを見ながらローカルバスで向かう。36ルピー。

The Gallery Café

行きたい建物はこっちがメインなのだ。
ジェフリーバワの元オフィスをレストランに改装した建物。

やはり自然と調和した入口。

ちょっとバリを思わせるかのような、素敵なデザインだ。中と外の境界があいまい。

中のレストランに入ってみる。17時半という時間だとほぼ貸し切り状態で席が選べた。
ケーキが有名らしく、カフェ利用か食事利用か聞かれる。
シャンデリアの明かりは本物の火。地震が来たら落ちてきて火傷しちゃうね、なんて思ってしまう。

最初は椅子の席に案内されたが、後ろの背もたれがアイアンで出来ていて背中が痛い。座り心地が最悪だったのでソファ席に移動させてもらった。
ヘリタンス・カンダラマで食べたスリランカ・カレーをリベンジする。
今度はちゃんと20分位でサーブされて温かくて美味しかった。ビールと合わせて2,700円と観光客価格だが、バワ建築で食事が出来るなら安いものだろう。雰囲気もゆったりしていて最高だ。

19時半。そろそろ駅に荷物をピックアップしに行かないと。

ローカルバスでコロンボ・フォート駅に戻る。
無事、閉店時間の20時までに荷物をピックアップできた。

コロンボのバンダラナイケ空港行きのローカルバス乗り場

コロンボフォートには駅がたくさんある。最初、昼間降りたバス停で「空港行きのバスどこ?」と聞きまくったのだが、皆「あっち」と南を方を指差すだけでどの位の距離、「あっち」なのか分からない。
大通りに出ると案の定、トゥクトゥクドライバーに声を掛けられまくって、目の前のバス停なのに、「100ルピーで行ってやるから乗れ!」と言ってくる。

お金が余っていたら乗ってあげたいところだが、なんと手持ちの現金が250ルピー(125円)しかない。行きは空港からローカルバスで200ルピーで来たから足りるはずなのだが、ギリギリだ。
大丈夫だろうか。

親切なスリランカ人が「俺も空港へ行くんだ、ここだよ。」と一緒にバス停まで案内してくれた。
エアコン付きのミニバンがやって来たが、ニッポンレンタカーの中古。綺麗なので高そう。
地元のスリランカ人たちは次々に乗り込んでいく。外国人は私だけだ。
運転手が私を見るとほくほく顔で「お前は荷物があるから600ルピー。」と言われた。

「は?行きは200ルピーで来たから、200ルピーしか持ってないよ。」と言うと
「200?!そんな料金で行くわけないだろう。」と呆れられた。仕方ないの降りる。
600ルピーって、たったの300円。騙している訳ではなさそうだ。125円しか持っていない私があほ過ぎるのだ。

バスターミナルの案内係のおじいちゃんに
「もう帰国するから全部使っちゃって250ルピーしか持ってないの。さっきのバスに600ルピーって言われたんだけどどうしたらいい?」と聞くと、おじいちゃんも呆れて
「250ルピーって・・・じゃあローカルバスに乗りなよ。そこの大通りのバス停から乗れるよ。」と教えてくれた。

ATM手数料を払って、足りない350ルピー(200円)を降ろす気にはなれない。というよりATMの場所を探す方が面倒だ。頑張ってこの喧騒の中、空港行きのバスを見つけて乗らなけらば。

大通りに出て、また道行く人にバス停の場所を聞く。
散々色んな場所をたらい回しにされ、しんどいはずなのだが、これでもう最後、こんな道を人に聞きまくりながら歩くのも最後なのだと思うと、これまでの国々でのバス停での景色が頭によぎり、胸が熱くなった。

目の前で停車したバスの運転手に「空港に行く?」と聞く。
「これじゃなくて187番のバスだよ。」と優しく教えてくれた。

187番のバスは直ぐにやって来た。節電で真っ暗なのだろうか、それとも壊れているのか。
夜でも女性や家族連れが乗っているし治安は大丈夫そう。乗り込んでチケット係に200ルピー渡す。

外の景色を見ながら感慨にふける。

これで本当に世界一周が終わるのだ。

バンダラナイケ空港のローカルバス降り場

ローカルバスに乗ると、耳の穴まで砂や排気ガスだらけ。
しかも停車するのは空港から徒歩15分位離れた場所だ。ここはエアコンバスで空港まで行くのが賢明だろう。朝食代を800ルピー位に抑えておけば600ルピーは余っていたのに。

スーツケースを引き摺り空港へ向かう。トゥクトゥクドライバーに「200ルピーで空港まで行くよ?」と話し掛けられるが、そんなお金も持ち合わせてないのだ。
空港までの道は工事中の壁で歩道が塞がれていて、仕方なく車道を歩く。車にひかれそうで怖い。

今朝、ミリッサの海辺で、洋食朝食セットを食べたせいでお金が足りなくなったことをひたすら後悔しながら、帰国便が出る空港へ向かった。

エッラからミリッサへ移動。海辺でスリランカのシーフード堪能。(Day471-2)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ9日目

本日はエッラからミリッサへバス移動。

エッラからミリッサ行きのバス

今日もMad Monkey Hostelの朝食を頂く。この宿はあたりだった。なぜか昨日は付いていなかったバナナが2本付いている。
中国人の男の子や宿のオーナーに別れを告げ、チェックアウトした。

バス停まで歩く。スリランカの家ってちゃんとコンクリート梁で出来ているんだな。支柱が曲がっているのが日本と違うけど、施工方法は同じ。
帰国したら早く家づくりの仕事がしたい。

朝の道路の市場。ほのぼのする。

エッラからミリッサ(ゴール)行きのバス停

昨日、警官に聞いたバス停。ゴール行のバスに乗れば手前のミリッサで降りれる。
ゴール(GALLE)行きの朝のバスは7:10、9:40、11:30、12:15の4本。

9時40分発のバスに乗り込む。欧米人も一緒に大勢バスを待っていたので、さっさと早く乗り込んだらなんとか1番後ろの座席に座ることができた。足元に隣のお姉ちゃんのバックパックが置いてあってすごい邪魔だったが。料金は750ルピー。

学校帰りの子供たちも乗り込んでくる。通学経路のバスに乗ってしまって申し訳ない気分。

スリランカのローカルバスは相変わらず飛ばす。隣の席のスリランカ人のおばちゃんは、車酔いしてビニール袋にゲーゲー吐いていた。

ミリッサに到着

14時。ミリッサのバス停で降ろされた。4時間半もローカルバスに乗っていて結構きつかった。

Summer House(ホステル)

バス停から近いホステルを予約したが、これが旗竿地にあって、東側の道路からは見えているのだが他の家の壁に阻まれてアクセスできない。ぐるっと大回りして、北側の細道から入って行かないと辿り着けないのだが、GoogleMapにもそんな道は出てこない。

ここが入口。その辺で工事している地元の人に聞き、入口まで道案内してもらった。アフリカと違ってお金を要求されないのがスリランカのいいところ。

門を開けると、中にはおばあちゃんがいて、2階の部屋に案内してくれた。ここはホステルというより普通の家だった。余っている部屋を貸しているようだ。

シャワールームもとても綺麗だ。1泊1300ルピー(650円)。

観光に出たかったが、部屋に入ったタイミングで大雨が降り出した。

暇なので、テラスでおばあちゃんが、木の板に細い針を打ち付けてレースを編んでいるのを眺めた。

「日本にもレースはあるでしょう?」興味津々で覗き込む私におばあちゃんは言う。

「あるけど機械でオートマチックだよ。」そう言って見せてもらった。昔の風景っぽくていい。

そうしていると、美男美女の若いオーナー夫婦が戻って来た。こんな住宅地にあまり客は来ないのか歓迎された。部屋代を支払いWi-Fiを繋げてもらう。

ミリッサ観光

夕方、大雨が止んだので外へ出てみる。ここでも日本の中古トラックが活躍中。

ミリッサもまたこれまでの街とは雰囲気が違う。
ゴールという地名の方が聞いたことがあるし有名だと思うのだが、観光客が多そうなので少し手前のミリッサにしたのだ。

ミリッサの観光と言えば海しかない。服の下に水着を着てきたのだが・・・
泳ぐには少し暗くなってきたか。地元のスリランカ人男女4名だけ泳いでいたが。女性はやはり水着の上に服着用。

また雨が降ってきた。潮が満ちてきてレストランと海の距離がおかしい。
寒いので泳ぐのはやめて食事をすることにした。
ミリッサの海岸はこじんまりしていて、数件しかレストランがない。

いくつか見て回って雰囲気の良さそうな店に入る。店頭に並ぶ魚の説明をしてくれる。朱色の魚をやたら勧められたが、なんの魚なんだろう・・・笑

雨が降っているのでテーブルの上にパラソルを立ててくれた。
魚は高かったので、「イカを少量で」とイカのガーリックバター焼きを頼む。
ビールと合わせて4,300ルピーと観光地価格。

それでも2千円ちょっとで、波の音を聴きながら食事ができるなんて最高ではないか。海を見ているとひとりでも飽きない。スリランカ宿泊、最後の夜思う存分楽しんだ。


次の日。
今日はスリランカ最終日だ。今夜の飛行機で日本に帰国する。

昨日とはうって変わって、晴天。
せっかくミリッサに来たのだから、チェックアウトの時間まで泳ぎに行くことにする。

朝の8時半。レストランもまだどこも開いていない。誰もいない海を独り占めして泳ぎまくった。風が強くて波が大きい。

Ourworld Wi Fi Cafe

9時、やっとオープンした、唯一あるローカルレストランっぽい所に入る。ちらっとのぞいたキッチンの衛生面はスリランカ・クオリティ。私は気にしないけど。

Wi-Fiカフェとは名ばかりで、Wi-Fiなんて飛んでなさそうだったが。空港で1週間しか契約しなかったSIMカードは昨日で使えなくなったので、またTrip.comのe-SIMを2日分1.5$で購入している。それを使って時間を潰す。

客は私だけ。こんな景色で朝食が食べられるなんてまた最高。
あまり愛想のないおっちゃん二メニューを見せてもらい、安いスリランカ・モーニングセットをオーダーしたが、「ない。」と言われ、強制的に高い洋食モーニングになってしまった。
残りの現金があまりないのに、ここで1,250ルピーも使ってしまったことが、今夜の空港行きのバスで効いてくる。

ミリッサの海岸にはトイレもシャワールームも無いので、水着の上からびちょびちょTシャツとパンツを履いて宿へ戻る。
ミリッサものんびりしていていい場所だった。宿も綺麗だったし、帰りの飛行機を取っていなかったらここに何泊かしただろう。

宿の前の仏教のお寺。

宿でシャワーを浴び、オーナー夫婦にお礼を言ってからチェックアウト。ここがスリランカ最後の宿だったので、日本ではもう使わないだろうというものを、ゴミとして部屋に紙袋に入れて置いていった。

醤油、油、胡椒、塩など調味料の数々、屋内履きスリッパ、汚れたシャツにタオル、シャンプー類・・・

中がスカスカになったスーツケース。あと1日分の身支度分しか残っていない中身を見ると、これで1年半続いた世界一周も、とうとうもう終わるのかと、とても淋しい気持ちになる。

貯金はまだあるし、旅を続けようと思えば続けられる。
しかしもう最初の頃のような、どこへ行っても、何を見ても感動する新鮮な気持ちと好奇心がすっかり薄れてしまっている。旅慣れというやつだろう。そろそろリセット時なのだ。

空港を目指し、コロンボへ向かう。

キャンディーからエッラへ景観列車で移動。ナインアーチブリッジへ(Day469-470)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ7日目

本日はキャンディからエッラという町へ移動する。

キャンディからエッラまでの列車

7時半。宿をチェックアウトして鉄道駅へ向かう。
エッラ行きの列車の時刻は、予めスリランカの列車サイトで調べてある。

キャンディの宿、City View Hostelのオーナーは、今朝も切なそうな顔で「気を付けてね。」と丁寧に別れの挨拶をしてくれた。(元々そういう喋り方なのかもしれないが。)
私がチェックアウトするとあの淋しそうな殺風景な宿に、誰もいなくなることを思うと胸が痛んだ。

徒歩15分、鉄道駅に到着。歩いている途中、トゥクトゥクドライバーに声をかけられまくり。

前回で3等車は満席で懲りたので、エッラ行きの2等車のチケットを買う。600ルピー(300円)。
ホームに入る前に、駅の外の売店で大好きなコーラを買う。駅中の売店は高かったので外で買っておいて正解だった。

時刻表とホームの番号が、なんと今どき手動の木製プレートである。めちゃくちゃかわいい。
エッラ行きは8時50分に2番ホームから出るようだ。

プラットフォームには標識が全くなく不安なので、念のため駅員にもエッラ行きのホームの場所を聞く。2番ホームで合っているようだ。

列車は遅れて9時10分にやって来た。
ちゃんと2等車の乗り場に並んでいたのに、乗り込む時に駅員らにチケットを見せると「こっちの列車に乗りなよ。」と3等車の空いている席に座らされた。

2等車が満席だったから親切に案内してくれたようなのだが・・・
こっちは3等車の倍の料金(150円が300円にだけど笑)を払っているので、納得がいかない。3等車の座席は2等車の座席より固いのだ。

2等車は4両以上あったはず。もっと先頭の車両は空いていないのだろうか??と食堂車を抜け、3等車から、前方にある2等車の方に行こうとすると職員に止められた。
2等車の前方の方の車両は、同じ2等車でも前日までにネット予約した人しか座れないらしい。

2等車の当日販売チケット用の車両はわずか1両しかなく、浮かれポンチ欧米人たちで満席だ。
ネット予約用の席は、まだまだ空いているのに、なんて効率が悪いんだ。

仕方なく元の3等車に戻り、停車駅から乗り込んできた売り子から固いつまみ(コーンを揚げたもの)を購入して食べる。70円。今回は英語の教科書に包まれていた。
3等車の他の席の地元のスリランカ人たちは、素手でビリヤニを食べていた。

ヌワラエリア地帯を通る景観列車

この列車は、ヌワラエリアという紅茶が採れる地帯の横を通り、景観列車として有名らしい。

この紅茶地帯のヌワラエリアには、イギリス植民地時代に建てられたチューダー様式の建物や英国風庭園が多く残っているらしい。ここに降りる計画も立てていたのだが、キャンディでバス代をぼったくられたことで気持ちがそがれてしまい、飛ばすことにしてしまった。

9月のヌワラエリア。
どうにもこうにも天気が悪く、噂に聞くほどの景観列車にも思えない。

列車からの景色は、ヨーロッパのセルビア、モンテネグロ間のバール鉄道がやはり最高だった。

ヨーロピアンたちは、開けっぱなしのドアから体を乗り出したり、のけぞったり、わーきゃーわーきゃー騒ぎまくってうるさい。
そしてスリランカ人たちはトンネルに入る度に「ヒャッハー!!」と騒いでうるさい。あほですか
トンネルを通る度に、身を乗り出した欧米人が壁面にぶつかったりしないかひやひやする。

エッラに到着

15時45分。
キャンディ出発の列車は、エッラの駅に到着。
ここは終点ではないが、観光客らが皆一斉に降りるので、目的地に到着したことに気付く。

どうやら欧米人たちにかなり人気の場所のようだ。

欧米人に人気のリゾート地といった雰囲気。スリランカには様々な雰囲気の場所がある。
駅から宿まで15分ほど歩く。

Mad Monkey Hostel & Lounge

宿は、列車の駅と観光目的の橋がある場所の中間地点を予約した。1泊4.65$(690円)

靴を脱いで上がるスタイルで清潔だ。宿のオーナーも陽気で感じがいい。ドミトリーだけど、この2段ベッドが置いてある部屋を貸し切り状態。

しかし隣の部屋との間のドアは無く、隣の部屋の中国人の若い男の子が大音量でかける演歌みたいな曲が丸聞こえだ。
彼のベッドは下の段だけのはずだが・・・上段も、周囲も使いまくっていて荷物で溢れている。
世界一周中の最後の最後まで、なぜ中国人だけ音楽をイヤホンで聞く習慣がないのかは謎だった。

Ak Ristoro(レストラン)

たまたま宿の向かいに、日本人女性とスリランカ人男性のご夫婦が経営するレストランがあった。
凄くおしゃれで居心地が良さそうなので行ってみる。

ご夫婦は不在だった。
LIONビールとエビパスタを頼む。パスタ1,200円、ビール660円。
美味しい!めちゃくちゃ美味しかった。ビールは間違えて苦手な黒を頼んでしまったけれども・・・
さらに、Wi-Fiの速度も非常に速い。インドとスリランカに入ってからというもの、どこの宿でもWi-Fiが極端に遅く、ブログの更新がまったく進まなかった。しかし、ここであればインターネットも快適に使用できそうで、ストレスが溜まることもなさそうである。

近所の売店で特大サイズの水を買って宿に戻る。180ルピー(87円)であったが、また少しぼられているような気がする。

宿に戻ると、隣の部屋に宿泊していた中国人の若者の姿はなく、今夜は静かに眠れるかもしれないと思ったのも束の間。彼は深夜2時に帰ってきて、酔った様子でどこかに電話をかけたかと思うと、今度はスマートフォンで大音量の音楽を流し始めた。

「あの!うるさくて寝れないんだけど!」と注意すると
「あれ?もう寝るの??」とあっけらかんとしている。その後音楽は消してくれたが、30秒後に大いびきをかいて寝だした。これがまたうるさい。はっ?寝つき良すぎない?!
彼の全く悪気のない態度と屈託のない笑顔に、もう怒る気は失せてしまった。


次の日。

Mad Monkey Hostel の朝。

宿は朝食付きだった。男性オーナーが全てひとりで用意してくれる。
1泊700円もしないのにいいのだろうか。ホットシャワーも出るし、綺麗で居心地がいいので延泊することにした。

朝食を食べていると、例の中国人男子が、
「今日、何するのー!?僕と一緒にツアーでリトル・アダムス・ピークへ行こうよ!」
と誘ってくれる。

今日、どうしても行きたい場所があったので残念だが断った。
無防備な犬たちの間を抜けて、目的地へ歩いて行く。

ナイン・アーチ・ブリッジ(Nine Arches Bridge)

アーチ型の橋の上を通る鉄道を見に行く。中国人の彼は、昨日行ってしまったらしい。

宿からの近道はこんな茂みの横道を降りて行く。その辺のスリランカ人に聞いたら場所を教えてくれる。

ちょっとしたトレッキングコースをどんどん下って行く。

途中、列車が通る時刻表があった。頻繁に変更になるのか、ネットで見たのとは全く時間帯が違う。
そしてどの列車も、この時刻表の時刻からは30分以上遅れてやって来た。
12~13時半の間に3本位通るみたいなので、この時間帯に来るのがいいだろう。

昼過ぎ、ナイン・アーチ・ブリッジに到着。
ちゃんと9つアーチがある。列車好きにはたまらない、そそられる景観だ。

しかし・・・
12時半を過ぎても全く列車が来る気配がない。待ちくたびれてお腹が空いてきたので、山の上のレストランに行くことにする。

レストランからナイン・アーチ・ブリッジを見下ろす。

そして頼んだチャーハン(700円)がやってきたタイミングで・・・

あーっ!列車の汽笛が鳴って待ちに待った列車がやって来た。13時を過ぎている。
列車は、しばらくこの上で停車しているので、西洋人らが乗り込んだりして記念写真を撮っている。
私も近づきたいが、そうしたらテーブルに来たばかりのチャーハンを見捨てて山を降りることになる。
・・・なんてタイミングが、運が悪いんだろう。

チャーハンを食べ終わってから、山を降りたが、もう列車は通り過ぎた後。
列車を再び見るのを諦め切れず、次の13時50分の列車を間近で見れないかと、時間を潰すことにする。
トンネルの向こうまで歩いたり、近くで待機しているトゥクトゥクのドライバーに、近くの紅茶工場までの金額を聞いたりした。

この後、Uva Halpewatte Tea Factory(紅茶工場)へ見学へ行こうかと思っていたのだが、トゥクトゥクドライバーに「そこに行くのは3,000ルピー」と酷いボッタクリ価格を言われたので「やめるわ。」と返事した。

「待て、待て、2,000ルピーでいいから。」とドライバーは追いかけて来たが、後の祭りだ。

ナインアーチブリッジ周辺のジャングルを眺める。
こんなジャングルの中に住んでいる人がいるんだな。

14時15分になっても列車は現れなかったため、諦めて宿の方へ引き返すことにした。すると、5分ほど歩いたところで、遠くから列車の接近する音が聞こえてきた。急いで駅へ引き返したが、それは急行列車だったようで、すでに通過した後であった。
……あれほど待っていたというのに。つくづく運がない。

ゴール行きのバス

街中に戻ってきた。

明日はまた移動しよう。明日の移動経路の確認に、駅の方まで散歩してみる。
道端に警官がいたのでGoalという地名行きのバス停はどこか聞いたら、場所と時刻表を教えてくれた。

隣に列車の時刻表もある。ここからキャンディに行くならこの列車がいいだろう。私は反対方向のゴールへ行くのでバスにする。

今からでも紅茶工場に行く時間はあるけど、(そんなに紅茶工場に行きたいか?そんなに紅茶好きだった?観光を消化したいだけなのでは?)と自問自答する。
その結果、工場見学はやめて、昨日と同じレストランへ足を運ぶことにした

今日は、レストランにスリランカ人の旦那さんがいらっしゃった。パスタを注文すると、昨日対応してくれた店員が私のことを覚えていて、「昨日も同じものを頼んだね」と声をかけてくれた。昨日の方が美味しかった気がするが・・・作る人によって出来栄えが違う。

スリランカやインドで瓶ビールを頼むと、大瓶サイズしかないので量が多い。なのでレストランでは頼まなかったのだが、やはり小さい缶ビール位は飲みたい。

お酒を売っている場所を探して街を彷徨うが、いくつお店に入ってもぜんぜん見当たらない。
そこら辺のスリランカ人に聞きまくる。

かなり鉄道駅の方まで歩いて、やっと酒屋を見つけることができた。インドもそうだったが、スリランカもお酒が高い。350mlのビール缶を300円ほどで購入する。お酒を飲めない人は、旅費がかなり抑えられるだろうな。「じゃあお酒を飲めない体質を選ぶか?」と言われると、飲める体質に生まれてきてよかったと心から思うが。

酒屋を見つけるまで、現地の人に何度も道を尋ねた。スリランカでは、不確定要素が多く、人に聞かないと目的地に辿り着けない。そんな不便さも、かつてのバックパッカー旅を思い出させてくれ、ロールプレイングゲームのようで楽しい。

宿に戻って寝ていると、今夜も隣の部屋の中国人の男の子が「オーマイガ♪ オーマイガ♪」と叫びながら、夜中の2時に酔っぱらって帰ってきた。英語で誰か女の子と電話をしている。どうやら彼は夜な夜なクラブに通い、そこで外国人の女の子をナンパし、電話で口説いているらしい。
…若い男の子は大変だなぁ・・・笑

そんな彼に、「みきぷ!なんでヌワラエリア行かないの?イギリスみたいな建物があって、とってもいいのに!」と何度も勧められた。彼の無邪気な態度に、ここ二日間は癒された。

彼の話を聞いてヌワラエリアにも立ち寄ってみたくなったが、残念ながら日本帰国のフライトはすでに予約済みである。先を急がなくては。

明日は海辺の街、ミリッサへ移動する。

シギリアから聖地キャンディへ。閑古鳥の宿のオーナーが切ない(Day468)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ6日目

今日はシギリアの宿をチェックアウトして、聖地キャンディーへ向かう。

朝、シャワーを浴びようと思ったら、ガマガエルがシャワーヘッドを占領している。
切ない目でこっちを見ながら、喉を鳴らしていて、なんとなくかわいい。
部屋に入り込んでくる猿とカエル。スリランカの自然は素晴らしい。

シギリアからキャンディ行きの直行バス

昨日、River Retreat Sigiriya ホステルの女性オーナーから、シギリアからキャンディ行きの、バスの行き方は聞いている。

このレストランの向かいから、キャンディ行きのの直行バスが一日一本、朝の6時半に出ている。
それ以外の時間だとダンブッラで乗り換えになり、ダンブッラからは満席で座れないと言われた。

眠いが仕方ない。バスでは座りたいので、早起きして朝6時半に目印もないもない場所でバスを待つ。
他に誰もいないし、本当にこの場所で合っているのだろうか。

こんな辺鄙な場所にバスなんか来るのだろうかと疑ったが、6時半過ぎにバスがすごい勢いでやって来た。
見過ごされてしまわないよう、大きく手を振ってバスを停める。

チケット回収係の人が、私のスーツケースをバスの後ろのトランクへ入れてくれた。
無事、キャンディ行きの早朝の空いているバスに乗れた。

スリランカのバスは、やはりドアは開けっぱなし。
途中で乗客がどんどん乗ってきて、あっという間に満員になった。
チケット係は、私以外の地元の人々からはバスの料金を徴収するのに、なぜか私には言ってこない。
不思議に思いながらそのまま乗る。

ぼったくりバス

9時過ぎ。約2時間半でキャンディーに到着した。
バスはここが終点ではないので、慌てて降りる。
降りると、チケット係の若い男性は私をバスの後ろのトランク置き場まで連れて行き、スーツケースを出してくれる。

そしたバスの料金を聞くと「1,000ルピーだ。」と言う。
「高いわ!」
これまでのバスの料金と違い過ぎたので、思わず叫んだが、チケット係の男性は目を逸らす。
「本当に乗客全員、1,000ルピーも払っているの?」と聞くと
「・・・Yes・・・」と気まずそうに言う。

乗って来たバスが、もう出発するというので、揉めるのも面倒なので1,000ルピー払った。
2時間半も乗って、たったの500円だし。

これまで乗ったバスで貰ったバスチケット

のちに宿のオーナーに「キャンディシギリヤ間のバス代っていくら位なん?」と聞くと、「知らないけど・・・たぶん5~600ルピー位じゃない?」と言う。やはりぼったくられていた。

これまで乗ったバスは、乗ったらすぐにチケット係が、ちゃんと料金を書いた紙を機械で発券してくれていた。あのチケット係は、他の乗客がいる前ではボッタクリの金額を私から徴収出来ないから、最初から私だけは発券せず、誰もいない場所で金額を徴収する形を取ったのだ。
スーツケースを背後のトランクに入れ、その場所まで連れて行きチケット代を回収する流れが、あまりにもスムーズだった。これまでも外国人旅行者から、この方法でお金を騙し取っていたに違いない。

ぼったくられた金額は200円位。惜しくはない金額だが、なんとも素直に騙されてしまった自分が悔しい。

スリランカ人はインド人よりずっといい人だと聞いていたので、油断し過ぎたしショックだった。
どこにでも悪い奴はいるものだ。今後はもうちょっと警戒しないと。

City View Hostel Kandy

宿はバス停からと、佛歯寺からも、近い場所を予約していた。
Booking.comでのホテル名はCity View Hostelだが、Googleマップ上の名前はなぜかMLSC hostelとなっている。ドミトリーで2,000ルピー(930円)

9時半に宿に着く。
入口に近所の怪しいおっちゃんらがたむろしていて、私の姿を見るなり「お前はあっちだ。」と、旅行者で賑わっている、隣にあるカフェを指差された。
外国人はこんな安宿に泊まらないのだろうか。「ちゃうわ!」と言いながら宿へ向かう。

恐る恐る、階段を上ってレセプションへ。
若いくりくり髪の毛のオーナーは、クチコミ通りとても親切で、私がここを通る度に気に掛けて話しかけてくれる。
いつ見てもなぜか悲しそうな顔をしながら、ゆっくりとした英語でだ。

宿のWi-Fiのパスワードが「onemorestay(もう1泊して)」だった。
彼は私にも、「泊まるの1泊だけなの・・・そう・・・」と悲しそうにつぶやいた。
キャンディでは皆、長居はしなくて、儲からないのだろうか。ちょっと切なくなる。

私の他の宿泊者は、インド人男性1名だけ。
全部で3部屋ある宿で、私にはこの6人部屋が貸切になった。
清潔だったが、殺風景過ぎてオーナーの態度と相まってこれまた切ない。

ミニマリストを目指していたら、これが究極の部屋の形になるのだろうか。
なんとも味気なさ過ぎて、落ち着かなかった。

部屋からの景色。
雨が降ってきて出掛けるのが億劫になったが、キャンディには一泊しかしないので、観光に行かなくてはならない。

キャンディのフードセンター

雨が止んだので街へ出る。

化粧水がまた切れたので、歩いて行けるショッピングモールまで買いに行くことにする。
そのショッピングモールの横の、立体駐車場の最上階にフードコートがあるようだ。

スリランカでは、これまでスリランカカレーコットゥなど食べたが、他にも美味しい地元グルメがあるらしい。
そんな地元料理の数々が、このフードコートの窓口で買える。
上部に設置されたモニターで、メニューと料金が見れるので分かりやすい。
安さで人気過ぎて、地元の人らで溢れ返っているので、席には中々座れなかった。

まずはエッグホッパー60円。美味しい。

これは名前を忘れた。クレープのような生地とカレー。50円。酸っぱくはないけど、食感はインジェラそのもの。懐かしいエチオピアを思い出した。

食後のデザートにソフトクリーム65円を頼んだが、水の味しかしなかった。
これがスリランカクオリティ。本当にありがとうございました。

キャンディ・シティ・センター

隣のショッピングモールへ。いつも化粧水を買うのに利用しているメイソウはなかったが、またもジャパニーズショップのパッチもんみたいなお店があったので、そこで化粧水購入。
全然肌は潤わなかったが、帰国まであと数日なので、これで耐えることにする。

ショッピングモールの食料品売り場はこんな感じ。ビールが売っていないか、のぞいてみたが、地下の別の売り場にあるようだ。
インドでもスリランカでも、アルコールは別売り場で、レジや在庫は鉄格子の中にある。金額が高いから盗まれるのだろうか。

世界遺産の仏歯寺へ

川を横目に見ながら、世界遺産の仏歯寺へ向かう。

寺の周囲の、庭部分に入る。午前中に雨が降ったので道がぐちゃぐちゃ。

ぬかるみだらけで歩きにくい。

八角堂

シンハラ建築(古代から中世にかけてのシンハラ王国の時代に最も栄えた建築)の建物で、もともとは王の休憩所。今は図書館になっている。

これらの建物の内部に入るには、靴を脱がないといけない。
このどろどろの地面の状態で靴を脱ぐのが・・・
気持ち悪いし、足洗い場なんてないので、再度履くときに靴が汚れるし。

うーん・・・入るか、やめておくか・・・かなり悩む。

しかし、どう考えても、キャンディーに来て、この世界遺産のお寺に入らない人はいないだろう。

意を決して入り口の靴預り所で入場料2,000ルピー(1,000円)を払い、靴を脱いで中へ向かう。

やはりスリランカ人は無料のようで、中にたくさんいる。

象牙が飾られた祭壇がある。亡くなった象から取ったものだといいんだけど。

一日3回のプージャ(お祈り)の時間には扉が開かれ、仏歯が入った金色の入れ物を見ることができるらしい。凄い人だかりのようなので、時間はずらした。

2階へ上がる。
地元の人らにとってはかなり重要な祈りの場らしく、真剣にお祈りをしている人の数が凄い。
あまりの混雑ぶりと、そこまで敬虔な仏教徒ではない私は、場違いな気がして、仏歯の入れ物を見るのは諦めることにする。

象が通り抜けられるだけの高さがある色鮮やかなトンネル。

そこからバルコニーに出てみると、警備員の若い男の子に「こっちへ来い。」と呼ばれる。

何かと思って話を聞くと、今日はキャンディのお祭りがある日で、夜にあの川の向こうでダンスが行われるらしい。

なんてことはない、そこまでの案内とダンス鑑賞の営業だった。1時間2,000ルピーだと言う。全然興味がないので、断ってお寺を後にする。

近所のスーパーの地下で、缶ビールを買って宿に戻ってきた。

殺風景な部屋でひとりで飲むビールは少し孤独。ドミトリーが貸し切りだとかなり淋しいな。
ここに、他に誰かがいるのといないのとでは、キャンデーの夜の感じ方は全然違っていただろう。

スリランカは、気に入ればヌワラエリアゴールなど、もっと観光しようかと思っていたが、他の旅人にも全然会わないし、今朝、バス代を騙されたことで、さっさと出たい気分になってきた。

日本への帰国日が近づいてきた。明日は列車でエッラへ移動する。

ど田舎のシギリヤで癒される。貧乏人はピドゥランガラロックからシギリアロックを臨む(Day466-7)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年9月。スリランカ4日目

シギリアに到着し、シギリアロックを眺めながら予約している宿へ向かう。
宿はここの近くを予約している。

Kalana Homestay(ホステル)

シギリヤにはドミトリーもあったが、個室のこっちの方が中心地に近くて安い。ダブルルームで5$(743円)。

訪問すると、おばあちゃんが愛想のいい笑顔で迎えてくれた。英語は通じないがウェルカムドリンクを用意してくれて歓迎してくれる。テラスのソファーには、なぜか虎のぬいぐるみもいて癒された。

めちゃくちゃ清潔な部屋に専用のシャワールームとトイレ。綺麗すぎて感激した。
Wi-Fiの遅さは使い物にならないが、シギリアではどこもこんなものだと言う。
そして停電が2回起こり、扇風機が回らなくなって暑いので出掛けることにした。この停電する感じもラオスの田舎町を思い出していい。

宿にいた娘さんは、少し英語が喋れたので周囲の観光について教えてもらう。
「アーユルヴェーダをやってみたいんだけど。」と言うと、宿の目の前のお店を紹介してくれた。
最近オープンしたようでGoogleMapには載っていない。
今すぐ入れると言うのだが、支払いが現金しか駄目とのことで、現金を下ろしにATMへ。

宿の目の前にATMがあったのだが、停電があったせいか画面が変になっている。銀行に併設していないATMにクレジットカードを入れて飲み込まれても嫌なので、かなり離れたATMまで歩いて行ってみることにする。ずっとこんな田舎道。

もうひとつのATMもこんな辺鄙な場所にあり、やはり銀行と併設していなくてクレカが飲み込まれたら困るので、下ろすのは止めておいた。

夜になった。道が真っ暗すぎて宿の周囲しか歩けない。夜は野生の像に襲われるので、歩くと危険らしい。
宿の周囲のレストランに、クレカが使えないが何軒も聞いて周ったが、見事にどこも現金しか無理だった。シギリアがこんなド田舎とは思わなかった。都会でもっと現金を下ろしてくるべきだった。

宿の目の前のATMで、他の誰かがちゃんと現金を下ろせていたら自分も下ろそうと少し離れて観察していたら、ツアー帰りのカップルがやって来た。男性の方がクレジットカードを入れたら、なんと飲み込まれて出て来なくなった。

「オーマイガー!オーマイガー!お前もここでお金を下ろしたか?!」

慌てまくる男性が駆け寄って来て聞かれたが
「いや・・・下ろしてない。ごめん。」と答えてその場を去る。
・・・・『今日、停電があってATMの画面がおかしいから気を付けろ。』と言ってあげたら良かったかな。見学していて実験台にしちゃって、ごめん・・・

あの男性は、明日の朝までクレカは取り出せないだろうな。
少し罪悪感を感じながら、近所の混んでいるレストランへ入る。

ビール一杯分の現金しか持っていないので、ビールだけ頼む。
お店の人に「食事はいらないのか。」と聞かれたので「ATMが壊れていて現金を持っていないんだ。」と言うと、親切に「ツケにしといてあげるから頼めよ。」と言ってくれた。
気持ちだけありがたく頂き、ビールでお腹を膨らませた。

最近、鏡を見ると、首やあばらの骨がすごく浮き出ている。食事を抜きまくっていて、一体この旅でどの位痩せたのだろうか。(帰国してから測ると10Kg減っていた。)


次の日。

朝、部屋の窓から隣の敷地を覗くと、なんと象がいた。
シギリアは象に乗る観光で収益を得ているようだ。

近くの川でも象に水浴びをさせていた。だが、水の深さが全然足りなくて、無理やり寝ろと足を叩いて横たわらせている。象は明らかに嫌がっていた。ちょっと、いや、かなりかわいそう。

宿の目の前のATMに行くと、画面はちゃんと直っていて現金を下ろせた。近所のレストランに朝食を食べに行く。
それにしても、ダンブッラでもそうだったが、外で座っていると目に向かって小さな虫がひっきりなしに近づいてくるので不快極まりない。
ネットで調べたら「メマトイ(目纏い)」と言うハエらしく、涙に含まれるタンパク質やミネラルを舐めようと寄ってくるらしい。どれだけ手で追いやっても目に向かってやって来るので、サングラスをかけることにした。少しマシになった。

ダンブッラで食べて気に入ったコッティを頼む。このコッティは、中に入っているクレープ生地をみじん切り部分がかなり多く、口の中の水分を全部持っていかれた。

River Retreat Sigiriya(ホステル)

宿がとても綺麗だったので延長したかったが、予約でいっぱいだった。
娘さんに「私の姉もホテルやってるんだけど、そこどう?」と言われたが「Wi-Fiが遅いからいいや。」と断り、Booking.comでクチコミの良かった宿へ行く。
GoogleMapの場所と少しずれていて、探しまくって辿り着いた先は宿泊していたホテルの裏(南)だった。

しかもここが、さっき娘さんが言っていたお姉さんのホテル。1,900ルピー(950円)。
12時。ネットで予約せず直接訪問したので、お姉さんのマドゥは驚いていたが、歓迎してくれた。
「ごめん部屋はまだ用意出来てないの。前の客がドアを開けっ放しでチェックアウトしたから、猿が三匹入ってきてめちゃくちゃ汚していったの!14時に部屋が用意できるけどいい?」と言われた。

確かに部屋の中をのぞくと、本当にどこもかしこも、バスルームの中まで泥だらけでめちゃくちゃ汚い。

お姉さんの方はかなり英語が正確で流暢だった。地図を出して周囲の観光や美味しいレストランなど教えてくれる。

「今からシギリアロックの横のピドゥランガラロックに行くから、すぐにチェックインできなくても大丈夫。」
そう告げて、荷物を置いて観光へ出掛ける。

ピドゥランガラロックへ

【シギリアロックとは】
5世紀にカッサパ1世が建てた古代の王宮跡。200メートル以上の高さを持つ巨大な岩山の上に建てられており、その頂上にはかつて王の宮殿があった。世界遺産。
岩山に登るための入り口は、巨大ライオンの口を通り、中腹の岩には美しいフレスコ画が描かれている。
カッサパ1世は、王位を巡る争いの結果、父王のダーットゥセーナ王を殺害して王位を奪取、兄弟であるモガッランの復讐を恐れ、シギリヤの岩山に要塞を築いた。

シギリアに着いた時はもちろん、シギリアロックに登るつもりだったのだが、なんと入場料が35$。5千円以上もする。
Googleマップの口コミを見ていると、どうやら貧乏人はシギリアロックの北にあるピドゥランガラロックという岩に登り、そこからのシギリアロックの眺めを楽しむらしい。

ピドゥランガラロックの入場料は1,000ルピー(500円)。
もちろん私はピドゥランガラロックの方へ行く。
この暑い中、徒歩で行く人はいないのか無人状態。

行き方はマドゥに教えてもらっている。シギリアロックを横目に見ながら西に大回りする。徒歩だと30分はかかる。
遠目に見たシギリアロック。登る階段が、大勢のインド人観光客でぎゅうぎゅうに埋め尽くされているのが見えた。うーん・・・やはり行かなくて良かったかも・・・

も入口に到着。宿からは45分も歩いているので結構遠かった。ここで入場料を払う。

入口はお寺になっているようだ。象の壁がかわいい。

早速登り始めたのだが、なんだこれ。かなり急でハードな道。

道・・・なのか?岩・・・なのか?

ずっとこんな感じの急な階段が続く。体力的に頂上まで行けるか不安になってきた。
運動靴、ペットボトルの水持参で懸命だった。足腰の弱い人には無理だろう。

日本にいる時は車でばかり移動していたので、自分には体力がないと思い込んでいた。しかし一緒に旅をしている人たちにはいつも「健脚」と言われる。知らない自分の一面を知ることが出来るのも、旅の醍醐味だ。

30分歩いてやっとひらけた場所に出てきた。

仏陀が寝ている。金箔が途中でなくなったのだろうか。

幸せそうな寝顔だが・・・やはり何故か笑ってしまう。なんでなんだろう笑
日本の仏像のように、薄目を開けている崇高な感じがなく、隣のおっちゃんが縁側で昼寝しているという雰囲気なのである。そこもまたスリランカの醍醐味なのか。

ここ以降の道もえぐい。
ここは本当に観光地なんだろうか。いや、金額的に現地人の聖地なのだろう。他に人も見かけないし不安になる。

ラストの道。
これは道というか、岩と棒を使って登らないと上には行けない。
困っていると、地上にいた女性が声をかけてくれ、上から私を引っ張り上げてくれた。これ、一人だと登れるのだろうか。

頂上に到着。遥か向こうにシギリアロックが見える。
道中は全く人に会わなかったのに、頂上はインド人観光客家族らが数十人いた。西洋人もちらほらいる。

美しいスリランカの大自然が、360度のパノラマビューで見れる。
世界一周の最後の地がここスリランカだ。こんな絶景を見れて幸せだと思った。

しばらく佇んでいると、他の観光客らはいなくなり、絶景を独り占めにすることが出来た。
どうやって登ってきたのか、ノラ犬も数匹いる。

ピドゥランガラロック側の岩とシギリアロック。とても神聖な景観。
風が気持ちいい。

絶景を独り占めで大満足。
麓に降りて、喉がカラカラだったので売店でコーラを購入。250ルピー(120円)。
宿までトゥクトゥクで戻りたかったが、商売気が全くなく向こうから声をかけてこないので、なんとなく片道40分を歩いて戻る。

宿に着いたが、マドゥに「急にガイドを連れてカップルが2名来ることになったから、そっちの部屋を掃除しないといけないの。ごめん、もう2時間待って。」と言われた。
いや・・・私の方が先に予約したんだけど・・・

後から来たカップルは西洋人だった。こういう時、アジア人ひとりの私はなめられてるんだろうな。
仕方なくシャワーだけ使わせてもらい、昨日妹の方に教えてもらったマッサージ屋にアーユルヴェーダをしに行く。山を登って体がガタガタ笑

アーユルヴェーダは初めてで、70分で1万ルピー(5,000円)という高い金額にも期待していたのだが、ただの普通のオイルマッサージだった。まあかなり気持ち良かったのでいいけれども。

18時半。マッサージから戻って来たら、やっと部屋にチェックインできた。
めちゃくちゃ綺麗になっていた。これがあの猿の足跡でベタベタだった部屋なのか。Wi-Fiも昨日の宿より速い。
お姉さんのマドゥは独身で子供もいないようなので、1人で切り盛りするのは大変だろうな。
「何時間も待たせてごめんね。」と言うマドゥに「全然OK!」と返事をして夜ご飯を食べに出掛ける。

昨日と違い、現金があるので近所のレストランへ行き「デビルシュリンプ」というものを頼んでみる。
出てきて気付いたが、「デビル」が付くとケチャップ炒めになるらしい。醤油を持ってきたら良かった。バナナジュースと合わせて1,500円。

隣の席の酔っ払い西洋人男性らに、一緒に座らないかと声を掛けられたが、断って宿に戻る。

夕方にしかチェックイン出来なかったので、せっかくの綺麗な部屋だが、ここで過ごす時間は短い。

またシャワーを浴びようとしたら、なんと先客がいた。
ゲコゲコ喉を鳴らしながら、切ない目でこっちを見てくる。

本当にスリランカは、自然豊かで癒される。
しかしシギリアは本当に何もない小さな村。これ以上行くところもないので、明日は聖地キャンディーへ移動する。

再びダンブッラにて石窟寺院と黄金仏像へ。シギリアへ移動(Day466)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年8月。スリランカ4日目

ずっと憧れていた自然と共存したホテル、ヘリタンス・カンダラマ。
かなり見応えがあって本当に宿泊して良かった。2泊しようかと思った位だ。空きがなかったけど。

ヘリタンス・カンダラマからダンブッラへ戻る

ヘリタンス・カンダラマに客を送りに来たトゥクトゥクに話し掛け、ダンブッラまで戻ってもらう。

30分位の距離で1,500ルピー(750円)。ホテル手配のタクシーの半額以下。
ドライバーのおっちゃんは、誰も乗せないでダンブッラまで戻るつもりだっただろうから、つたない英語で「俺もラッキーだが、お前もラッキー♪」と上機嫌。
途中にあるポッパムズ・アーボリータムという自然公園についてなど説明してくれる。

景色がのどか過ぎて、タクシーよりトゥクトゥクの方が絶景で気持ちいい。

ダンブッラ石窟寺院

12時半。
今日はダンブッラからバスに乗ってシギリアまで行くつもりだが、その前に世界遺産のダンブッラ石窟寺院を観光することにした。おっちゃんに石窟寺院の入口まで送ってもらう。

ここのチケット売り場で、スーツケースは預かってもらおうかと思っていたのだが、おっちゃんが
「荷物をみておいてやるよ。その間に石窟寺院と黄金仏陀を見ておいで。戻って来たらシギリア行きのバスターミナルまでまた送ってあげる。」
と言ってくれた。追加は追加で1,000ルピーだと言う。

スーツケースの中にはパソコンやら現金やら入っているが、預けて大丈夫だろうか。
「念のためナンバープレートを撮ってもいい?」と尋ねると快くOKしてくれた。治安の悪い国だとトンズラされそうだが、この人は信用して良さそうだ。
1時間半後に、またここで待ち合わせの約束をして荷物を預ける。

入口で入場料2,000ルピーを払って階段を上って行く。スリランカ人は無料のようだ。
袖なし服や短パン・ミニスカートは禁止。
階段は急でかなり長くてしんどい。これは計算外。1時間半で元の入口まで戻って来れるだろうか。

階段を20分上って入口に到着。他の人たちの真似をしてここで靴を脱ぐ。入口で「ガイドはどうだ。」と勧誘されるが断る。

紀元前1世紀から使われている寺院。スリランカ人の7割は仏教徒でここはその聖地だ。
第1窟から5窟まである。まずは1つ目の窟へ。

仏像と並んで、インドのヒンドゥー教のヴィシュヌ神像が祀られているので懐が広い。

第1窟Deva Raja Vihara(デーワ・ラージャ・ヴィハーラ)は、「神々の王の寺」という意味の石窟で、中には長さ14mあるこの石窟寺院最大の涅槃像が横たわっている。
タイを思い出す。あっちは金ぴかだったけど、こっちは足の裏が赤い。

横たわっている仏陀のポーズはタイのものと同じだが、顔の造りが全然違う。なんか笑ってしまうというか・・・なんでだろ笑

第2窟へ向かう。

恐らくここがメインのようだ。かなり広く、約60体の仏像が祀られている。
天井のフレスコ画も見ごたえがある。

いや、だめだ。やはり笑ってしまう表情。なんだろう、下手な人が描いた絵っぽいというか、なんというか。それか下から当てるライトアップがおかしいのか。聖地でこんなこと思うなて失礼極まりないが。

第3窟。涅槃像(ねはんぞう)。やはり足の裏が赤い。神聖な意味があるのだろう。

第4窟。

第5窟は改装中なのか閉まっていて入れなかった。

石窟寺院を出る。景色がすばらしい。
入口で脱いだ靴がないので焦った。少し離れたところに靴の預り所があってそこに勝手に移動させられていた。返してもらうのに50ルピー取られる。

あと30分しかないので早歩きで元来た方と反対側へ降りていく。反対側に黄金仏像があるのだ。

黄金仏像

道中、マンゴージュースやらアイスやら露店があって他の外人らは購入していたが私にはそんな時間はない。トゥクトゥクのおっちゃんとの待ち合わせが1時間半後という時間設定が、短か過ぎてなんかおかしい。

到着。タイでもよく見たストゥーパ。

高さ約30メートルの黄金仏像。あごに黒いものがいっぱいついているので、何かと思ってよく見るとスズメバチの巣がついている。仏像のあごに向かってガスバーナーで焼き払うわけにもいかないだろうし、しかたないか。

ここからまた急な坂を登って、駆け足でトゥクトゥクのおっちゃんと別れた場所に戻る。約束の時間を10分過ぎていたが待っていてくれた。
どうやら石窟寺院だけで1時間半みてくれていて、その後またトゥクトゥクで黄金仏像の前まで送ってくれるつもりだったらしい。おっちゃんの英語が単語ぶつ切りなので理解出来なかった。どうりで全然時間が足りなかったわけだ。

「もう黄金仏像まで見てきちゃった。」と言うと「早い!体力あり過ぎ!」と驚かれた。

待ち合わせ場所には、おっちゃんの他にもうひとり別の、やたら愛想が良すぎてあやしいトゥクトゥクドライバーがいて、私を見るなり目を輝かせて駆け寄ってくる。

「今からシギリアに行くんだろ?シギリアは広くて徒歩では観光出来ない。バス停からホテルまでも遠い。俺の知り合いのトゥクトゥクに頼んでやるから、そいつにシギリアを案内してもらえ。」
「バス停の近くのホテルを予約しているから大丈夫。いらないよ。」

断ってもしつこい。昨日のトゥクトゥクドライバーで懲りているから、この強欲そうな人には頼みたくない。断り倒して、おっちゃんにお願いして直ぐにバス停に向かってもらった。

ダンブッラのバスターミナル

14時。10分ほど走ってダンブッラのバスターミナルに到着。
おっちゃんは、シギリア行きのローカルバスを見つけて目の前で降ろしてくれた。
金額も当初の約束の合計2,500ルピーのみ。このトゥクトゥクドライバーのおっちゃんはガツガツしていなくていい人だった。

乗り込んだら直ぐに出発。ついている。
この経路はGoogleMapでは出てこないが、ダンブッラからシギリアまでの直行バスだった。やはり地元の人に聞かないとスリランカの経路は読めない。
座れてほっとした。スリランカのバスは飛ばすから揺れて立っているのが大変なのだ。料金は100ルピー(50円)。

大きな停留所で停まると売り子がやってくるので、またドーナツと水を購入。
今度はノートではなく数学の教科書を再利用した紙に包まれていた。

シギリアに到着

50分走ってシギリアに到着。GoogleMapを見て予約したホテルを通り過ぎた次のバス停で降ろしてもらう。

ダンブッラと違ってかなりのどかな雰囲気。

飼われているようだが、道端に像がいる。触れる距離にいるのが驚き。

バスを降りてすぐシギリア・ロックが見える。ギリシャで見たメテオラにそっくり。

ここは自然豊かでのんびり出来そうだ。ずっと1泊ずつで移動しているから、少しゆっくりすることにしよう。

ジェフリー・バワ最高傑作、ヘリタンス・カンダラマ・ホテル(Day465-6)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年8月。スリランカ3日目

ヘリタンス・カンダラマ・ホテルに到着

Uberタクシーのドライバーに1,600ルピー(800円)を払って降りる。
ドライバーに「明日のお昼にまたダンブッラに戻るから、ここまで迎えに来てくれない?」とお願いしたが、「あぁ・・・じゃあWhatsUpを教えろ」と言いながらもやる気がなさそうだった。迎えは期待しない方が良さそうだ。

半屋外のレセプションがあり、予約している旨を告げると、1本の蓮の花を渡してくれながら女性が中まで案内してくれた。

ヘリタンス・カンダラマ・ホテルとは

スリランカの有名建築家ジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)の傑作の一つで、彼の「トロピカル・モダニズム」を体現した代表的な建築。1994年に開業し、バワの自然と建築を融合させる独自のスタイルが完璧に反映されているホテル。
バワのホテルはスリランカにいくつもあるが、ここが1番傑作と言われている。

チェックインを待つスペースで、ウエルカムドリンクを頂く。さっそく自然環境を取り入れた独自の建築が現れてきて胸が躍る。

インフィニティプールが目の前に見える。湖と一体化しているかのようだ。
インフィニティプールはシンガポールのマリーナ ベイ サンズで知ったが、このデザインのプールはバワが1900年代に積極的に取り入れており、マリーナ ベイ サンズの方が後に建てられたようだ。

ホテルの部屋の種類

まだ12時でチェックインは14時からだが、部屋は用意出来ているとのこと。サービスが凄い。

建物は真ん中がレセプションで、右のダンブッラウイングと左のシギリアウイングに分かれている。
1番安いプランの部屋はシギリアウイングの2・3・4階でシャワーのみの部屋。

下から2番めのグレードの、シャワーのみ5・6階「パノラミック」の部屋を予約していたのだが、部屋が空いているとのことでバスタブ付の「デラックス」にアップグレードしてくれた。

この日だけ異常に部屋代が安く、この日に向けてインドから移動してきた。
朝食ブッフェを付けて1泊144$(21,500円)。

「デラックス」ルームはシギリアウイングの4階。無垢の木の床が裸足に気持ちいい。
壁にも木がふんだんに使われている。

エアコンがガンガンにきいている。バルコニーがついていて「猿が入ってくるのでドアを開けっぱなしにしないように。」と注意書きがある。景色がジャングルのようだ。

バスタブ!この旅で初のバスタブ!グレードアップしてくれて最高!。テンションが上がる。

バワ建築を探索

当初、シーギリヤロックの麓にホテルを建設する予定だったが、バワは、世界遺産「シーギリヤロック」からも世界遺産「ダンブッラ」からも離れたカンダラマ湖畔に建設することを主張。

建設前からそこにあった岩をそのまま残し、自然との共存・自然に溶け込むというホテルのコンセプトを体現。

通路の装飾は淋しい感じがするが、自然を体感できるようにわざとシンプルにしているのだろう。

プールは3つある。横を通ってホテルを散策。

広い。森の中のホテル。美しくて館内をくまなく歩く。

ヘリタンス・カンダラマの歴史がつづられているコーナーがある。アートはバワの友人たちの作品らしい。

ラウンジ。ここにも岩が剥き出し。

ダンブッラウイングの方へも行ってみる。全長が1㎞あるので、宿泊しているシギリアウイングからは10分ほどかかる。

廊下が野ざらしなので雨が降ると滑るらしい。ホテルのコンセプトを壊さないよう後から滑らないように床に絵が刻まれたらしい。

景色が美しい場所にはベンチが置いてあって、景色が堪能できるようになっている。

バワがいつも座っていたお気に入りの椅子。ここからはシギリアロックが見える。

インフィニティプール

全てのエリアを周り終わった後は、インフィニティプールで夜まで泳いだ。最高だ。

ジャグジー風呂

部屋に戻り、ジャグジーのお風呂を冷蔵庫に冷やしておいたビールを飲みながら楽しむ。
高級ホテルと思ってビールを持ち込んだが、ルームサービスやレストランの金額を見ると全然高くなくて驚いた。

ひとりだと少し寂しいかも・・・考えないようにする笑

夜ご飯を食べにレストランへ。最上階のアジアンレストランに来てみたが、客は中国人グループが1組いるだけだった。退散。

KANCHANA RESTAURANT

朝食ブッフェと同じレストランにする。夕食ブッフェの予約客でいっぱいだ。
2名以下だと窓際の席に座らせてくれるようだ。
アラカルトでお願いして「3種類のスリランカカレー」とマンゴージュースを頼む。

ジュースも15分位待たされたが、30分経っても食べ物が出てこない。見兼ねたウエイターが気まずそうにパンだけ持ってくる。いや・・カレーだから要らないんだけど。

50分待ったところでウエイターに「カレー頼んだんだけどまだ?」と聞くと「アラカルトは40分かかるんだ。」と言われた。・・・50分経ってるんだけど・・・

たっぷり待たされ、シェフみたいな人が意気揚々と「どうだ?素晴らしいだろう?」とスリランカカレーを持ってきた。
盛り付けに時間がかかっていたのだろうか。スリランカ時間でのんびり作っていたのだろう。
本来は美味しいのだろうが、お米もカレーも全て冷めていたので美味しく感じなかった。
ジュース込で2630円。

食べきれない量だったので、少し残して部屋へ戻る。

通路にバーもあるがお客さんはいないもよう。

それにしても素晴らしい建物だ。バワ建築にうっとりしながらこの日は寝る。


次の日。

バルコニーの外のガサガサいう音に目覚め、外をのそいてみるとお猿さんの親子がツタに座って何か食べていた。本当に自然と一体化していて素晴らしい。

部屋に置いてあったオプショナルツアーやエステ料金などよく読んでみると、無料で館内バワツアーをやっているらしい。早速レセプションに行って今日のツアーに参加出来ないか聞いてみる。

今日はたまたま外部から来たインド人らでガイドが空いていないらしい。
「明日なら空いているんだけど・・・」と言われたが、1泊しか取っていないので諦めた。

レストラン前にある、バワお気に入りの彫刻家ラキ・サナナヤキの巨大フクロウの彫刻

昨晩と同じレストランへ行き、朝食ブッフェを楽しむことにする。

ブッフェは14$の追加料金だった。かなり種類が多くて楽しい。朝食ブッフェも友人と行ったウズベキスタン以来か。

久々のブッフェで舞い上がり、盛りだくさん。焼いてもらったオムレツが最高だった。

朝食後も散歩。
ヘリタンスカンダラマの紹介でよく見るこのアングルが見れる場所へ行きたかったのだが、昨日はここへの道が分からなかった。

シギリアウイングの中央らへんで、階段がありそうな場所をくまなく探し、やっと1か所だけ庭へ出れる階段を見つけた。従業員通路かと思うような道を通るので昨日は分からなかったのだ。

お猿さんいっぱい。人がいても逃げない。

これこれ。この景色こそがヘリタンス・カンダラマって感じ。私の部屋はここの4階だ。

残り2つのプールを堪能

チェックアウトの時間まであと2時間弱。
昨日はインフィニティプールにしか入らなかったので、その上にあるもうひとつのプールへ入ってみる。床がそこにある岩をそのまま活かして造られているのが楽しい。

水着の上にTシャツを羽織り、3つ目のプールへ移動。3つ目のプールは遥か離れたダンブッラウイングの端にある。10分歩く。

3つ目のプールに到着。場所が中心から遠くて見つけにくいため、1組しか泳いでいなかった。
ここでも泳ぐが、やはりインフィニティプールが湖と一体化していて1番楽しかったかな。

あっという間にチェックアウト時間の12時。
朝に昨日のUberドライバーにメッセージを送っておいたが、既読にならなかった。雑な感じの人でメッセージなんか読むタイプじゃなさそうだったもんなぁ・・・彼は英語が通じなかったので電話も出来ない。

レセプション前にはホテルのフロンで呼んでもらったタクシーを待つ人らで溢れている。
Uberはこんな辺鄙な場所では捕まらないし、ホテルに頼んでタクシーを呼ぶと4500ルピー。

ホテルに頼まず、チェックインしにやって来る人が乗ってきたタクシーやトゥクトゥクに、そのまま乗れば、昨日のUberと同じ料金でダンブッラで帰れるんじゃないか??

そう思ってチェックアウトしてから振り返ると、ちょうどトゥクトゥクがやって来てチェックインするヨーロピアンを降ろしたところだった。
直ぐに出発しようとしたドライバーに駆け寄り話しかける。

「待って。ダンブッラに戻る?」
ここからホテル手配意外でトゥクトゥクに乗る人はいないのだろう。
話し掛けられたのが意外だったのか、ドライバーのおじいちゃんは驚いていた。
「ああ。」
「乗せて。いくら?」
「1,500ルピー(750円)だよ。」

やった。ついている。安いし待ち時間ゼロ。

タクシー待ちの人らに恨まれないよう目立たないように素早くトゥクトゥクに乗り込んだ。

今日はシギリアへ向かう。

スリランカのダンブッラ到着、激安ホステルと極悪トゥクトゥクドライバー(Day464-5)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年8月。スリランカ2日目

ダンブッラ到着

Polgahawelaからダンブッラ行きのバスは、ラスト30分頃には席が空いて、一緒に乗っていたスリランカ人の女性が「あんた、座りなよ。」と誘導してくれた。
バスは私以外は全員スリランカ人だ。外国人は普通このバスには乗らないのだろう。

ほどなくしてダンブッラに到着し、町の中心で降ろされた。

ロバートイン・ダンブッラ(ホステル)

スリランカのドミトリーはインド人だらけ。人が寝ていようがお構いなしに喋る無神経さに昨日で懲りたので、今回は個室を予約した。バス停から西へ15分程なにもない道を歩く。

到着したのは普通の家だった。門から出てきた女性が「あれ?泊まりに来たの?」と驚いて中に入れてくれた。

父親とおじいちゃんを呼んで来てくれた。2人とも喜んでくれていて大歓迎といった様子だ。
「ちょっとここで座って待っていて。パソコンチェックしてくるから。」と言われ、待たされた。どうやらめったに客が来ないようでBooking.comからの予約に気付いていなかったようだ。

そしてなんだこの手摺のない階段は。ボスニア・ヘルツェゴビナのスナイパービルの再来ではないか。

かなり長いこと待たされ、私の予約金額が確認できたようで、「OK!1200ルピー。」と言われその金額を渡す。個室、シャワートイレ付で570円だ。この旅で最安値だろう。

まさかと思ったが、部屋はあの階段を上った2階にあった。おじいちゃんがスーツケースを運んでくれた。これ、落ちたらしぬよね・・・

2階の外廊下も手摺が一部しかない。なんでこんな造りなんだろう。自分たちで造ったのだろうか。

部屋はとても綺麗だった。エアコンはないが扇風機、ポットも蚊帳もある。トイレも洋式だし昔みたいに和式のトイレなんてもうインドもスリランカでもあまり見ないのだろう。
こんな個室に570円で泊まっていいのだろうか。少し悪い気になる。

夜のダンブッラ

電車とバスの移動で疲れたので、シャワーを浴びてから仮眠。夜になってしまったが夜ご飯を食べにバスで降ろされた通りまで歩く。ホステルは住宅街の中にあったようで、大通りに出るまで10分、道が真っ暗なのでスマホのライトで照らしながら歩いた。
途中、この仏像だけが光っていた。

バスで降ろされたところまで来た。来る途中、よほど外国人が珍しいのか、トゥクトゥクの運転手にひっきりなしに声を掛けられる。

Royal Tasty Cafe

昨日のインド料理レストランにはアルコールが置いていなかったので、アルコールが置いているお店をGoogleMapで探して入ってみる。2階のテラスに座席が2つあり、従業員の男性らが暇そうに座っていた。そして、ここもやはり外に面している場所に手摺がない。だれか落ちたりしないのだろうか。

壁にチョークで書かれたメニューを見ながら、スリランカ名物の「コッテゥ」を頼む。

シュリンプのコッテゥ。1,500ルピー(750円)とスリランカの物価からすると高めだが、ここのコッテゥが1番美味しかった。
ソースチャーハンの中に、お好み焼きをみじん切りにしたようなものが入っている感じ。味に飽きたら味変できるソースやケチャップまで付いていた。

会計はオーダーを取りに来た男性と別の男性が持ってきたのだが、「コッテゥ 1,800ルピー」と書かれていた。数字の8のところが何十線にもなっていて不自然だった。どうやら最初5と書いていたのを8に書き直したようだ。

「黒板のメニューは1,500だよね?」と黒板の方へ行こうとすると「あれー?間違えたかな、ごめんごめん。」と白々しい。ちょっとだけぼったくろうと思っていたのだろう。スリランカ人、侮れない。


次の日。宿からの景色。

スリランカは自然が豊かで癒される。久しぶりの静かな個室。この辺りは高地なのか蚊はいなかったので、蚊帳も使わず快適に寝れた。デカイ蜂は部屋に入ってきてびびったけれども。

この日はヘリタンス・カラマンダラ・ホテルへ移動する日。ホテルの近くは食べるところもスーパーも無いため、バス停近くのローカル食堂で腹ごしらえ。300ルピー(150円)。

ダンブッラの極悪トゥクトゥクドライバー

世界的な有名建築のホテルで注文すると、きっと高いだろうと思ったので、食後はスーパーに寄ってホテルで飲む用のビールを購入。

ロバート・イン・ホステルに戻って、荷物をピックアップしてチェックアウトする。

ヘリタンス・カンダラマまでUberで行こうと呼んだのだが、ダンブッラ付近に走っていなくて全然捕まらない。やっと捕まったUberは15分以上先のかなり遠くからやって来るようだ。
暑い日差しの中、Uberがやってくるのを待っているとトゥクトゥクがやって来て、太った強欲そうな運転手に「どこへ行くんだ?」と話し掛けられた。

「ヘリタンス・カンダラマだけど、もうUber呼んじゃったんだ。ごめんね。」
「そのホテルは知っている。1600ルピーだ、乗れ。」
「いや、Uber呼んだから。あと3分で来るし。」
「俺のに乗れ。Uberの金額はいくらだ?」
「同じ1,600ルピーだよ。」
「Uberはここには来ない、乗れ。」
「いや、もうすぐ来るから。だからごめんね。」
「来ないよ、画面を見せてみろ。」
「もう来るんだってば。」スマホの画面を見せた。運転手が覗き込む。
「来ないからキャンセルしろ。同じ金額で俺のトゥクトゥクに乗れ。」

何言ってるんだ、この運転手。いくら断っても、歩いて逃げても、ずっと付いて来てしつこい。
10分以上かけてもうすぐここに来るUberを、キャンセルなんて酷いこと出来るはずもない。同じ金額でもUberは車、トゥクトゥクは野ざらしバイクなのに。キャンセルしてペナルティが付くのも嫌だ。

ずっと言い合っていると、正面からも後ろからも別のトゥクトゥクがやって来て、クラクションを鳴らされた。その隙に逃げる。運転手はまだ追いかけて来ようとしたが、やはり再度クラクションを鳴らされ、やっと諦めて去っていった。

ほっとして待っていたら、目当ての黒のUberの車がやって来た。エアコン付きで綺麗、ドライバーも金持ちそうな男性だ。しかし、窓を開けて、こわばった顔でこう言われた。
「すまない、君を乗せることは出来ない。さっき、ここでUberの営業をするなとトゥクトゥクドライバーに脅された・・・奴らはクレイジーだ。僕はここには二度と来れない。」

は?さっきのドライバーだ!

私のスマホを覗き込んだ時に、予約車の車種かナンバーを見て、その車がやってきたら脅したのだろう。そんなことをしてもあいつのトゥクトゥクになんて乗らないのに、復讐なのか?
あっけに取られてる私を見ながら、20分も待ったUberは、謝りながら去っていった。

じゃあ、仕方ないからトゥクトゥクに乗ろうか。なんて気分にはなれなかった。
インドでは「Uber呼んじゃった」とトゥクトゥクに言っても怒らなかったのに。運転手が青ざめる程脅すなんて酷すぎる。意地でもトゥクトゥクになんか乗るもんかと思い。また別のUberを呼ぶ。

また凄い遠くからやって来ることになったが、Uberは捕まった。今度はボロボロのエアコンなしの車。ドライバーは気の強そうなガリガリのおっちゃんで、ずっとスマホで奥さんと喧嘩しながら運転している。彼なら例え脅されても気にしなさそうだ。

ヘリタンス・カンダラマ・ホテル

30分位Uberに乗って、無事、ヘリタンス・カンダラマに到着。
入口は想像していた「高級ホテル」のイメージとはほど遠い、質素な雰囲気だ。

ここまでの道中、あのトゥクトゥクドライバーに対して腹が立って仕方なかったが、そんな気分もこの自然に囲まれたホテルを見ると吹き飛びそうだ。

わくわくしながらレセプションへ向かった。

初スリランカ、コロンボに到着。空港からローカルバスで市内へ。ダンブッラを目指す(Day463)

1スリランカルピー≒0.48円
2024年8月。スリランカ1日目、コロンボ1日目

無事インドの出国審査も終わり、スリランカ行きの飛行機に乗る。

インドのチェンナイからスリランカのコロンボへ

9時50分の飛行機に乗り、スリランカのコロンボへ。
近いので料金はスリランカ航空でたったの1.38万。

スリランカのビザ

スリランカに入国するには日本人はアライバルビザが要る。
スリランカビザ申請用ウェブサイト「E-Visa」が運用委託先の選定過程で揉めていて、2024年8月頭から運用停止になっている。

仕方ないので、空港でアライバルビザを取ろうとコロンボに到着してすぐに取得窓口に並んだのだが、パスポートを見せたら「お前はビザ要らない、入国審査へ行け。」と言われた。
2024年8月時点ではVISAは不要のようだ。(2025以降は要る。)

他の並んでいるインド人たちはビザ代を払っていたのだが、ビジネスビザか何かだろうか。
とにかくVISA代が浮いてラッキーだ。

コロンボ空港のATMとSIMカード

ビザ無しですんなりスリランカに入国。

スリランカもインド同様、ほぼ現金しか使えないだろうから空港のATMでキャッシングする。
4台あって迷ったが空いている1番左のATMで下ろした。インド同様、明細を見たら手数料は取られていなかった。

アラブとインドでは、Trip.comの3ギガ数百円のe-SIMを購入して使っていたが、ギガ数を気にしないで使いたかったので空港で物理SIMを買うことにした。
1番安いプランの15Gで6$または1600スリランカルピー。(7日間)

コロンボ空港から市内までのローカルバス

空港から市内までのローカルバスは、空港を出て15分位歩いたバス停から出ている。
GoogleMapでバス番号は出るので、自分のホテルの近くまで行くバスの番号を見つけて乗り込む。

料金回収のおじいちゃんがやってきてチケット代を払う。150ルピーだが、荷物があるので200ルピーと言われた。
200ルピーって97円。スリランカ、物価が桁違いに安過ぎる。

Havelock City Hostel, Colombo(ホステル)

バスを2本乗り継いでホステルに到着。2本目のバスは100ルピー(50円)。
口コミが良かったのでここにしたが、コロンボの中心地はFort Railway station付近のようだ。
ここは中心地から少し離れていて歩いて行ける距離ではなかった。

しかし綺麗で居心地はいい。受付の若い女の子には「日本人!日本の文化が好き!!」と褒められた。これは旅をしていてもよく言われる。島国で独特の文化で日本はアメージング♪らしい。

女性専用ドミトリーで約1,000円。インドの宿と違ってエアコンがガンガンにきいていて清潔だ。
この時点では貸し切りだったのぐっすり仮眠できたが、夜になってから戻って来たメンバーは、全員親戚同士のインド人6人グループだった。もちろん喋りまくっていて騒がしい

スリランカのショッピングモール

移動に疲れていたのか仮眠から目覚めたら夜になっていた。宿にキッチンはあるけど、フライパンや食器がなくて全く使えない。
近くにショッピングモールがあったのでそこへ夜ご飯を食べに行ってみることにする。

勿体ない空間の使い方。
1階と最上階にフードコートがあったがかなり高かった。ほかの場所に食べに行くことにする。

この付近はあまり食堂やレストランが見つからず、この大型インディアンレストランへ。

口コミ通り汚い店。客より従業員の方が多い。

インドでラッシーを食べられなかったのでエビカレーとバナナラッシーを頼む。全部で約1,000円。味は悪くないけど座席が汚くて物凄くハエが寄ってくる。

宿に戻る前に、スーパーに寄ってトイレットペーパーやコーラなどを購入した。インドやスリランカのトイレでは紙が置いていないことがある。


ホステルに戻ると、同室のインド人家族らは戻ってきていた。(戻ってこんでいいにの。)
家族の男性陣らは別室の男性ドミトリーに宿泊しているようで、そこから電話がかかってきて夜中に何時間もベッドで寝そべりながら電話している。お互い同じ宿にいるんだから、そ・と・で・喋れよ?はぁ?!

インド人らは、寝るのが寝るのが遅かったから朝も起きるの遅いのかと思いきや、夜中3時半に隣のインド人女性のスマホのアラームが鳴る。そして全然起きない。アラームがうるさくて寝れないので起こしたら「おぉー。」と言いながらやっと気付いて止めていた。(謝れよ)
そしてそこから部屋の中にあるシャワーに女性2人で1時間位入っている。(うるせーよ)

夜中や明け方に、室内のシャワーやトイレを使うと他の人を起こすかもしれないので、私はいつも部屋を出て共用スペースにあるシャワーやトイレを使うのだが、インド人にそんな配慮はないようだ。

インド人家族らは、朝の8時頃に大騒ぎしながら出て行った。おかげさまで寝不足だ。
なんで家族で個室を予約しないんだろう。高いからか。そして朝8時出発には、3時半に起床しないと身だしなみが間に合わないのか?

インド人の生態は謎だらけだ。大学の卒論は「クロネコヤマトの実態」より「インド人の実態」をテーマにした方が奥が深かったかもしれない。

コロンボからダンブッラへ移動

3日後にバワ建築ホテルのヘリタンス・カンダラマを予約している。今日中にカンダラマに近いダンブッラへ移動しなければ。ダンブッラはスリランカのハブとなる拠点だ。

フォート駅にはバスも列車も走っている。バスだと1本、列車だとPolgahawela駅まで行って、そこからバスに乗り換えないといけない。どちらも5時間位でダンブッラに到着する。
列車の方が揺れなくて楽かなと思い、後者の行き方で行くことにした。

Fort Railway station

11時。バスでFort Railway stationに到着。

ここがスリランカの首都、コロンボで1番大きな列車の駅。

列車に乗る前に付近の食堂で朝食を購入。スリランカカレーは150ルピー(70円)。
列車の中で食べられるように、カレーではなく焼いたチキンを購入した。

駅に近づくと待機していたトゥクトゥクの運転手らに一斉に「どこへ行く?」と声をかけられる。
「列車でダンブッラまで。」と言うと列車のチケット購入窓口まで案内してくれた。
1時間半かかる長距離列車のチケットは180ルピー、なんと90円。

駅員に「Polgahawela駅に行きたい。」と言うと、出発は12時50分で、目の前のホームに列車がやってくると教えてくれた。
ホームでキョロキョロしていたら、コロンボ人らが「どこ行くの?」と話しかけてくる。
チケットを見せたら「それ、3等車だから端っこの車両だよ。」と教えてくれた。等級なんかあったのか。安いと思った。

12時にやって来た列車の3等車はぎゅうぎゅうの満員、座る座席などなかった。ふざけんなよ?
「3等車が満席だから、2等車のチケットを買い直したいんだけど!」
そう駅員に頼んで1度外に出してもらった。1等車、2等車、3等車とチケット購入窓口は分かれているようだ。

2等車は350ルピー(180円)。元々持っていた3等車のチケットの差額と手数料10ルピーで購入出来た。この分厚い紙のチケット、昭和を彷彿とさせて懐かしい。

2等車では座れたが、出発時間が近づいてくると車両は満席になった。
エアコンがなくて暑かったが、走り出したら直ぐに窓から風が入ってきた。

始発なので12時50分、ぴったりに出発。車窓を楽しみながら購入したチキンとコーラを楽しむ。

チキンが包まれていた紙は、中学数学のノートだった。スリランカは教科書やノートの紙を再利用する文化らしい。エコでいいではないか。

列車の中では売り子が次々にやってくる。ヨーロッパにはなかったこの文化が居心地いい。
ワデーという食べ物を頼んでみた。100ルピー。豆のすり身にコーンが入っている揚げ物。想像していたよりかなり固かったが、美味しくて気に入り、その後も度々購入した。

Polgahawelaの鉄道駅に到着

14時20分。スマホに夢中になっていて降り過ごしそうになった。出発して動き出した列車から慌てて飛び降りる。ドアが開けっ放しで助かった。
ここからバスの駅までは15分ほど歩く。

GoogleMapを見ると、ここからダンブッラ行きのバスが出ているようなのだが、私の他にバスを待っている人はいない。
不安になり、目の前のバイク店の人に「ここ、ダンブッラ行きのバス停?」と聞くと「違うよ、あっちだよ。」と北の方を指差す。英語は通じず返ってくるのはシンハラ語かタミル語なのだが、対面だとお互い言葉が違っていてもジェスチャーでなんとなく通じる。

Polgahawelaのバス停

指を差された方へずっと歩いて行くと、人がたくさん待っている箇所があった。
列車に乗る時もそうだったが、スリランカでは人に聞きまくらないと乗り場や行き先、チケット購入方法が分からない。昔のバックパッカー旅に近いことが出来そうで、少しわくわくしてきた。

15分程待っているとバスがやって来た。運転手に「ダンブッラ?」と聞くと「そうだ。」と言うので乗り込む。満席も満席、立ち乗り部分も満席で足の踏み場もない。
料金はチケット回収係の人に行き先を告げて支払うと、紙のチケットをくれる。

ぎゅうぎゅう詰めのバスに、ダンブッラまでの残り2時間半、立って乗ることになってしまった。
運転手は真剣に前を見ながら、そして自分のガラケーに電話がかかってきたら出て、喋りながら猛スピードで片手運転している。かなり飛ばし、他の車を追い抜いていくので、冷や冷やした。

コロンボからのバスなら始発だから座れただろう。コロンボからダンブッラまでは、バスで1本で行くのが正解だった。

これがスリランカの旅か・・・

列車を選択したことを後悔しながら、それでも少し昔の旅っぽくて楽しいなんて思いながら・・・
2時間半、満員のバスに揺られながらダンブッラへ向かった。