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インド、チェンナイの破壊力が凄すぎる(Day462-3)

1インドルピー≒1.71円
2024年8月。インド2日目、チェンナイ2日目

昨晩は蚊に何度も噛まれて眠れなかった。窓に網戸がないのでいっぱい入ってくる。窓を閉めるとエアコンがないので暑い。
日本から液体殺虫剤スプレーを持って来ていて、アフリカでもヨーロッパでもガンガン効いて、ほぼ蚊には刺されなかったのに、インドの蚊には効かないようだ。恐るべしインド。

Kaalikambal Kamadeswarar Temple

昨日、朝食を買ってきてくれた宿のおじいちゃんは、私から50ルピーぼったくれて味を占めたのか、今日もにこやかに話し掛けてくる。
「You breakfast? Clothes you wash?me wash?」
また朝食買って来てやろうか?服を洗濯してやろうか?と言っているようだ。無茶苦茶な英語でも対面だと通じる。

「はは、いいよ。」と断って外へ出る。
昔、インドで洗濯を頼んだら、全ての服にマジックで部屋番号を書かれたから勘弁だ。

インドのヒンドゥー教寺院は12時に一度閉まって16時に再開するところが多い。
閉まる前に北にある寺院へ向かうことにした。地下鉄40ルピー(70円)。

また降りる駅を間違えて、到着が12時を過ぎてしまった。でも開いている。

この小さな門をくぐるようだ。中へは靴を脱いで上がらないといけない。無料。

中では女性たちが円陣をくんで素手で昼食を食べている。地元の人らのお祈りの場というより、団らんする場のようだ。床に食べ残しの米や水がこぼれていて裸足で踏んでしまった・・・

寺院から海の方へ歩くとChennai Beach駅という鉄道駅があるようなので、興味が沸いて行ってみる。
町並みは相変わらず。バイクとトゥクトゥクのクラクションとゴミだらけ。それでも北のデリーよりはだいぶ静かでお上品だ。

Chennai Beach駅

なんですかこの駅は。

工事は中断してしまったようで、平日というのに工事車両には誰も乗っていない。
このがれき、処分する気ないよな・・・

チケット窓口があったのでのぞいてみる。犬が真ん中で堂々と寝ている。
インドではここから鉄道で周遊しようか悩んでいて、行き先を眺めてみたが、どこへも行きたいという気持ちが沸いて来なかった。

ホームへ出て、鉄道が来るのを眺める。線路にも凄いゴミだ。
ここまで至る所にゴミが落ちている国はやはりインドだけだ。アフリカの比じゃない。何故なんだろう。国民性なのか。

昔、ムンバイで列車に乗ったな。ドアは開けっ放しで窓には格子。ちょっと乗る気がしない。

ローカルバスでインドの海へ

ここの駅名はBeachなのに泳げるBeachがない。GoogleMapを見てローカルバスでBeachの方まで行ってみることにする。バスはひっきりなしに来るので地元の人たちの主要な足のようだ。

三菱電機のマークのバス。日本の中古車か。インドでも走っている車やバイクは日本製ばかりなので誇らしい。
やってきた満員のバスに乗ってビーチへ向かう。こんなバスに乗っている外国人はもちろん私位。
バスは中に乗っている料金回収の人に行き先を告げてお金を払う。なんと15ルピー(26円)。

マリーナ・ビーチ

インドの海へやって来た。・・・・おえーーーーー笑
これがGDP世界5位の国。

インドのゴミっていつか片付く日がくるのか。
宗教の関係で肌を見せれないのか、水着ではなく皆服で泳いでいる。
私は・・・もちろん遠慮しておいた

Policeと書かれた服を着ているので、溺れている人がいないか見張る監視員だと思うのだが・・・スマホしか見ていない。

泳ぎたくない泳げないので、ビーチサイド・レストランに来た。
シーフードレストランは3軒あったが、どの魚も赤い液体に漬けられている。唐辛子に付けて腐敗防止みたいな感じなのか。

声をかけられたお店に入る。「日本のアニメの服だね。」と言うと私のことを中国人だと思っていたようで、少しびっくりしていた。

お勧めの魚を食べる。揚げていた油は真っ黒だったが、アフリカでもそうだったので私のお腹は大丈夫。同席したインド人男性らとも会話し、楽しく食事した。
魚150ルピー(260円)、コーラ40ルピー(70円)。

ビーチのお土産屋ものぞいてみる。

・・・著作権とは。

ビーチでも顔を隠して道端にインド人は落ちている。

初めてインドに来た人ならかなりカルチャーショックだろう。私は昔見たとおりで、何も変わってないことに驚いた。
マドラス大学を横目に見ながらホステルへ戻る。マドラスという地名は植民地時代の名前だから、チェンナイに変えたのに大学名はそのままなんだ。

この後の旅路について

ホステルに戻ってから、この後の旅路について考えた。

チェンナイが楽しかったら、ゴアなど南インドを1ヶ月位かけて周遊しようかと思っていた。しかし、やはりインドはどこまで行ってもインド。
20年前に北インドを周った時とあまり変わりない景色と雰囲気。違うのは、騙してくる人がいなくて居心地がいいということだろうか。

昨日一緒だったRyさんも、インドに1ヶ月いるつもりだったのに
「チェンナイに来てみたら、もうインドはいいかなと思ったので、今朝、楽しそうなタイ行きのチケットを予約しました。」と言っていた。
聞いた時は勿体ないなぁと思っていたのに、今、私は同じ気持ちになっている。

インドはもういいか・・・

居心地のいいインドなど、インドの真骨頂ではないのかも知れない。北インドの混沌と詐欺師たちとのバトルこそが、インドという国の面白さを倍増させていたのだ。それか、南米やアフリカを周った自分には、南インドは刺激が足りなさ過ぎたのか。

南インドを周遊する気分にはなれず、明日の夜のスリランカ行きの飛行機のチケットと、4日後のスリランカのバワ建築ホテルの予約を取った。

夜のヒンドゥー教寺院へ向かう

チケットを取った後、宿でシャワーを浴びてから、夜のヒンドゥー教寺院へ向かう。
アブダビで見たモスクが夜が幻想的で綺麗だったので、インドでもそうなのか夜に見に行ってみたくなったのだ。

またローカルバスに乗り込む。そう言えば昔、ニューデリーのローカルバスでレ〇プ事件があったな。
チェンナイは夜でも女性がたくさん乗っていて、治安は大丈夫そうだ。

バスを降りて寺院へ向かう。夜道もかなり人が歩いている。

カパリーシュウォーアー・テンプル

7世紀に建てられたチェンナイで1番古い寺院。ポルトガルに破壊されたから16世紀に再建されたらしいけど。入口はやはり靴を脱いで入る。

なぜここに鶏が寝ているのか。熟睡していて近づいても起きない。

中は凄く広かった。
中央の建物内は入るのに凄く並んでいて、入口に「Special」と書かれている。
異教徒なので躊躇したが、どうしても中が見たくて入ってみた。
中は中央の厳かに飾られた場所で、お金を払った人が、偉い僧侶に何か儀式的なものをしてもらっている。

この敷地内も建物の中も全員インド人だけで、観光客は私だけだ。
儀式をしばらく眺めていたが、建物内に監視カメラがあったようで、わざわざ入口付近の管理事務所からやってきた管理人に「ちょ!マダム!君は外に出て!」とつまみ出されたwww

敷地内をぶらぶらするのはOKなようなので、しばらく観光した。
イスラム教よりはヒンドゥー教はまだ寛大かもしれない。

バスでまたホステル付近の大通りに戻ってきた。

図らずもインド最後の夜になったので、ラッシーを飲みたくて適当な食堂に入って頼んだが、夜は置いていないらしい。

仕方なくチャイとサモサ、揚げドーナツを頼む。これら全部で60円。
時間をかけて出てきたチャイは、予想通り香辛料が効いていてめちゃくちゃ美味しかった。

昨日行った酒屋に寄って180ルピーでビールを買うと、もう明日空港まで行く地下鉄代の40ルピーしか残っていなかった。夜ご飯を買うお金はなくなってしまったので、昨日Ryさんにもらった赤バナナを夜ご飯にする。

確かビールとバナナは一緒に食してはいけないとネットで見た気がするが、仕方ない。


次の日。

2日間お世話になった宿をチェックアウトし、地下鉄の駅へ向かう。
相変わらず凄い景色だ。この通りだけこうなんじゃなくて、全ての道がこんな感じだもんな。

便器が捨ててあるよ。は?

チェンナイ国際空港

20円の地下鉄に乗り、再び、チェンナイ国際空港に到着。
空港に入るのはセキュリティが厳しく、航空券のEチケットの画面を見せてもすんなり入れてくれない。
ガードマンが持っている「本日空港を利用する者リスト」と私の名前を照らし合わせて、一致したのでやっと入れてくれた。
2008年に、ムンバイでテロがあったからだろう。仕方ない。


スリランカ航空の窓口で男性の職員に「スリランカの出国航空券は?」と聞かれた。
てっきりスリランカVISAを持っているか聞かれるだろうと、スリランカ領事館のHPの「日本人はアライバルビザ可」のページの準備だけしていたので、不意打ちだった。

私「出国日を決めてないから持ってないよ。あっち着いてから取るよ。」
職員「スリランカ出国航空券がないと乗せれないよ。」

職員「出国航空券、見せて。」
私「No、No、No、No、No!!」

言い訳が思いつかず、ずっとNo!と言っていると職員は隣のカウンターの職員に「なぁ、日本人って出国航空券いらないのかな?」と聞き、隣の職員は自分の客をさばきながら、面倒くさそうに「いらないんじゃない?」と答えていた。

職員「じゃあ、なくてもいいよ。」

出国航空券がなくても乗せてくれた。適当だな。こういうユルイ感じ、大歓迎。

プライオリティパスの有効期限が切れているので、Trip.comの航空券に付いてくる無料ラウンジQRコードでラウンジに入る。
貧弱なラウンジだったが、ありがたく食べ物とビールをいただいた。

南インドでは全く騙されることなく、接したインド人たちは陽気でいい人たちばかりだった。
3日しかいなかったが、オーストラリア人のおじいちゃんとの「君はインドを誤解しているから、もう一度行ってみろ。」という約束は果たせた気がした。

さて。スリランカは行ったことがないから楽しみだ。

いきなりインド、チェンナイ(Day461)

1インドルピー≒1.71円
2024年8月。インド1日目、チェンナイ1日目

22時半にアブダビを出て、4時半にインドのチェンナイに到着。
ヨーロッパからすんなり日本に帰国すればいいのに、最後にどうしても寄りたい場所があった。

帰国前に寄らなければならない場所

スリランカのバワ建築ホテル。建築が素晴らしいと有名なので泊まりたい。
そしてスリランカから近い南インド

海外で出会う人、出会う人が「インド人はいい奴だ。」と言うので、本当かどうか確かめないと。
私は20年前に女1人で北インドへ1ヶ月出掛け、インド人らにコテンパに騙され、まとわりつかれ、インド人が大嫌いになっているのだ。
ポルトガルの宿で仲良くなったオーストラリア人のおじいちゃんに
「あっちから話しかけてくるインド人と話すのではなく、南インドでこっちから話しかけたインド人と仲良くなってみろ。」
と言われた。私はインド人を誤解しているらしい。確かめたい。

スリランカへ飛ぶ飛行機が、チェンナイからだと安かったので、南インドのチェンナイに行くことにした。

チェンナイ国際空港に到着

到着の空港では、アライバルビザを取るのは私だけだった。
空港の職員は「アライバルビザ?あっちだよ」とイミグレの左の奥にあるブースへ案内してくれる。
そこで貰った書類に必要事項を記入し、インドビザ代の2,000ルピー(3,580円)をクレカで支払う。

ここまではまだスムーズだったが、嬉しそうに「アライバルビザ?俺の列に来なよ!」と窓口に呼んでくれたイミグレ職員は新人だった。
私の書類を見ながら、滞在日数や宿泊先ホテルの住所を一文字一文字パソコンに打ち込んでいるのだが、めちゃくちゃ遅い。しまいに先輩職員2人が登場して背後で「そこの欄じゃないよ、こっちに打ち込めよ。」「おい、綴り間違えてるよ。」とわちゃわちゃ指導している。

・・・早く空港から出たいんだけど・・・

イミグレには誰もいなくなり、私1人が残されている。そこに、また別の職員のインド人男性が3人やってきて「ここにいた、ここにいた!お前はアライバルビザ?」と聞いてくる。
なんだろう・・・イミグレを出た瞬間に高額タクシーに乗せられたり、ツアー会社に連れて行かれるやつだろうか。北インドでの経験があるので、かなり警戒する。

新人くんのせいでかなり長時間イミグレで足止めをくらった。
入国したら、さっきの男性3名が「こっち来いよ。」と案内してくる。行ってみたら、あまりにも引き取りが遅くて、ずっとベルトコンベアで回っていた私のスーツケースを、暇そうな空港職員6名で見てくれていた。
チップを要求されるのかと身構えたが「荷物、俺たちがみといてあげたよーははっ。」と渡してくれ、何も要求されなかった。拍子抜け。

北インドのイメージが強すぎて、警戒し過ぎかもしれない。
ここまでのインド人たちは皆、面倒見が良くて親切だ。英語はなまりが強すぎて聞き取りが難しいが。

空港のATM

チェンナイ市内へは地下鉄で行けるようだ。20年前はインドに地下鉄なんて文明はなかったのに。
チケットは40ルピー。・・・70円って採算が取れるのだろうか。500~800円払っていたヨーロッパから来たら別世界だ。

地下鉄のチケット購入窓口では、クレカは2枚とも弾かれたので、空港に戻ってATMで現金を下ろす。空港の外にはここ1台しかなかった。(空港の中には航空券を持っていないと入れない。)
この銀行は手数料は無料。

チェンナイの地下鉄

チケットはこのQRコードが書かれた紙を改札にかざす。

インドに地下鉄!
調べてみたら日本のODAで建設されたようだ。こういう所で協力しているから日本人と韓国人だけアライバルビザで入国出来るのだろう。遠慮なく80円で乗車させてもらう。

1番前から2両目までは女性専用車両になっている。
チェンナイは田舎なのか女性たちの服装はインドの伝統服だ。そして地下鉄であぐらをかくのが標準。

チェンナイ市内に到着

予約した宿があるGovernment Estate Metro駅に到着。
さっそくインド人が転がっている。「インドは昔と比べて凄い発展している。」と旅人たちから聞いていたのだが。全然20年前と変わっていないではないか。

全然20年前と変わっていないではないか。
まあこの位なら大阪にもいるか。

いやいや、いやいや。
これは日本にはない、道のごみ、えぐい。

道に神の使いのこいつらがいるのは想定内なんだけど・・・

なぜ道端にヤギがいるのか。

電線の絡まり方も相変わらず凄い。安定の破壊力だ。
インドが発展したと聞いて少し寂しい気がしていたのだが、全然変わってなくて安心した。

ブロードランズ(ホステル)

チェンナイ。1000円位の宿はいくつもあり、どこに宿泊しようか迷ったが「伝統家屋」という文言に惹かれ、ここにした。1泊税込みで1,180円。

収容所ですか。

個室。エアコンは無くてファンだけだった。このレベルの宿なら20年前は350円位で泊まった記憶があるんだけどな。物価は3倍位になっているということだろうか。

トイレとシャワーをのぞいてみる。
普通なら「1000円も払ってこれかい!」と落胆するところだが、20年前もこんな宿に泊まったので懐かしくて嬉しかった。その頃は宿のトイレは和式で、水は側に置いてある手桶で流すタイプのものしかなかったのでかなり進化している。

昨日の朝にナン1枚を食べてから何も食べていない。
宿の部屋まで案内してくれた従業員のおじいちゃんが、「朝食いる?」と聞いてくれたので、水と朝食を買ってきてもらった。

バナナ、パンケーキ、卵焼きにスープ、充実している。
最初150ルピーと言っていたのに、
「こぉひぃぃーー、バァナァナーーー、パンケェキィィーーー!!・・・180。」
「ばななぁぁぁーー、こぉひいいいー、ぱんけぇきぃぃーーー!!・・・・・200」
と聞いてもないのに3回説明してきて3回目に200ルピーに値上がりした。
50ルピーは85円。どうでもいい金額なので気持ち良く200ルピーを払った。

朝食は美味しかった。インドじゃ350円でお腹いっぱいになるのか。幸せだ。

3時間ほど仮眠してから、廊下に出てみたら、日本人男性がいた。大学院生で、3日前からチェンナイに来ているらしい。
今日がチェンナイ最終日らしく、一緒にショッピングモールへ行かないかと誘われたので、Uberアプリでトゥクトゥクを呼んで一緒に行くことにした。

エクスプレス・アベニュー

20年前にはあれだけぼったくられたインドのタクシーやトゥクトゥクにサイクルリキシャ。
Uberで呼べたらもう揉めなくてすむ。なんて楽になっているんだ。
もっと皆に私が旅した20年前のインドの苦労を味わって欲しいのに。片道250円位。

日本人大学院生のRyさんが行きたがったのは、ここ。彼が持っている地球の歩き方に載っているようだ。

フィリピンでも見たようなよくあるショッピングモール。ホールで出し物をしていて賑わっている。
私はここでお馴染みの「miniso」でメイク落としとクシ、家電屋でUSB-Cコードを購入。彼はスポーツタオルをお互いかなりの格安で購入した。

どのお店の店員も愛想が良くて感じがいい。もじゃもじゃの頭で「イエス」と言いながら首をかしげるのもかわいい。(インドでは前にではなくよこにうなずく)
やはりインド人は、根はいい人たちなんだと思った。

ヨーロッパで購入した1,500円のUSB-Cコードはどれも使用して3日位で接触が悪くなり使い物にならなかった。高いのに4回買い替えた。
ここで購入した199ルピー(340円)のUSB-Cコードは、充電速度も速く故障しなくて性能がダントツいい。
インドはやはり進んでいる。そしてヨーロッパのスマホアクセサリーはなぜあんなにカスなのか。

最上階のフードコートに来た。
入口でセキュリティチェックがあるこのショッピングモールに来れる人たちは、お金持ちの部類なんだろう。

チョコワッフル177ルピー(300円)。現地の物価からしたら高いが美味しかった。

クエイド・Eーミラス・ロード

帰りもUberを呼ぶ。ショッピングモール前でUberでないトゥクトゥク運転手らもひっきりなしに声をかかけてくるが、「Uber呼んじゃったんだよ。」とこちらが言っても「えー。もっと高い金額で行ってあげるよ!」と、なんでやねんというわけのわからないことを愛想よく言ってくる。

宿の近くの賑わっている通路まで戻って来た。

Ryさんが「インド最後はビニヤニで締めくくりたい。」と言うので、ビリヤニが置いてあるお店に来た。持ち帰りしかやってなかったので、一番小さい130ルピーの持ち帰りを頼んだら、銀色の袋に大量に詰めたビリヤニをくれた。

Tasmac(酒屋)

ビールも飲もうという話になり、この通りに唯一ある酒屋へ。
インドのヒンドゥー教は、イスラム教と違ってお酒を禁止してはいないが、国から販売の許可がおりるのが難易度が高く、酒屋の数は少ない。地元民が行くレストランにはもちろん置いていない。
しかしアルコールは皆好きなようで、酒屋は大混雑だった。

後日行った他の酒屋も鉄格子がしてあったので、よっぽど高価で強盗に遭いやすいのだろう。

Ryさんとビリヤニを分け、ビールで乾杯した。ビールは1本350円となかなか高い。

彼は今夜の飛行機でタイへ旅立ってしまう。
大学の休み中にインドを旅してみようとやって来たが、北インドの後にチェンナイに来て、3日で「もうインドはいいかな。」と感じ、今朝、タイ行きの航空券を取ったらしい。

「インド、悪くはないけど、インドが最高って言う人の気持ちが分からない。旅慣れてますの自己アピールなのかな?」「旅って結局、どこへ行くかではなく、そこへ誰と行ったか、だよね。」

彼とは意見が合い、話が盛り上がった。
そう、同じ場所でも誰と一緒にいたかで全然感じ方が違う。

その後も、彼が大学生の時はコロナ中で、誰とも交流がなく閉塞感に耐えられなった話など聞いてあげたりした。

彼が宿をチェックアウトする時間になった。
今朝会って1日一緒にいただけなのに、お互い淋しくなった。
「ハグを。」
最後に彼はそう言い、お互いハグして別れた。

旅先での出会いはやっぱりいいし、そして別れは辛い。
旅立つ方はいいが、残されたものは何故か淋しさが倍増してしまう。

久々、日本語を喋ったな。きっと彼もだろう。
ひとりになり、いつまでも彼が座っていた椅子を眺めていた。